リスクオフ(RiskOff);
投資家がリスクを回避し、より安定した資産に資金が流れる相場を指します。低リスク低リターンな金融商品が選ばれる状況です。
資産効果(Wealth effect);
経済主体の資産残高が、投資、消費等の意思決定や通貨需要などの経済活動に直接影響を及ぼすこと。なお、資産価格の下落が消費を減少させることは、「逆資産効果」と呼ばれます。
ファンドストラットのトム・リー氏は、次の表を使って説明しました。青いラインはビットコイン対米ドル価格、赤いラインはEEM*対SPY*です。
*EEM(MSCIエマージング・マーケット指数):新興国の代表的な株価指数、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが算出。
*SPY(S&P500指数):米国の代表的な株価指数、S&Pダウ・ジョーンズが算出。
ビットコインとEMMは共に2017年を通して上昇しました。EEMが年末のピークを迎え下落し始め、同時期にビットコインの価格も急激に低下しました。2つのデータは無関係に思えるかもしれません。トム・リー氏はこれらの関係性を示す要因について説明しました。
「1つの要因はヘッジファンドです。通常ヘッジファンドは新興市場の株式を保有します(リスクオン)。しかし、リスクオフ時にはこれらの株式を手放し、同時にビットコインも苦しむ。2つ目の要素は資産効果と関係します。新興市場に住む投資家は、自国の株価が大きく停滞した際、ビットコインを購入しようと思わない。これら2つの要因から新興市場がビットコイン市場が影響すると考えている。」
トム・リー氏は「ヘッジファンドは依然としてビットコイン投資に関心を示しており、新たなアナリストを採用している。」と述べる一方で、そのポートフォリオに加えようとしないと指摘しました。ビットコインの保管(カストディ)と評価モデルが確立されていないため、投資家の足取りは重たいという。
今年に入り、新興国を始めとする法定通貨市場での不安感も強まっており、リスクオフの値動きが強くなっています。法定通貨が安全でないと判断した国民が、仮想通貨に流れたケースもあります。2013年の「ギプロス・ショック」の際には(BTC)の知名度は一気に上がり、価格も急増しました。
トルコリラがドルに対して過去最安値をつけた8月10日には、トルコの仮想通貨取引所パリブやコイニムでの24時間取引高が100%を超える動きをみせました。
今年の11月には米国での中間選挙も控えています。ドナルド・トランプの再選による現在の出口戦略によって、新興国への負担は大きく変動する可能性があります。仮想通貨に対する影響を考慮する必要があるかもしれません。
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20代男性。都内名門高校卒業後、ベンチャー企業を経てコイン東京へ。二次元好きのセミプロゲーマー、好きが嵩じて仮想通貨やDappsゲーム、ブロックチェーン技術の世界にハマる。ゲーム知見と理数的素養から、最新の技術もカバーしつつ、プロジェクトの情報収集や分析を最も得意とする。
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