COIN TOKYO

  • 2018/03/05
  • 2018/03/05
  • コイン東京編集部 新崎優太

Blockchain Breakthrough Leaders (ブロックチェーンとICOのイベント) にコイン東京が取材に入りました

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3月3日、Blockchain Breakthrough Leadersという、海外のブロックチェーンとICOに関わる企業を招聘したイベントに、取材にいってきました。当日メインスピーチとして登壇した企業はPlatin、Keychain、NERA、Capitalise、MOBIUS(登壇順)の5社です。会場はYJキャピタル様ご提供、日本最大級のコワーキングスペースLODGEにて開催されました。

仮想通貨は現在投機目的となっているばかりで、技術的な面が知られていません。そこで、日本にきて実際技術的に何をしているのかを発信することにより、何か生まれるのではないか。仮想通貨とブロックチェーンは陰と陽の関係だからこそ、逆にそこを使わない手はないといった考えをもち、イベントに参画した企業もあり、短い時間ながらも各企業のブロックチェーンや仮想通貨にまつわる熱い想いを聞けましたので本文に公開いたします。

17時30分、イベント会場はほぼ満席。まず、ブロックチェーンを用いた位置情報プロトコルサービスを主とするPlatinによるスピーチから始まりました。

Platin from イスラエル / 創業者兼CEO ALLON MASON氏

通貨情報
トークンのプレセール:2018年5月
ICO:2018年6月
通貨名:PTN

Platinは、モバイルマイニングやセキュリティ関連での事業提携を目的として、今回のイベントに登壇しました。既に東京都からの支援もあり、豊田通商、アパマンショップ、HONDAなどといった大手企業とも直接取引をしているとのことを、メディア取材の際に聞くことができました。主なサービスとしては、ブロックチェーンを用いた位置証明プロトコルがあげられます。位置証明プロトコルがどういったものかというと、特定の場所への送金、現在地や所在地での身元確認、利用者の移動による顧客獲得、通貨のジオフェンシングなどがあげられると述べます。
Platinの公表済み科学審議会パートナーとしては、
ETH zurich(チューリッヒ工科大学)
Technion (イスラエル工科大学)
HKUST (香港科技大学) など、名だたる科学技術の専門教育機関と提携しており、同社の技術力の確かな基盤がうかがえました。

Keychain from シンガポール(事業拠点は日本) / 共同創業者兼COO 三島一祥氏

ラズベリーパイ(略称:ラズパイ)とよばれるIoTデバイスについて説明をする同氏

昨年経済産業省およびIoT推進ラボの第3回先進的IoTプロジェクト選考会議「IoT Lab Selection」で、特別賞を受賞し、NEDOからの支援を受けているKeychainのプレゼンテーションです。
2018年にはこれから出てくる多くのアプリケーションと既存のアプリケーションがつながっていく事が面白いところ(コネクティッドインダストリー)だと取材時に述べて下さいました。

現時点で同社はIoTデバイス認証のソフトウェア開発をしており、IOTAは1・5GBあるところが、ラズベリーパイは8MBでも動作する。また、今後ラズベリーパイはドローンに入れる可能性も視野にいれており、これからたくさんの人につかっていただけるように頑張っていると熱く語っておられました。

NERA from シンガポール

通貨情報
トークンの種類:ERC20
トークンのメインセール:2018年3月8日―2018年3月31日
50kWh=1NERA Token
トークンセールの目的:今後3年間、トークンからの売り上げは主に再生可能エネルギーのプロジェクトへ資金融資するために使われます。

グリーンと再生可能エネルギーのスペシャリスト Matthias Gelber氏

NERAが日本にきた目的を聞くと、日本の環境意識が高いことから、いろいろと支援してもらいたいと考えています、とメディア取材の際に快く応じてくれました。
本日はCEOのAndy Tan氏も来訪されていましたが、スピーカーはGelber氏が務めます。
彼は冒頭部分から、面白おかしく環境について冗談を飛ばします。「僕の頭はエコ・フレンドリーだよ、皆にこれをすすめるね、何故かって? シャンプーもいらないし、水も少なくってすむだろう?本当にいいよ。」そこから本題に入ります。「今までにcarbon creditを買ったことがある人は?」-誰も手をあげません。

スピーチを興味深く聞く登壇者及び
企業の方達

「誰も買ったことがないのかい、僕達はそれを増やしたいんだ」と続けます。carbon creditとは炭素クレジットといい、排出量を余らせている所からその分を買い取り、それがクレジットとして売買可能となっているものです。同氏は、我々のシステムは京都議定書に根差しているが、議定書は大企業向けでありとても高くつくものだったことを引用しながら、同社のターゲットは消費者や、中小企業であると述べます。
ユーザーは、NERAのサイト・アプリにログインし、自身のグリーン活動情報を入力します。それが、二酸化炭素排出量削減指数(ERU)として表示されて、NERAのトークンと交換可能になります。ユーザーはNERAトークンを取り扱っている交換所にて、トークンをトレードすることができます。
そしてマレーシアでの教育機関におけるパイロットプロジェクトでは、電気使用量を減らすよう子供たちが親に説得させ、子供たちは実際にトークンを受け取ることができたと述べました。
最後に、現在はベトナム、フィリピンといったアジア圏の研究機関と幅広く提携していることを説明し、これから私たちの一人ひとりが次世代、次々世代にむけて二酸化炭素排出量の削減をめざしていきましょうとしめくくりました。

Capitalise from イスラエル / 創業者兼CEO Shahar Rabin氏

同氏にこのイベントに参加した目的を伺うと、「日本に技術提供できればと考えており、パートナーシップを組めればと考えています。尚、ICOについては準備段階です。」との答えが返ってきました。
また本社のあるイスラエルでのICOは考えておらず、日本での規制の進展に着目していきたい。同社の製品を仮想通貨に合わせたサービスとして今後提供し、2018年は仮想通貨取引関係での企業独自のアプリやサービスが多数展開されていくだろうとの目論見から、早い段階でのビジネス参画をしていくともパネルディスカッションで述べていました。

以下、プレゼンテーションより抜粋。
「私は、エンジニアからキャリアをスタートさせましたが、資金稼ぎの手段としてデイトレーダーを始めました。しかし、マーケットは朝から夜まで開いており、寝る暇がありません。どうしたら独自のトレーディングストラテジーを作ることができるのか、元エンジニアのため時間はかかりましたが、そのインフラストラクチャーを作成することができました。解決方法としてはパソコンにコミュニケーションをインプットすることであり、簡潔
に述べると私たちは自動取引のプラットフォームを作成しているわけです。現在バイナンスに技術提供をしており、これからはAPIを使いどんどん取引所に技術提供をしていきたいと考えています。」と展望を述べ
締めくくりました。

MOBIUS

通貨情報:
トークンの種類;Stellar XLM(ルーメン)
トークンセール:終了済 (2017年1月18日―1月19日)
ICO時トークンプライス:I MOBI=0.16米ドル
MOBICOINの取扱所:Gate.io、StellarTerm、Stronghold、Stellarport

同社は先月26日に韓国のミートアップに参加しました。日本では今回初めてのイベント参画となりました。日本における同社の立場としては、“昨年7月から既にプロダクトローンチをしており、日本市場にも若干オープンしている。特に物流関連、製造業とどうプロトタイプを作っていくかについて疑問点があるかもしれませんが、未だ情報公開はできない段階です”と、イベント直前に教えてくれました。
まずスピーチは、創業者兼CEOのCyrus S. Khajvandi氏から始まります。Mobiusはまず、支払いや決済など簡単なものからはじまり、消費者のブロックチェーンを打ち立てたといいます。技術的にも非常に深いものを提供できていると自負しており、ICOの際にはRippleやStellarの共同創業者であるMacCaleb氏が注力してくれたため、トークン販売量は市場最大規模のものにすることができたそうです。(2017年で公開した2時間でUS$400ミリオンのオファーがあり、プレ・セールでUS$39ミリオンの調達を完了させました:引用元 YJキャピタル)またMobiusは2つ目のRippleの会社であります、とも述べています。

やはりこの先企業の立場として非常に重要なものとして考えているものは、サプライチェーンであり、例えばインスリンにはブロックチェーンが適用できるといいます。温度が設定レベルをうわまわっているなど、ブロックチェーンべースで情報が確認できるようなると、ソフト面から説明をしてくれました。また、技術面からはKhajvandi氏のスタンフォード大学時代からの仲間でもある同社のへッドリサーチ・サイエンティストであるMonis Rahman氏が説明をしてくれました。どうにかして人々をブロックチェーンにつなげるのかの橋渡しをするのがオラクルであり、オラクルに接続してブロックチェーンができる、それは実はスマートコントラクトであるとオラクルの説明を概念的にします。
現在オラクルには問題があるといいます。
・ブロックチェーンは信頼性が低い
・ブロックチェーンは100%公的なものになっている
この2つがオラクルの問題だと指摘します。また、海賊版DVDといったようなものをつくる人がでてきたように、海賊版のオラクルがでてくるのではないかと懸念していました。

問題点は、インターネットの認証機関は常に問題を抱えており、間違った情報提供といった障害がでてくるといいます。色んなサードパーティーがありますが、データ精度の問題があると指摘しました。最後に、肝はサプライチェーンであり、TSMC(台湾・セミコンダクター・マニュファクチャリング/ 台湾半導体大手として2番手)が提供する技術を利用するとも述べ、スピーチを締めました。

まとめ

会場にはメディアを含め、およそ120名程度の参加者が集まり、ブロックチェーンにおける日本の海外企業
への意識の高さや、また海外企業も続々と日本市場に目を向けてきていることを目の当たりにできました。これから日本が海外企業とどうブロックチェーンを介して協業し、市場を盛り上げていくのか、Cointokyoは興味深く注視していきたいと思います。

ーコイン東京

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