COIN TOKYO

  • 2018/09/18
  • 2018/09/18
  • コイン東京編集部 新崎優太

米ナスダックが、仮想通貨カストディBitGoと提携している清算技術プロバイダーの買収を計画

このエントリーをはてなブックマークに追加
14日、世界第2位の証券取引所であるナスダック(Nasdaq)は、スウェーデンに本拠を置くトレーディング・ソリューション・プロバイダーシノーバー(Cinnober)を買収する計画を発表しました。同社はシノーバーの株主と株式保有者に対して、1億9,000万ドルの公開買付を提案した様です。

取引技術プロバイダーはBitGoと提携している

買収が実現すれば、Cinnoberの収益基盤と、製品強化、クロスセールス、効率化の機会に起因する大きなシナジーによって、ナスダックに大きな利益をもたらすと期待されています。

スウェーデンのCinnober社はリアルタイムの清算ソリューションを提供するフィンテック企業です。1998年の設立以来、エクスチェンジ金融技術プロバイダーとして世界中のブローカー、証券取引所、清算機関にサービスを提供してきました。

主力プロダクト「TRADExpress」プラットフォームには、価格発見と照合、リアルタイムのリスク管理、清算と決済、インデックスの計算、データの配信と市場の監視機能が含まれます。

Cinnober社の特徴の1つは、機関レベルのセキュリティを備えた、仮想通貨のカストディアンである米国のBitGo社と提携している事です。今年7月、CinnoberはBitGoとの提携により、仮想通貨取引所にサービスの提供を進める事を明らかにしました。

リリースで同社は、「BitGoのウォレットやカストディサービスにより、クライアントはセキュリティと財務のプライバシーに関する業界標準を使用して、デジタル資産を保管・転送できます。」と述べていました。

ナスダックは仮想通貨ビジネスの準備中?

ナスダックは7月、シカゴで当事者ミーティングを開いたと報じられました。ジェミニや他の仮想通貨取引所など約6社の代表が参加したとされます。

ブルームバーグによると、この会議のテーマは、グローバル市場での潜在的な役割を検証して、業界が仮想通貨のイメージを改善するために協力するよう促すことでした。

ナスダックによるCinnoberの買収計画は、間接的ですが、仮想通貨取引に関連します。Cinnoberが提携しているBitGoプラットフォームは、ナスダックの大規模な機関投資家に最適です。

BitGoのマルチシグ・セキュリティとカストディーソリューションは、このスペースで最も人気の高いものの1つです。ナスダックのアデナフリードマンCEOは、Cinnoberについて以下のように述べています。

「Cinnoberの能力、知的資本、技術競争力と当社のマーケット技術事業を組み合わせることで、当社で最も急速に成長している部門が拡大できます。

世界の資本市場が急速に発展し続けるなか、様々な業界の新しいマーケットでは、急速な成長と拡大を可能にする市場技術インフラと、市場の健全性を促進するツールへのアクセスが求められています。

Cinnoberの買収が実現すれば、世界中の市場インフラ事業者に向けた当社の能力が補強され、成長分野の事業拡大が加速されます。」

Cinnoberの仮想通貨カストディアンサービスは、買収計画の最も魅力的な武器の1つだと考えられます。特に、カストディの欠如に対する懸念は、機関投資家をより用心深くさせてきました。

伝統的な金融業界では、シティーグループ(Citigroup)やバンクオブアメリカ(Bank of America)などのカストディアン・ソリューションは規制の下で監査されています。

仮想通貨の歴史上、ハッキングされた取引所の数の多さを踏まえると、大規模な機関投資家のカストディに対する期待は理解できます。多くの仮想通貨専門家は、特にマルチシグ技術とコールドストレージで、カストディアンの問題は解決されると考えています。

従来の証券従事者が慣れ親しんだ監査を提供できるため、ナスダックのような大手の参入はカストディサービスに正当性を付与します。ナスダックがCinnoberを買収すると、公に取引される仮想通貨を提供する重要な一歩になると見られています。


関連記事

仮想通貨の最新情報をお届けします!

人気記事ランキングまとめ

もっと見る