COIN TOKYO

  • 2018/05/21
  • 2018/05/21
  • コイン東京編集部 新崎優太

スイス政府、自国発行デジタル通貨「eフラン」について本格的に調査か

このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年5月17日、ロイターによると、スイス政府連邦参事会が自国にて発行したデジタル通貨「eフラン」の導入後のリスクとチャンスについて、スイス金融当局に調査を依頼しようとしています。

スイス政府連邦参事会(スイスで行政を担う)は、スイスの国会議員セドリック・ヴェルムート氏に促されて今回の調査をすることとなりました。現在はスイス国会下院にて、今回の連邦参事会の調査について指示するか否か審議している状況です。この調査について提案が承認され次第、スイス金融当局の調査が始まります。調査状況やスケジュールについては今のところ公表されていません。

スイス国会のねらい

スイス国会のねらいとして「eフラン」の使用による法務や金融面で変化を起こすことを狙いとしています。各国政府による仮想通貨の発行については2018年2月にSIX(スイス証券取引所)のロメオ・ラッハー会長により提案されていました。ロメオ氏は、「eフランを中央銀行の管理下に置くことで多くの相乗効果が生まれ、経済に好影響を与えるだろう」と話しています。

スイス国内各銀行の見解

スイスで最大のUBS銀行は、ビットコインとその他の仮想通貨による取引について否定しました。また他の古くからある金融機関でも仮想通貨を導入することに懸念の姿勢を顕わにしています。スイス国立銀行の理事アンドレア・メクラー氏は民間のデジタル通貨のリスクは低いが中央銀行が発行するデジタル通貨については「計り知れないリスクを与える可能性がある」と指摘しています。さらにUBS銀行のアクセル・ウエーバー会長曰く、「仮想通貨は大部分が透明性にかけており、そのため悪用されやすい」と、仮想通貨の不透明さとセキュリティの問題を挙げ、ハッキングやマネーロンダリングの温床になり易いことなどを懸念しています。また仮想通貨の強固な管理についても求めました。

ブロックチェーン技術の中心的存在スイスの今

これまでスイスはブロックチェーン友好国として、仮想通貨やブロックチェーン技術などの中心的存在となっていましたが(税率が安くブロックチェーンの開発企業が数多く集まっているツーク州は別名「クリプトバレー」とも呼ばれています。)、ICO規制のガイドラインが発表されたことでその地位は失われたともささやかれていました。BlockShow Europe2018により発表された調査結果によるとスイスはブロックチェーン企業設立に適している欧州10カ国の中で第一位となっていました。

まとめ

スイス国内でも仮想通貨の導入について意見は割れており、今回のように自国発行のデジタル通貨についてメリットとデメリットを調査するなどまだまだ賛否両論あります。
その意図として、デジタル通貨を取り入れることにより法的にも金融面においても大きな変革が起きる可能性が高いこと、そして「eフラン」の法的・経済的・金融的にどのような影響があるかを明らかにするため、今回の提案が採用されることを求めています。
今後もスイスの動向には注目が集まりそうです。

仮想通貨の最新情報をお届けします!

人気記事ランキングまとめ

もっと見る