COIN TOKYO

  • 2018/02/21
  • 2018/02/21
  • コイン東京編集部 新崎優太

【翻訳】ビットコイン・コアが誇る、SegWitの長い道のり

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セグウィットは、ネットワークの拡張性に焦点を当てているだけでなく、より速くて安い手数料でのトランザクション実現に向けた革新的な取り組みです。

数か月の議論の末、昨年8月にセグウィットの開発は開始されました。現在、開発チームは精巧に構築された完成度の高いプログラムのリリースに向けて、ラストスパートをかけています。これは、世界最年長で、最も高価な暗号通貨の開発チームにしては、珍しい事です。

セグウィットは特別

多くの場合、ビットコイン・コア(中心的な開発チーム)が新たなコード改良案を紹介すると、ゆるんだ(ルーズな)ボランティア開発者グループはプログラムのパーツを集めて単調に組み立てます。しかし、今回のビットコイン史上16番目となる「メジャーリリース.0.16.0」は、様子が異なります。

数日中に実装が予定される今回の更新では、セグウィットに関係する全ての問題をクリアにします。特にソフトウェアのデフォルトウォレットからセグウィット型のトランザクションを簡単に送信可能にすることに重きを置いています。

当初、セグウィットソフトウェア更新の目的は、新ルールのネットワークへの影響を把握することでしたが、0.16.0は全ユーザーが利益を享受できる状態にすることを目的としていす。

ビットコイン・コア開発者Andrew Chow氏はCoinDeskに語っています:
「主な変更点は、ウォレットにセグウィットが追加されることです。ユーザーはセグウィットアドレスを簡単に作成できます。そのため、セグウィットの機能はコマンドライン・セットとウォレットのユーザー・インターフェースの両方に追加され、プログラマーもユーザーも共に使用できるようになります。」

ビットコイン・コア開発者Marco Falke氏は、以前のウォレットでもセグウィットアドレスを作成できたものの、プログラムが「陳腐」で、「非効率だった」と語りました。
更新されると、セグウィットアドレスがデフォルトになります。つまり、新しいアドレスは自動的にスケーリング機能に互換性を持ちます。

バージョン0.16.0は、「ネイティブSegWitアドレス」をサポートする最初のリリースになります。このアドレスは、「bech32」とも呼ばれる新しいアドレスフォーマットで、ビットコインコア開発者Pieter Wuille氏とGreg Maxwell氏が手掛けたものです。古いアドレスタイプよりも使いやすく、セグウィットを自動的にサポートします。

Falke氏は「自動サポートできる点が、今回のリリースで最も素晴らしい点です。」としています。

セグウィットアドレスが自動的に作成されるため、ウォレットユーザーはすぐに手数料の安さを体験できるはずです。そしてもっと広い意味を持ちます。

ビットコイン・コアは、セグウィットを初めて議題にあげたのは2016年11月の事です。その後の大激論により、一部の開発者は競合する暗号通貨に移る事もありました。(ビットコインキャッシュの事、ブロックサイズを増やせば、手数料を下げられると考え、セグウィットに反対している。)

Chow氏によれば、セグウィットのネイティブ・アドレス形式は、料金が下がる利点がある一方で、形式が新しいため現状ではサポートしているウォレットが少ない事を認めています。また、他のウォレットの方が柔軟性が高いことも認めています。たとえば、ウォレットや秘密鍵を別のデータディレクトリに保存することも選択できます。

待ち遠しい

今回のリリースは、セグウィットにまつわるネガティブな噂の解消につながるでしょう。この導入はおそらく支持者たちが当初予想したよりはるかに遅い実現となりました。

実際、グローバルなソフトウェアコードの更新について、必ずしも素早く処理される必要はないのですが、大手企業でさえ既に採用しているという理由で、ユーザーは不満の声を募らせてきました。

このようなユーザーの期待と不安の辛みを考えると、ウォレットにトランザクション型のサポートを追加する事に、ビットコイン・コアがこれほど長く時間をかけてきたことに驚くかもしれません。しかし、開発者は遅延の理由がいくつかあったと主張しています。

Chow氏は以下のように話します:
「まず、チームはサポートを開始する前に、セグウィットが実際にネットワーク上でどのように動作するかテストしたかったのです。セキュリティ上の脆弱性が発見され場合やその他の懸念を想定して。政治上の都合もありましたが。」

また、前回のソフトウェアリリース0.15.1で、ウォレットのセグウィットへのサポートを強化するはずでした。しかし2016年11月に予定された別のビットコインソフトウェア更新がこれと代替し、優先度を遅らせ、先送りする事になったと主張しています。

参考;
https://www.coindesk.com/bitcoins-new-code-will-finally-boast-full-segwit-support/

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