ビットコインは日本時間18日午前2時に短期間で6.5万円(約10%)以上上昇して、約1ヵ月ぶりに7,000ドル(約77万円)を上回りました。翌日以降も同水準を維持しており、19日20時時点に日本円に対して832,797円(-0.28%)となっています。
急激な価格高騰は直近のなんらかのニュースと相関しているかもしれませんが、一部の市場アナリストによるとショート・スクイーズが背景にあるという。
キプロスを本拠とする取引プラットフォームeToro(イートロ)のアナリスト、マティ・グリーンスパン氏は、「これは何らかのショート・スクイーズと新しい資金流入のコンビネーションだと推測しています。」と述べています。
ショート・スクイーズは、ショートポジション(売り持ちポジション)がロスカット注文によって買い戻され、ビットコイン相場が上昇する現象を指します。ロスカット注文によってBTCを買い戻すため、更にBTC相場の上昇に寄与することになります。FXショートはほぼ無制限の損失(利益)をもたらす可能性があり、投資家はそのポジションをクローズ(決済)するために反対注文を発注します。
ロンドンの仮想通貨取引所LBXのアナリストは以下のように述べています;
「過去数ヶ月にわたりロング(買い注文)を清算するためのストップランが幾度と見られましたが、今回はショートポジションのクローズによって発生したドミノ反応によって素早い値動きが推進された様です。つまり、市場が下がる方に賭けていた者は強制的にポジションを外されることになりました。」
LBXのアナリストはシカゴのDRWトレーディング・グループのビットコイン流動性プロバイダー「カンバーランド(Cumberland)社」のメモ(下図)を紹介しました。メモによるとアナリストらは6,850ドルがショート・セラーの重要なロスカット*ポイント、または短期ポジションを清算して損失をカバーしたと述べています。※ロスカット…大きな損失出た場合、それ以上損失が拡大しないように強制的に決済する(取引を終了させる)制度です。
Cumberland: leveraged short liquidations and break-out traders drove Bitcoin $BTC move. pic.twitter.com/A1GnFesfY6
— Lighthouse (@LightCrypto) 2018年7月18日
「当社の計算によると、BTCの最初のスパイクから最高レベルに達する20分強の間におよそ180,000,000ドル(相当のショートポジション)が、BitMexで清算されました。」
BitMex(ビットメックス)は香港の仮想通貨のデリバティブ取引所であり、個人投資家に仮想通貨のレバレッジ取引や先物取引を提供しています。今年1月に同社のアーサー・ヘイズCEOはプラットフォームの想定取引金額が日次10億ドルであると語っていました。
グリーンスパン氏は、「BTC市場では流動性が常に少し薄いため、伝統的な資産のほとんど同じプロセスや自動化は起きないだろう。しかし、短期間で清算が行われたことは間違いありません。」
一方でグリーンスパン氏は市場に流入する新しい資金が、連鎖反応を引き起こして、ビットコインを6,850ドル以上に押し上げた可能性があると述べました;
「価格のスパイクと同時に明らかに取引量もスパイクしており、さらに興味深い事に、米ドルでの取引量もスパイクしています。」*スパイク;急上昇や急増
グリーンスパン氏によると、スパイク期間に約1億3500万ドル相当のビットコインがドルで15分以内に取引されたという。比較材料として、スパイク直前20分間の5分足の取引量は150万〜200万ドルです。(約27倍)
グリーンスパン氏は、ドル建ての急騰は新しい資金が市場に投入されたことを示していると述べました;
「一般的に、熟練の暗号トレーダーが出入りしていると考えるならば、テザー(USDT)で行われるだろう。」
USドルにペッグされたテザーは、多くの主要な仮想通貨取引所によって利用されているドルのような流動性を提供します。
グリーンスパン氏は、「ドルの高騰は市場に投入された新しい資金によるものだと証明はできないし、どれほど多くの投資家または機関投資家がボリュームの背後にあるのかも知る由は無い」という。同氏は仮想通貨取引所ビットフィネクスとコインベース・プロの取引量が当日増加したと述べました。*ビットフィネクスのBTCの取引最大シェアは現時点でUSDの41%です。
カンバーランド社のメモはまた、ブレイクアウト戦略を取るトレーダーの存在を示唆しました。ブレイクアウトトレーダーとは、過去の高値・安値や数字的な節目で形成される抵抗線の突破を合図に市場に参入するテクニカルトレーダーを指します。
eToroの市場アナリストマシュー・ニュートン氏は、「18日の素晴らしいテクニカル局面が、価格を押し上げたのかもしれない。」と語りました。
グリーンスパン氏は、「確かに、6,800ドル水準をブレイクして上回ったことが誘因になったのかもしれないが、一方で新たな資金が流入したためにブレイクが起きた可能性がある。」と語りました。
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