COIN TOKYO

  • 2018/06/27
  • 2018/06/27
  • コイン東京編集部 新崎優太

マウントゴックス(Mt.GOX)事件がようやく民事再生手続に、被害者への賠償はビットコインで支払い

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2014年に仮想通貨スペースを揺るがした悪名高きマウントゴックス(Mt.Gox)ハッキング事件の被害者に対する賠償は未だに進んでいません。しかし、東京地裁がこの事件の刑事訴訟から民事再生手続への移行の申し立てを承認したことで、債権者にはかすかな希望が見えてきました。

賠償金はビットコインで支払い

2018年6月22日のマウントゴックスのウェブサイトでの声明によると、東京地裁は、この悪名高いビットコイン取引所の民事再生手続開始を承認したとのことです。

昨年11月に、マウントゴックス・サーガの背後にいる匿名の債権者達は、民事再生手続を選択して、破産手続を終結させる請願書を提出しました。

裁判所は、2014年に債権者が現実通貨で投資した金額の同等額をビットコインで賠償することを一部認めており、これは彼らの大きな勝利だと言えます。つまり、被害者は、投資金額を2014年当時のビットコインレート(1BTC=約 $440)で換算した金額がビットコインで返金されるのです。残りの資金は取引所の所有者に与えられることになります。ビットコインの現在の価格を考慮すると、CEO のマルク・カルプレス氏と彼のチームは数十億ドルを得ることになります。

「破産手続において、非金銭債権は手続開始時に金銭債権に換算されます。ただし、民事再生手続においては、手続開始時において、非金銭債権は金銭債権に換算されないのです。したがって、民事再生手続に移行すれば、ビットコインの払い戻し(ビットコイン債権)は現実通貨ではなくビットコインで支払われることが可能なのです」

これまでの遥かな道のり

2011年6月にサイバーパンクスに強奪された$875万相当のビットコインは、2014年には4億6000万ドルの巨額の財産になっていました。この取引所には当時、破産申し立て以外の選択肢はなかったのです。

この問題に詳しいインサイダー情報筋によると、マウントゴックスへの攻撃はCEOと大多数のステークホルダーの無能さに起因していました。マルク・カルプレス氏はかいしゃやくいん経営幹部よりもプログラマーとしての才能がある人物で、時には取引所での技術的任務を無視していたといいます。

「マルク氏は最高経営責任者(CEO)のアイデアは好きだったが、日常の現実は彼を退屈させていった」と匿名のインサイダー情報筋は述べています。

2014年2月、カルプレス氏は膨大な数の人々から集めた資金が消失したことに気付き、企業はもはや存続できないと悟りました。

「我々のシステムには弱点があり、ビットコインが消失した。我々は多くの人に迷惑をかけてしまい、大変申し訳なく思っている」とカルプレス氏は当時、東京での記者会見で語りました。

2015年8月21日、「BTCManager」は、詐欺や横領の疑いで日本の警察がカルプレス氏を逮捕したと報じました。

興味深いことに、2018年3月7日、東京の弁護士でマウントゴックスの破産管財人である小林信明氏は、2017年9月以降、約4億ドル相当のビットコインとビットコインキャッシュを市場で投げ売りしたことを明らかにしました。この発言は多くの議論を呼び、これが現在の下落トレンドに繋がっていると言われています。

まだ終わらない

申立書は、マウントゴックスの資産売却の即時停止も求めています。債権者には、民事再生手続を証明するために2018年10月22日までの猶予が与えられ、さらに、当局が検証し申し立てを解決するために、システムに登録されているユーザー名とパスワードの提出を求められています。民事再生手続は、2019年2月まで続く予定です。実際に被害者がビットコインを得るには、数か月待たなければならないようです。


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