ノムラの分析によると、1月下旬に正式に仮想通貨取引取引を開始した「スクエアキャッシュ(Square Cash)」は、ビットコインの値動きから「デカップリング」しており、ペイパル社の「Venmo」より約3倍速く、5月と6月には月に200万回ダウンロードされました。
ノムラ・インスティネットのエグゼクティブディレクター兼アナリスト、ダン・ドレフ氏はCNBCに「スクエアはただのビットコインアプリではありません。」と述べ、「ビットコインで伸びたので多くの人々が心配していましたが、むしろデカップリングしています。」と付け加えました。
ビットコイン価格が2万ドル付近まで急騰した昨年11月、スクエアの「Cash App*」のダウンロード数は急増した。当時スクエアはビットコインのサポートをテストしていると発表しました。ビットコインの価格は、ピーク時から65%以上低下しています。*=スクエアキャッシュ(Square Cash)単にCashとも。
ビットコインが苦戦する一方で、キャッシュアプリの成長は加速しています。ダウンロード率は、ビットコインの価格がそれぞれ19%と15%下がった5月と6月に特に堅調でした。アプリのダウンロード数は、5月時点に前年比154%、6月に153%増加したとドレフ氏は語りました。
ノムラ・インスティネットは、ベンチマークとしている人気のある仮想通貨取引所コインベースの月間ダウンロード数と比較したという。ドレフ氏によるとコインベースは最近数ヶ月で急激にマイナスに転じました。例えば、6月のコインベースアプリのダウンロード成長率は39%低下したという。
6月にスクエア社は、仮想通貨規制とも言われるニューヨーク州のビットライセンスを取得しました。しかし、これはダウンロード数にさほど影響を与えませんでした。
「ニューヨーク市民へ取引を開放した際には、ダウンロード数の増加を予想しましたが、そうなりませんでした。週間トレンドを見ると、実際にはわずかに減速しました。」とドレフ氏は語りました。
ノムラによれば、「Square Cash」は合計3,140万ダウンロードを誇る「Venmo」に、約20万ダウンロードの後れを取っています。「Cash Appのダウンロード数は数週間以内にVenmoを上回るペースです。」、とドレフ氏は語りました。
3月に、決済事業のスクエア社とツイッター社CEOを兼任するジャック・ドーシー氏は、ビットコインが10年以内に世界共通の通貨になると主張しました。5月、スクエアは仮想通貨関連サービスによって時価総額を80億ドル(約8800億円)に伸ばしたと報じられました。