COIN TOKYO

  • 2018/10/17
  • 2018/10/17
  • BBOD 新崎優太

仮想通貨NEOは【売り】か【買い】か徹底分析―BBODリサーチによるファンダメンタルズ

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この度は、革新的なスマートエコノミーのためのインフラを構築するNEO(ネオ)について、調査レポートを公開させていただきます。

記事提供:Blockchain Board of Derivatives(BBOD)

1.NEO(ネオ)概要

通貨コード NEO
取引開始日 09/09/2016
総供給量 100,000,000
循環供給量 65,000,000
ブロックチェーンプロトコル Base Blockchain
購入可能な取引所 Binance, HitBTC, Bitfinex, Bibox

1-1.NEOエコシステム

NEOとはオープンソースのブロックチェーンプラットフォーム提供する非営利団体で、革新的なスマートエコノミーのためのインフラを構築することを目的としています。

2014年にCEO のDa Hongfei 氏とCTO のErik Zhang 氏によって設立されたこのプロジェクトは、現在彼らが上海で設立したブロックチェーンのR&Dを行う有力な中国の会社であるOnchain(オンチェーン)に支援されています。

当プロジェクトは、中国初のブロックチェーンプラットフォームとして始動した当初はAntshares(アントシェアーズ)と名付けられましたが、グローバル市場にアピールするために、創設者らによってNEO(ネオ)に改名されました。

NEOは、コミュニティの発展がブロックチェーンエコシステム全体の本質的な側面とし、グローバルな開発コミュニティを急速に広げることを重要視しています。

現在のところ、当プロジェクトが支援するサイドプロジェクトを持つ他のコミュニティ(City of Zion (CoZ)、NeoResearch、NELなど)は、NEO を世界一の機能性を誇るブロックチェーンプラットフォームにするためのエコシステムを向上させる活動を行っています。

1-2.NEOスマートエコノミー

分散型ネットワークをベースにした新しいスマートエコノミーのビジョンを実現させるために、NEOはブロックチェーン技術とデジタルアイデンティティを活用して資産をデジタル化し、スマートコントラクトを使用してデジタル資産の管理を自動化します。

このように、NEOは不動産、自動車、物理的な所有物などの現実世界の資産を、スマートコントラクト形式でNEOブロックチェーン上に記録されたデジタル資産に変換することを目的とします。これらのデジタル資産は、各デジタルアイデンティティを活用して唯一無二な個体として識別されます。結果、このようなデジタル資産は分散型ネットワークを通して(いくつかの使用例を挙げると)取引、流通、登録することが可能になり、グローバルなピアツーピアの同意書が効率的で容易に作成できるようになります。

デジタル資産所有権をグローバル市場に広げるだけでなく、信用できない中央集権型の仲介機関が介入する際にほぼ不可能な不変性も提供します。よって、デジタル化したプログラム可能なトラストレス(信用する第三者を必要としない)エコノミーを構築することができるのです。

現状を劇的に変化させるものだと思われるかもしれませんが、NEOの目的は従来の中国機関を破壊することではなく、中国の経済を将来のスマートエコノミーに徐々にシフトする手助けをすることです。

1-3.NEOアプリケーション

上記の通り、独自のスマートエコノミーを促進させるために、NEOは従来の資産をNEOブロックチェーン上のデジタル資産に変換します。 デジタル資産は、スマートコントラクト形式で表示されるプログラム可能な資産です。

従来の資産をデジタル資産に変換することによって、個々の資産は当事者間での所有権の譲渡、価値交換、特定の個人への資産登録などを行う必要がなくなります。代わって、NEOのコンセンサスアルゴリズムにおける本質的な信用によって、資産は分散化した、追跡ができる、透明性の高いものとなります。

これらはすべて、NEOブロックチェーン上にあるデジタルIDによって、個人と物理的な資産を結び付けるNEOのデジタルアイデンティティシステムのおかげです。

最終的には、資産をデジタル化することで世界中の人々が第三者を必要とせずにスムーズに物理的な価値を交換することができるようになります。これによって、中央当局に関連する従来の手数料がなくなり、グローバル化した市場から流動性資産が供給されます。

1-4.NEOデジタルアイデンティティ

デジタルアイデンティティによって、NEOは自発的な組織、個人およびその他のエンティティの識別情報を電子形式で蓄積することができます。

非常に安全性の高い方法で 当事者のデジタル指紋を作成し、NEOブロックチェーンに保管するため、一旦ブロックチェーンに焼かれた身分証明書は、改ざんや破壊することが不可能になります。

このようなデジタルアイデンティティは、資産自体をデジタル化し、既存の資産の価値を交換するために、指紋、音声、顔認証などの安全性の高い多要素認証方法を使用する人々に利用されるでしょう。デジタルアイデンティティの概念のおかげで、組織や個人はお互いを信用せずに意図的に取引することができます。

さらに、NEOのデジタルアイデンティティシステムを利用して登録した資産は、所有権の透明性が高いことより法律によって保護されます。この法律とトラストレスなシステムを組み合わせた革新的なソリューションによって、すべてのデジタル資産は当事者が無条件に検証でき、押収されることがなくなります。

2.NEOとイーサリアムの大きな違い

NEO を「中国版イーサリアム」と多くの人が表現しますが、いくつかの重要な違いがあります。

ただし、確かに両者は類似した機能性を提供するプラットフォームで、開発者がdApps(分散型アプリケーション)を作成するために、既存のプラットフォームの上にスマートコントラクトを構築することができます。

しかし、NEOにははるかに多様なプログラミング言語を利用することができます。例えば、イーサリアムブロックチェーンにdAppを作成したい場合、イーサリアム独自のプログラミング言語を学ぶ必要があります。それに比べ、NeoブロックチェーンにdAppを作成するなら、Javascript、C#、Python、Java、Goなど広く使用されている多様なコーティング言語を使用することができます。

開発者が新しいコーディング言語を習得せずにスマートコントラクトをコーディングすることができるので、全く新しい言語を習得する場合にかかる時間が省け、業界に新規参入する際の高い障壁を大幅に削減できます。

よって、すでにスマートコントラクトを簡単にプログラミングできる人々のグローバルな集まりを広げ、イーサリアムのネットワークで展開できるdAppsよりも数多くのdAppsが導入できると見込んでおり、結果NEOのエコシステムは急激に成長するでしょう。

3.NEOのカタリスト(相場を動かす要因)

【中国内での優位性】
中国政府がフィンテック(金融テクノロジー)分野におけるイノベーションに特に力を入れているため、中国の経済は急速に成長しています。すでに政府関係者と会合しているNEOは、フィンテック開発の最前線に立っていると言えます。

イーサリアムなどの他のプラットフォームは固有の言語バリアや文化的な違いがあるため、中国市場に浸透しようとしても参入障壁は高いでしょう。そのため、NEOのような中国産のプラットフォームは中国内の市場で大きく受け入れられる可能性があります。特にビジネスや文化的な規範と共に、中国の規制を尊重することを重視することで、その可能性は高くなるでしょう。

【世界的なプログラミング言語サポート】
多くの既存のブロックチェーンプラットフォームでは、開発者はそれらのプラットフォームにスマートコントラクトを構築するためには独自の言語を習得しなければなりません。

全く新しいコーディング言語を習得するにはかなりの費用と時間がかかるため、非常に数多くの事業がプラットフォーム上のdApps開発から除外されています。逆に、NEOは開発者が従来の多様なプログラミング言語でスマートコントラクトをプログラミングができるようにし、既存の事業にスマートコントラクトを導入する費用が大幅に削減できます。

そのため、ブロックチェーンエコシステムに参入を目指す企業にとっての高い障壁が排除され、NEOが幅広く採用される可能性があります。

【国際的なパートナーシップ】
中国を拠点とするものの、NEOは国際的なテクノロジー関連の最大手企業からの支援を得ることに成功しています。例えば、Microsoft Azure は、グローバルなコミュニティからプラットフォームに有能な開発者を誘致するために、 NEOと提携しています。

このような大規模なパートナーシップは中国内での立場をさらに強化し、現地中国のビジネスコミュニティ内のテクノロジー関連大手企業からも注目を集めているようです。

4.NEOのリスク要因

【中国における規制】
中国政府はビジネスのためのブロックチェーンを重視して、フィンテック革命の最前線に立ちたいと思いながらも 、仮想通貨における厳しい規制を課しています。例えば、ここ一年で彼らは規制に反する仮想通貨取引所とともに国内でのICOを禁止しました。

それにもかかわらず、NEOはすべての必要な政府規制を必ず遵守することを強調し、今では開発者のグローバル市場にアピールし、内部リスクや当プラットフォームを開発する中国以外の企業の能力を制限しています。

【遅れを取らずに進む】
ブロックチェーンのプラットフォームの環境は、イーサリアムのプラットフォームの明確な成功の結果として、過去1年で大きく発展しました。グローバルな競争は今やかなり飽和状態であり、NEOが他のプラットフォームに遅れを取らないためには、プラットフォームに最高の人材を引きつける必要があります。

とは言え、NEOには非常に強いブランド名、増加中のグローバルなコミュニティ、すばらしい開発者報酬があり、さらに世界中の多様なコーディング言語が使用できるおかげで、当プラットフォームは、ブロックチェーンエコシステムにおける他の有名なプラットフォームの競合となることが確実視されています。

5.NEOは【売り】か【買い】か?結論

<結論>
買い:低リスクで購入するチャンス

(※格付け基準の詳細はこちら)

NEOは将来スマートエコノミーのためのスマートコントラクトの世界をリードするプロバイダーとなるプラットフォームと位置付けられます。企業や個人が資産をデジタル化し、独自のデジタルアイデンティティで証明できるようになることで、NEOは世界規模で当事者間の物理的な資産の価値や所有権を取引する際に不要な仲介人を取り除ける可能性があります。

様々な従来のプログラミング言語でスマートコントラクトをプログラミングできるNEOは、開発者が全く新しい言語の習得が必要である業界内の多くの大企業よりも非常に有利な立場に立っています。結果として、当プラットフォームは新しい言語を学ぶ時間や資金がない企業や個人によって幅広く採用される将来性があります。

このようにして、グローバルコミュニティが成長し続けているため、NEOは前途有望であるようです。

BBOD格付け基準
買い:低リスクで購入するチャンス
買い占め:中リスクの仮想通貨を低価格で購入するチャンス
投機買い:より高いリスク許容度を持つ投資家向けのチャンス
保持: さらなるリサーチ結果が出るまで現状レベルを維持する
売り:資産を失う可能性を含む投資

免責条項
BBODリサーチは独立した仮想通貨研究所であり、仮想通貨やブロックチェーン技術に関する総合的で公平な根拠に基づいた研究やレポートを発行することを目的としています。この分析を行うに当たって、報酬(仮想通貨やその他)を一切受け取っておりません。

記事提供:Blockchain Board of Derivatives(BBOD)

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