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レンジ相場とは、上昇や下落といった一方向の値動きではなく、ある一定の値幅での値動きが続く相場のことを言います。レンジ相場以外にもボックス相場や持ち合い相場と呼ばれたりもします。
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例として上記のビットコイン(BTC)チャートをご覧下さい。
上記チャートは2018年7月のチャートとなります。
7月18日未明に大陽線を形成したBTCは、長い上ヒゲの発生と共に、レンジ相場へと突入します。
7月18日から7月23日までの相場の上値、下値を共に結んでみましょう。それぞれのラインを結ぶことができた場合、それがそのレンジ相場の値幅ということになります。上記チャートの場合、上値が85万円台、下値が約80万円台ということがわかります。
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(1)その仮想通貨の大きな相場観を確認する
レンジ相場でのトレードを行う前提として、現在のレンジ相場が長期的にみて、上昇・下落のどちらのトレンド相場の後に出現したものか把握しておきましょう。
下降トレンド中に発生したレンジ相場では、市場では更に下落するかどうかに注目が集まりますし、上昇トレンド中のレンジ相場も同じように、このまま上昇するかどうかに注目が集まります。
更に同じ下降トレンドラインでも、底値に接触を始めているものと始めていないものでは下値ラインの重要性が大きく違っていきます。
大きな流れを事前に確認することで、レンジ相場内の上値・下値の重要性を把握することができるのです。
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(2)価格の上値・下値ラインの反発を狙うトレード
大きな相場を把握したらレンジ相場での取引を開始します。
上記チャートはBTCの8月のチャートです。レンジ相場は、前述でご説明したとおり、一定の値幅で値動きをみせる特徴を持っています。そのため基本的な手法として、上値ラインに接触したら売り、下値ラインに接触したら買います。原則的にはこれだけである程度、安定した取引を行うことができます。
更に慎重にトレードしたいという場合、現在の全体的な相場を思い出しましょう。
上記チャートはBTCの下降トレンド後、一ヶ月ぶりに底値に接触を始めた状況のレンジ相場です。底値接触ということは、過去にその価格帯がしっかりと支持帯となったということです。つまり上記チャートも下値ラインは非常に硬いものではないかと判断することができるのです。上値ライン接触時は注文せずに、しっかりと支持されている下値ラインで買い注文することで、試行回数も減り、トレードの安定感が増すのではないでしょうか。
(3)レンジ相場ブレイクに注意
レンジ相場も、永遠にレンジ相場というわけではありません。
いつかはレンジ相場のラインを抜け、大きな動きがみられることになります。
上記チャートでも三度目の上値ライン接触にて、ラインブレイクし、そのまま価格を大きく上げています。三度目の上値ラインで売りを注文した場合、当然大きな損をすることとなります。まずは、ラインブレイクによる損失を減らすためにロスカットを設定してくことを忘れないようにしてください。
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(4)レンジ相場のトレードで活用するテクニカル指標 RSI
更にテクニカル指標も活用していきます。
テクニカル指標にはレンジ相場で力を発揮するオシレーター系の指標が多く存在します。
代表的な指標としてRSI(相対力指数)というものがあります。簡単に説明すると、市場の取引にて買われ過ぎ・売られ過ぎを判断し、逆張りを行うことができる指標です。上記チャートの下方にある別のチャートがRSIを表示したものとなります。
RSIでは約20%から80%で動くチャートであり、このチャートが70%を超えると、相場では買われ過ぎ、30%を下回ると売られ過ぎと判断することができるのです。
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つまりレンジ相場でRSIを活用した場合、70%を超えたら売り、30%を下回ったら買いという風に活用ができます。更に前述で述べたレンジ相場の上値・下値のラインと組み合わせた場合、上記チャートでは赤い丸のポイントがエントリーポイントと判断することができます。
(5)レンジ相場でのトレード注意点
レンジ相場では常に上値・下値ラインが平行になるわけではありません。
中には上記BTCチャートのように下値を結んだラインが斜め上に上がっていくようなレンジ相場等もあります。このようにレンジ相場でも様々な持ち合いの形というものがあり、その形によりレンジ相場突破後の方向感の予測がある程度できます。
上記チャートで言うと、レンジ相場の中で徐々に下値を切り上げてきているチャートになっています。この場合、上昇三角型と呼ばれ、レンジ相場は上に放たれる可能性が高いパターンといえます。逆に上値が徐々に切り下がる場合、下降三角型と呼ばれ、レンジ相場後、下放れを起こす可能性が高まることになります。
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しかしここで重要なポイントは、必ずしも持ち合いのパターンの予測通りにはいかないこともあるということです。そもそもレンジ相場は、市場で方向感がなく、どう動くか迷っている相場ともいえます。レンジ相場の中でのパターンはあくまでも可能性が高い、選択肢の一つであり、確実性のあるものではないということを頭に入れておきましょう。
最も安定性のあるトレードとしては、ラインをブレイクしてからエントリーするということです。レンジ相場後の値動きとして、一時的の場合も含め大きく動く場合が多いものです。チャートをこまめに確認する必要はありますが、放たれた方にエントリーするということが最も安定性のある取引ではないでしょうか。
レンジ相場は、今回ご説明したように、一定の値幅を上下する相場です。そのため売り注文からも入れるレバレッジ取引が行える仮想通貨取引所がおすすめです。うまくいけば往復で利益チャンスが出るでしょう。
そのレバレッジ取引が出来るおすすめ仮想通貨取引所を2つご紹介します。
・ビットポイント
国内系取引所では最も初心者向きかもしれません。上場企業の子会社、レバレッジ最大25倍、ツールも充実、ただし強制ロスカットが発動するのは証拠金維持率100%を切るときという特徴があります。逆を言えば、もし思う方向と相場が逆を行った場合でも大きな損失が出る前に強制決済されるので、トレード慣れない初心者は安心できる取引所といえるでしょう。
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・ビットバンクトレード
こちらも国内の仮想通貨取引所です。こちらの取引所の特徴はロスカットの設定率が低いという点でしょう。上記のビットポイントのロスカット率に対して、ビットバンクトレードは20%となります。強制ロスカットの発生が遅い分、トレード中に放置すると多額な損失を受けることとなりますが、ロスカットされにくいという特徴は、許容範囲も広げることができるということです。大きなレバレッジ倍率と同様に、上手く扱うことで取引の自由度が増すのでしょう。
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・BITMEX(ビットメックス)
香港がベース、レバレッジ取引としては世界最大の出来高を誇る海外の大手仮想通貨取引所です。BITMEXの最大の特徴は、最大100倍のレバレッジをかけることができるという点でしょう。レバレッジ100倍がかけられるという特徴は、使い方を間違えるとかなりのハイリスクとなる場合がありますが、追証がないので、上手く扱うことで少額でもロスカットをコントロールできるといった利点もあります。国内でのレバレッジ取引に物足りなさや、動きにくさを感じる人には、おすすめできる仮想通貨取引所です。
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為替取引や仮想通貨取引を行うにあたって、絶対という予測はありません。テクニカルチャートは、現在の状況を判断して、選択肢を作るというところにあるでしょう。色々な視点から選択肢を作り、可能性を高め、慎重に判断して取引を行いましょう。
また今回紹介したテクニカル手法は一つの有効な手段の一つに過ぎません。更にトレードはあくまでも自己責任となります。そのため、うまい人や知見に学びながらも、それぞれ自分でやりやすい・確立した手法を繰り返し、修正していくことでトレードの安定感は増していくのではないでしょうか。
日々の勉強と試行錯誤が力になり、安定して儲けれるトレーダーへの最短距離となります。
20代男性。都内名門高校卒業後、ベンチャー企業を経てコイン東京へ。二次元好きのセミプロゲーマー、好きが嵩じて仮想通貨やDappsゲーム、ブロックチェーン技術の世界にハマる。ゲーム知見と理数的素養から、最新の技術もカバーしつつ、プロジェクトの情報収集や分析を最も得意とする。