COIN TOKYO

  • 2018/04/26
  • 2018/04/26
  • コイン東京編集部 新崎優太

【独占取材】日本最大級のブロックチェーンカンファレンス"Beyond Blocks"のCOO Gabriel Yang氏をお招きしました―コイン東京

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この度は、日本最大級のブロックチェーンカンファレンス"Beyond Blocks"を成功に至らせた、COO の Gabriel Yang氏にお越し頂きました。カンファレンスを開催した事により生まれたイノベーション、今後のブロックチェーン界についてなど、貴重なお話を頂きました。

インタビュアー:YABO (コイン東京)


―コイン東京
ようこそコイン東京へ!まずは、日本の人に向けて、ガブリエルさんの自己紹介をお願いできますか?


―ガブリエルさん
もちろんです。私の名前はガブリエル・ヤングといいます。シンガポール出身で、Beyond BlocksのCOOです。Beyond Blocksはプラットフォームで、特にアジア各国のブロックチェーンコミュニティをつなげる役割を果たすイベントとなります。私たちが成し遂げた1つの有名なイベントは昨年にのぼります。私たちは初めてのカンファレンスを昨年12月バンコクで開き、2度目のカンファレンスはここ東京で催し、1000名の参加希望者数の内900名が実際参加して下さいました。そして世界中から40名ほどのスピーカー達が来日してくれました。

―コイン東京
日本最大規模のイベントとなりましたね。イベントはどのような形で開催まで進められたのでしょうか。私は世界中の参加者を目の当たりにしました。何名の企業家や仮想通貨の創設者、またブロックチェーンに関連した専門家達がお集まりになられたのでしょうか。


―ガブリエル
大多数の参加者が好奇心、または投資目線からブロックチェーンプロジェクトに参加していたと考えています。その内訳は参加者の70%となるでしょう。ここで重要な点と非常に驚くべきこととしては、私たちは当初、大部分の参加登録者が日本の方たちだろうと期待していました。登録者数の内、80%が日本を拠点とする参加者達から構成されるだろうと思っていたわけです。しかし最終的に判明したことは、日本国外から日本で何が起こっているのかに関心を持ち、来日した海外勢がとても多かったことです。主にヨーロッパ、アジア、そして韓国からは非常に大勢の人々が来て下さり、私はこれは1つのとてもポジティブな動きだと考えています。また彼らは日本のブロックチェーン企業と提携や何らかの形でつながることに非常に関心を持っていました。本カンファレンスには仮想通貨取引所やメディアなどを含めて幅広く集まり、大手取引所のビットフライヤー(Bitflyer)も参加してくださいました。

―コイン東京
このイベントは2日間にわたって行われました。いつ頃から計画を立て始めたのでしょうか?


―ガブリエルさん
私たちは12月にこのイベントを計画し始めました。私たちが人々に尋ねた質問の1つは、新たに別のカンファレンスを行う場合、どこにすべきかということでした。60%の人達が日本、東京と答えました。れわれは仮想通貨やブロックチェーンの観点から、日本やアジア周辺で起こっていることを既に知っていました。簡単に言えば、ビットコインは日本に受け入れられています。ここのエコシステムも非常に成熟しています。ブロックチェーンが潜在的になにができるかにについては、多くの関心があります。規制の観点から見ると、まだまだ先行しているといえます。そうであってもいなくても、今日の世界で規制は、ブロックチェーンの領域の中で何が達成できるかというパートにおいて非常に重要な役割を果たしています。

―コイン東京
このイベントでは、日本人と外国人のスピーカー比率のバランスが絶妙だと思いました。中でも、ビットフライヤー(Bitflyer)の加納さんが基調講演を開始したことは印象的でしたね。たいてい私たちがこのイベントでみるもといえば、日本人VS外国人といったもので、ディスカッションで双方が議論しているものです。


―ガブリエルさん
実際に、それが私たちのやろうとしてきたことの一つではあります。私たちは、日本がこれからたくさんのことを世界中から学ぶことができると信じています。それが私たちが外国人スピーカーを連れて来た理由です。逆に、外国人の出席者は、日本に拠点を置く人々の意見を聞くことに興味があります。彼らの多くは実際に具体的な意見を聞いたことがありません。ジャパン・ブロックチェーン・アソシエーションの創設者の一人であり、私たちのスピーカーでもあるMasaは、ステージ上でこう言いました「暗号ベースの投資はキャピタルゲインの課税対象となりますが、正しいことを知っている人は誰かいますか?」ここで驚くべきことは、日本人のほとんどが実際にそれが55%だと分かっている訳ではないということです。情報はすぐそこにありますが、必ずしも気付かれる訳ではありません。それは実際にカンファレンスの知識共有がうまくいく理由の良い例です。知識のシェアは、マーケットで正確に何をすべきかについて、投資やビジネスの観点から決定するのにも役立ちます。


―コイン東京
私はまた、カンファレンス全体が実際に知識のシェアと産業に基づいていて、ワークショップで自社のサービスや製品を売り出そうとしているスピーカーがいないことにたいしても、本当に素晴らしいことだと思っています。


―ガブリエルさん
私たちは運営のルールに非常に厳格です。どのような規制にかかわらず、我々は市場がシリングと呼ぶものを許しません。私たちは“私はICOを公開するので投資してください、ホワイトページは300ページほどあります。”とステージ上で言うような人々や企業、Pre-ICO企業が
壇上に立つことを許可しません。それはもはやBeyond Blocksのプラットフォームでありません。私たちのプラットフォームのテーマは、ブロックチェーンでなにができるかというポテンシャルのシェアに常に焦点を当てているのです。

Beyond Blocksの開会の挨拶をするGabrielさん
Beyond Blocksの様子

―コイン東京
ガブリエルさん自身について少しお話しましょう。まず2つの質問があります。1つは、あなたはどうやってブロックチェーンコミュニティー業界に関わりはじめることができたのですか、そして2つめはなぜBeyond Blocksを始めようかとしたことです。


―ガブリエルさん
私個人のバックグラウンドとしては、私自身8年間常に新しいテクノロジーやインターネット関連事業に携わっていました。当時はスタートアップがブームとなっている時代で、起業家ブームは東南アジアで始まっていました。私はシンガポールに拠点を置いていました。急成長するという期待があったからです。その後、私はマーケティングに携わりました。私たちは、オンラインマーケティングキャンペーンでがむしゃらのように働き、特にモバイルやデスクトップといった機器のマーケティングに専念しました。私たちはバンコクのオフィスを拠点としており、2年間経営していましたが、時が経つにつれすでに仮想通貨関連の投資家や友達がまわりにいたのです。

―コイン東京
きっかけはご友人の方だったのですね。


―ガブリエルさん
そうです。そして私たちはマーケットの可能性を目の当たりにしました。大勢の人々が私たちに向かって「マーケティングをやっているんだって?ICOを手伝ってくれないか?」と。それが私たちの最初のステップだったのです。ICOがどのように実行され、どのようにICOが進展していったかと共に、私たちは最初にいくつかのプロジェクトに参画し始めました。

―コイン東京
その中で”カンファレンス”の必要性に気づかれた訳ですね。


―ガブリエルさん
アジアの数多くのカンファレンスに参加しました。ヨーロッパのカンファレンスにも出向きました。しかし、知識を共有したり、人と人をつなぐための良いプラットフォームが無いことに気がついたのです。カンファレンスを開催することはとても自分の水にあい、開催しない理由などどこにある、などといったような感じで運営しました。もし本当にカンファレンスを開催することに対してマーケットがあるのなら、もし私たちと業界がそれから恩恵を受けられるとしたら、と考え一旦やってみようと思いました。それが始まりであり、ポジティブなレスポンスは私たちを励まし前進させました。そして、Beyond Blocksは今となっては実際に本物のビジネスとなったのです。今では、人々から私たちは、次はどこで開催されるのか、私の国で開催してくれないかといった質問までされるようになりました。なので、私達はおそらく正しいことをしているのだと思っています。

―コイン東京
ありがとうございます。現在のブロックチェーンの状況は、2000年のIT業界と似ているのかもしれませんね。


―ガブリエル氏
そうですね。 IT産業は非常に良い例です。Foursquareが出てきたとき、多くのポテンシャル、ロケーション、そしてそのようなものすべてがブームとなりました。それから、Googleマップが出てきて、Facebookが普及しはじめました。誰が今Foursquareを使うのでしょうか?それはすべて消されたも同然です。私はそれが本当に消されたと言っているわけではありませんが、誰もそれを使用していません。誰もがFoursquareはすごい可能性を秘めていたと言っていました。小売店や店舗などで予約することはできますが、それ以上のものでもありません。

―コイン東京
当時の勢いは凄かったですね。


―ガブリエルさん
近年、東南アジアと米国にはFriendsterというサービスがあります。日本にはミクシーがあります。彼らは各々の地域・国で絶対的に支配的な力でした。しかし彼らはFacebookのような優れた技術と優れたプラットフォームによって引き継がれました。それはまた、文化にもよるところがあります。Linkedinは日本ではあまり進展していませんしね。このようにブロックチェーンの未来も一切コントロールできません。

―コイン東京
投資家の数も爆発的に増えていますよね。


―ガブリエルさん
かつては、投資家はリターンを得るのに3〜5年待たなければなりませんでした。 ICOやブロックチェーンプロジェクトでは、6ヵ月から12ヵ月の間に投資額が2倍から3倍に増える可能性があります。投資家として、それは素晴らしいことです。それはそうですが、市場は非常に激変しており、それに対する多くの人々の関心は弱冠保守的で分別的です。私は名前を述べることはできませんが、仮想通貨に投資しているとある機関投資家から聞いたことがありますが、彼らはそのファンドの10%から最大20%を仮想通貨に投資していると言います。
これは、機関投資の観点から見ると分かりやすいものの1つです。非常に興味深いのは、たとえばヘッジファンドであり、そのリソースの一部をさまざまな仮想通貨の業界に費やしているというものです。別の関心事として同時に、多くの投資クラブを見ることができ、私達はこれを、お金を一緒に集め、ICOのプレ・セールに投資するシンジケートと呼んでいます。繰り返すようですが、これはブロックチェーンが業界として進化し、テクノロジーを発展させ、業界の投資パターンを進化させた方法です。これはあなたがマーケットで見るファンダメンタルの別の面で重要な関心事です。私は企業にとって、それは本当に奇妙なものだと思います。
ブロックチェーンは新しい業界であり、人びとがリアルな経験をするようなものではありません。何故なら誰もブロックチェーンがどんなものになるのか実際にはわからないからです。

―コイン東京
このマーケットには専門家がいないということですね。


―ガブリエルさん
その通りです。みんな模索している段階です。 2010年にスタートアップについて話していた時、以前ドットコムクラッシュのための専門家がいました。ドットコム業界に関わる人々を知っていることは、これも基本的なことの1つです。重要な違いは、業界がまだ新しいために、本物の専門家がいないということです。自分自身を専門家とよべる経験値が必要です。人々は知識をシェアしますが、その知識が実際のブロックチェーンの権威的な意味合いを持つかというと未だそうではありません。

―コイン東京
この業界はどこに向かうと思いますか?


―ガブリエルさん
市場として、それは進化するでしょうか?間違いなくするでしょう。どう進むと思いますか?うまくいけば、今後数年間、大量採用につながるか、むしろエントリーレベルの採用にはつながっていることは確かです。今年か来年に、より良い規制が生まれてくると思います。私は規制が再び非常に重要になってくるだろうと考えています。集権的に聞こえるかも知れませんが、正しい規制や法が先頭にこなければ、いかなるビジネスも行うことはできません。それが未来です。
これを踏まえれば、今後の可能性についてもっと明確な道が見えてくると思いますが、ほぼすべての政府が模索しているという事実も知っています。しかし難しくて、ここ日本のように、FSAは何が起こっているのか、何ができるのかについての多くの法的な問題や弁護士が関わっています。

―コイン東京
まず重要なポイントは「規制」にあるのですね。


―ガブリエルさん
そうです。そして、もう一つのポイントは投機だと思っています。技術的な観点から見た上で、可能性があるか考えた方が良いでしょう。ブロックチェーンは世界をより良い場所にすることができますか?はい、それは間違いありません。もし正しく行えば、世界をより良い場所にすることができます。今から5年後に、まだブロックチェーンと呼ばれることがあるかというと、誰も知ることはできませんが、それはインターネットと同じように良くい部分も悪い部分も含めて、世界をより良くする可能性を秘めていると言えます。

―コイン東京
ありがとうございます。最後の質問となりますが、日本の皆様に何かメッセージはありますか。そして何らかの告知がありましたら、ぜひ教えて下さい。


―ガブリエルさん
まず、私たちを招いて頂きありがとうございます。数ヶ月間メディアスポンサーになってくれたりと、色々とサポートしてくれてありがとう。カンファレンスに出席してくれた皆さんには、私がステージで言ったように、本当にサポートや、来てくれたことに感謝しています。皆様がとても楽しい時間を過ごされた事を願います。また正しい人々と出会って、それが貴方のビジネスを成長させ進化させることを願っています。私たちはまた、いくつかのパートナーと仕事をして、いくつかの会合をやっていきます。うまくいけば、私たちはいくつかの興味深い企業、個々のプロジェクトを日本に持ってきてくれるはずです。私たちは日本のシーンを魅了し続けたいと思っています。私たちはここで起こっていることに非常に大きな関心を持っています。誰もが日本以外の地域で何が起こっているかに大きな関心がある場合は、私たちのカンファレンスを見続けてください。ソーシャルメディアのハンドル、Facebook、Twitter、Instagram:BeyondBlocksに更新があります。 Beyondblocks.comは当社のウェブサイトです。それと同時に、何が起こっているのかをチェックして頂けることを願っています。

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