COIN TOKYO

  • 2018/10/06
  • 2018/10/06
  • コイン東京編集部 アオ

欧州銀行コンソーシアム「Spunta Project」が分散型技術プラットフォーム「Corda」での銀行間取引テストを完了

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イタリア銀行のコンソーシアム「Spunta Project(スプンタ・プロジェクト)」は、インターバンク業務を強化することを目的としたブロックチェーンベースのシステムの初期トライアルを成功裏に完了しました。

イタリアの14の銀行で構成されるSpunta Projectは、R3ブロックチェーンコンソーシアムが開発した分散型台帳技術プラットフォームの「Corda」を選択しました。アプリケーションはNTTデータ・イタリアによって開発され、ネットワーク技術大手「SIA(シア)*1」がノードを提供しました。メディアAnsaによると、10ヶ月間の試行期間中に約120万件の取引が処理されたという。

スピード、効率性、透明性

ブロックチェーンソリューションの使用によって、改善が期待されるものに、透明性の向上、処理時間の高速化、情報の交換や詳細の検証に関する効率化などがある。昨年12月にトライアルが報じられた際、R3のCEO、David Rutter氏は、以下のように述べていました;

「ABI Labと協力して、Cordaを使用してマッチングプロセスを自動化し、イタリアの銀行がミスマッチを回避し、全面的な効率と精度を向上させるために支援します。このPoC(概念実証)は、銀行がDLT(分散型台帳技術)を利用して、運用コストとバックオフィスコストの削減、時間の節約、安全な通信が可能かどうか実証しました。」

Spunta Project(スプンタ・プロジェクト)は、Associazione Bancaria Italiana(イタリア銀行協会)のR&DセンターであるABI Labがオペレーションを担います。プロジェクトの次の目標は、銀行の日常の取引でブロックチェーンアプリケーションを使用する事です。

イタリア第2位の銀行インテーザ・サンパオロ(Intesa Sanpaolo)や、欧州の大手銀行BNPパリパ系列BNL、仏系大手金融グループCredit Agricoleをはじめとする、Spunta参加14銀行は以下の通りです:Banco BPM, Banca Mediolanum, Banca Monte dei Paschi di Siena, Banca Popolare di Sondrio, Banca Sella, CheBanca (Gruppo Mediobanca), Credito Emiliano, Credito Valtellinese, Iccrea Banca, Intesa Sanpaolo, Nexi Banca and Ubi.

国際間金融取引への進出

オープンソースCordaプラットフォームは、銀行間オペレーション以外にも、国境間支払いに手を伸ばしています。昨年10月、22の加盟銀行が国際的な支払いのために、R3のCorda上にプラットフォームを構築すると発表、以下の企業が参加を表明しました。

英Barclays、西BBVA、独Commerzbank、ノルウェーDNB、香港HSBC、中国ICBC、伊Intesa、蘭KBC、韓KB国民銀行、ウリィ銀行、韓KEBHana銀行、仏Natixis、新韓銀行、加TD銀行、米国銀行。

当時Rutter氏は、国境を越えてビジネスを行う組織にとっては非常に破壊的であると歓迎していました。

「国際間ペイメントシステムは、グローバルトレードの勃興と世界市場のグローバル化に追いつくために苦戦しています。このソリューションは、国境間支払い業務、及び受け取りに依存している銀行や金融機関にとってゲームチェンジャーです。」

別の組織について、先月、JPモルガンが開始した銀行間ブロックチェーン・プロジェクト「IIN(the Interbank Information Network)」に、仏ソシエテ・ジェネラルと西サンタンデールが加わり、参加数が75行に拡大したと報じられました。

JPモルガンの銀行アナリストJason Goldberg氏は、「支払いは、ノンバンクとの競争によって、銀行が最も脅かされている分野です。ブロックチェーンは自社のビジネスの多くを社内に保つ手段です。」と語っていました。

(*1)創立30周年を越える欧州金融グループ。SIAchainと呼ばれる安全かつ保護されたネットワークを構築。アプリケーションは、銀行や金融セクター向け。Siacoinとは無関係。


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