COIN TOKYO

  • 2018/10/02
  • 2018/10/02
  • コイン東京編集部 新崎優太

イーサリアム(ETH)に”ICOパニックセールが起きている”は見当違いか?トム・リー氏はトレンド転換を示唆

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9月12日、イーサリアム(ETH)は170ドルを下回り、年初来最安値166ドル(約18600円)をつけました。以来、ETHは取引量と勢いを取り戻し、9月23日にETH価格は直近最高値255ドルを付け、2日10時現在に1ETH=230ドル(26200円)で取引されています。

ICOの狼狽売り(パニックセール)が終わった?

多くのアナリストはETHの価格下落の理由について、主にICO(イニシャル・コイン・マーケット)公開セールで数億円相当のイーサリアムを調達したプロジェクトが、保有ETHを狼狽売り(パニックセール)する事で引き起こされた、と推測しました。2017年中頃から急速に成長したICO市場の副作用とも言えます。

〇ETHの2018年価格推移 出典:コインマーケットキャップ

9月11日、仮想通貨のリサーチ機関Diarは、ICOは依然としてトークンセールで調達した金額の38%以上を保有している、と報告しました。この場合、ICOプロジェクトが残りのETH保有分を清算する可能性があり、イーサリアムの価格はさらに低下するかもしれない。Diarのチーフエディター、Larry Cermak氏は当時以下のように書きました。

「ICO企業がETH保有の大部分を清算した、というのは大きな誤解だ。これらのプロジェクトはすべて、当初調達した資金の62%を移動または清算しているが、彼らはまだ調達総量の38%を保持しています。つまり、ETH売却圧力は依然としてあり、すぐに消えるものではない。」

しかし10月1日、ビットコインデリバティブ取引所BitMEX(ビットメックス)の子会社BitMEX Researchは、「ICOプロジェクトは、ETH価格がまだ高い時期に保有量の多くを清算した」と主張、主要なブロックチェーンプロジェクトの推定バランスシートを公開しました。

BitMEX Researchの報告書は、ETH価格の崩壊はブロックチェーンプロジェクトによるETHの売却によるものではないと主張します。「ICOチームのバランスシートは、多くの人が考えたよりも、イーサリアム価格に対するエクスポーズレベル(影響力)がはるかに低い」とBitMEXチームは書いています。

この資料に基づけば、「パニックセール」というストーリーがフェイクであるか、予想よりも小規模であった可能性があります。一方で、ETHの値動きの不透明感を示しています。

ストーリーが違っていた

4月から9月まで、ETHの価格は780ドルから200ドルへ74%低下しました。同時期にリップル(XRP)の価格は1ドルから0.25ドルへ75%以上下落しました。9月中旬、XRPは大幅に回復し、価格は2倍に増加しました。リップルに牽引されて、ETHも上昇を開始しましたが、回復幅はリップルほどではありません。

ETHとXRPは過去5ヶ月間で実質的に同じ下降トレンドを経験。XRPの下落は通常の市場動向によるもので、ETHの価格の下落はICOの売却によるものだったのか?ETHの下落は、ICOの売却によって引き起こされたものではなく、市場の調整に影響されて、ETHとXRPの両方が単純に約75%減少したと考えられそうです。

今後の展開は?

9月27日、米国の独立調査会社ファンドストラット社のトーマス・リー代表は、イーサリアムについて、「市場の心理は否定的になりすぎている。」と指摘しました。イーサリアムは過去3ヶ月で価格を半分に下落し、主要なコインを2標準偏差下回っているが、「イーサリアムはトレンド転換の段階に入り、勢いづいている」と主張しました。

この主張は、ETHが他のコインを2標準偏差下回った時、トレンドを転換させてきたという、過去のデータ分析に基づいています。リー氏は、イーサリアムが年末までに1900ドル(約20万円)に達すると期待していると述べました。


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