PowerLedgerの特徴は、電力会社を通さずにP2Pで直接電力の取引が出来るようになることを目指しています。日本では太陽光パネルで発電し、余った電力を売ることができます。しかし、その相手はあくまでも電力会社です。売った電力は、その後電力会社を仲介して他者へと売られていくわけですが、電力会社を中継するため、収益性が悪いです。しかも、基本的に電力会社は60日ごとに買い取っている為、売りたい時に売るということも出来ません。しかしPowerLedger は仲介がなく、直接取引が可能なため、従来よりも効率的に余った電力を売買することができるようになります。
上記のように、日本では電力会社を中継した売電は年毎に価格が下がってきている傾向にあります。
P2Pは通信方法の一つです。従来の通信方法はクライアントサーバーシステムと呼ばれており、情報を受け取る側(クライアント)と送る側(サーバー)が決まっています。この通信方法のデメリットはクライアントが増えてしまった場合、サーバーへの負担が大きくなり、処理に遅れが生まれます。これに対してP2Pは、お互いそれぞれがサーバーであり、クライアントとなります。ピアツーピアの「ピア(Peer)」とは「同等」という意味です。それぞれがサーバーというポジションを持ち、エネルギーを提供しあうため、一つのサーバーにアクセスが集中する事がなくなり、サーバー負担を少なくできることがメリットです。
ここで一つ疑問が生まれます。それは自家発電した電力が本当に自由に取引出来るようになるのか?ということです。電力を自由に売買する為には、電力を取引する人数の分だけ、電力を売るための送電線も必要になってきます。それを世界規模で考えると壮大な話になってしまいます。しかしPowerLedgerはそれを実現させようと計画している段階です。実際、オーストラリア政府も非常に期待しており、既に820万ドルの出資をしています。また、タイ政府との連携も開始したようです。他にも、世界的な技術を持つ大手プロバイダーのインドラとパートナーシップを組んだようです。PowerLedger はICOで3,400万ドルもの資金を手に入れました。
PowerLedger の目的は個々が電力を自由に取引できるという壮大な計画で開発されており、本当に実現されるかどうかはまだわかりません。PowerLedger は資金調達に成功し、今後さらなる研究が進められていきます。上図のロードマップを見る限りでも、多くの開発が行われる予定です。
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