COIN TOKYO

  • 2018/10/22
  • 2020/01/26
  • コイン東京編集部 アオ

【今更聞けない】ビットコインの採掘(マイニング)とは?方法、仕組み、報酬など

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ビットコインを手に入れるには、仮想通貨取引所で購入するというのが一般的ですが、採掘(マイニング)で入手するという方法もあります。ここでは最近よく耳にする、ビットコインの採掘(マイニング)について、仕組みから、報酬、やり方まで初心者の方でも分かりやすく徹底的に解説していきます。

1.ビットコイン(BTC)のおさらい

ビットコイン(BTC)とは、サトシ・ナカモトという謎の人物によるインターネット上の論文から生まれたオンライン上のデジタルマネーで、仮想通貨、cryptocurrency(暗号通貨)の1つです。

その最大の特徴は、ドルや円などの法定通貨と比べた場合に、国や中央銀行などの管理者や中央集権が存在しない通貨であるということで、それを可能とするテクノロジーがブロックチェーンテクノロジーです。

1-1.ビットコインの現在価格とチャート

ビットコイン(BTC)の価格は、2018年10月11日時点で約70万円です。

2009年1月に発行されたビットコインは、当時はほとんど価値がありませんでしたが、徐々にそのテクノロジーなどが知られるようになり、購入希望者が増えるとともに価格を上昇させることになります。

そして、仮想通貨元年といわれた2017年には、仮想通貨全体を引っ張る大相場を見せ、何と価格は200万円を大きく超えることになります。

しかしながら2018年1月頃から大暴落が始まり下落相場の継続、2018年10月時点では70万円台の安値圏で推移しています。

2.ビットコインの採掘(マイニング)の仕組みとは

そんなビットコインですが、ここから採掘(マイニング)の仕組みについて詳しく解説していきます。

2-1.採掘(マイニング)の報酬

前述のように、中央集権を持たないビットコインではブロックチェーンの各ブロックに取引履歴が記録されますが、この際に膨大な取引履歴を記録するためには相応の処理能力電気使用量が必要となります。

この膨大な作業の対価として、最初にブロックチェーン上に正しい計算をして取引履歴を書き込んだ人に報酬として新たなビットコインが支払われます。

つまり、マイニングの作業を行うことでビットコインがもらえるわけですが、実際には膨大な計算量に加えて大量の電気使用量が必要となり、日本のように電気料金の高いエリアでは採算が取れないというのが実情です。

ビットコインのマイニングは、現状では、中国のような電気料金の安いところで、専門家集団が専用の計算機を使用して独占的に行っており。これらの専門集団のことをマイナーと呼びます。

2-2.採掘(マイニング)の仕組み

ブロックチェーンのブロックに記録されているトランザクション(取引)は、すべてハッシュ関数で暗号化されています。ハッシュ関数とは、一度ハッシュ化(変換した)ものは戻すことはほぼ不可能と考えられています。

トランザクションをハッシュ化(暗号化)すると乱列された英数字の値が出力され、この出力された値をハッシュ値といい、この値からもとのトランザクションに戻すことはできません。

ハッシュ化することで、後からトランザクションを修正するという不正を防ぐことができるのです。

2-3.ビットコインのコンセンサスアルゴリズムはPoW

非中央集権システムのビットコインには管理者が存在しませんので、取引が発生したときにその取引に不正が行われていないかチェックしなければなりません。

コンセンサスアルゴリズムとは、取引の整合性をチェックする人を決める方式のことで、ビットコインではPoW(Proof of Works)が採用されています。

PoWとは、仕事量に応じて発言権が与えられるという仕組みで、CPUの計算能力の高い人ほど報酬(インセンティブ)を得るチャンスが高くなります。

PoWには、膨大な計算量を必要とすることから、データの改ざんに強いというメリットがありますが、同時に膨大な計算のための消費電力も膨大であり、中国などの電気料金の安いエリアで組織的な専門家集団が独占している状況です。

2-4.Difficulty(ディフィカルティ)の調整が重要なわけ

ビットコインのマイニングには膨大な計算量が必要となりますが、その計算の難しさを「difficulty」(ディフィカルティ)と呼びます。

ビットコインの場合、ブロックチェーンの一つのブロックが生成される時間は10分と定められていますが、「difficulty」はブロックチェーンへのブロック追加を一定時間に保つための仕組みです。

この「difficulty」が高すぎるとトランザクションの承認が遅くなり、逆に低すぎると、次々に通貨発行量が増えてしまいインフレを引き起こすリスクや、不正取引が承認されるリスクも高まります。

マイニングは専門家集団が専用の計算機で行うと早く計算できる確率が高くなります。すると、ブロックチェーンへの記録が速くなるため、「difficulty」を変更して採掘難易度を調整します。

これにより、現在のように電気代の安いエリアでの専門家集団による処理能力の高い計算機を使用したマイニングが増えると、「difficulty」が変更され採掘難易度が高くなりますので、一般人が報酬をもらうことは困難になります。

2-5.4年に1度の半減期とは

非中央集権であり誰からも管理されないビットコインは上記のようにマイニングで成り立っていますが、マイニングの報酬として発生するビットコインの量は4年ごとに半減します。これをビットコインの半減期といいます。

この仕組みは、ビットコインのブロックが21万ブロック生成された時に半減期が起こるようになっています。ビットコインのブロックは10分に1度生成されますので、21万×10分=4年で半減期が起こります。

ビットコインの最初のマイニング報酬は50BTCでしたが、2012年、2016年に半減期が訪れて今は12.5BTCとなっており、次の半減期は2020年4月の予定です。

このような半減期という仕組みを設けているのは、ビットコインの需要と供給のバランスをとるためであり、発行上限があることからインフレ(急騰)が起こりにくいようにと考えられているのです。

マイニングの報酬が最初の50BTCのままであれば、発行上限のあるビットコインの場合には8年間で総発行量に達してしまいますが、半減期の仕組みがあるため最後のビットコインのマイニングが終了するには2140年となります。

3.ビットコインの採掘(マイニング)のやり方

マイニングは、基本的には自分のPCを利用してビットコイン側から与えられた計算式を解く方法と、プールマイニングと呼ばれる方法の2つのやり方があります。

ただし、すでにビットコインの場合には、ビットコインのマイニング事業に大手企業などが参入していることから、個人のPCレベルではハッシュレート(演算速度)が足りずに報酬を得るまで行かないのが実情で、電気代と労力が無駄になってしまいます。

仮に、大手企業と競合できるような演算能力の高いPCを所有していたとしても、日本では前述の通り電気代が高いため、採算をとることは難しい状況です。

これに対して、プールマイニングとは、多くのPCを利用して強力なパワーで計算することによりマイニングを行おうというもので、個人でマイニングするよりもはるかに効率的なマイニングが可能となります。

プールマイニングで採掘するには、専用サーバに登録してマイナーの一人として認識してもらうことで報酬の分配を受けられるようになります。このサーバのことをプールマイニングと呼びます。

プールマイニングを利用することは、ブロックを探す負担がなくなり、検証に必要なマシンパワーを多くの人のPCで分担できるため、このプールはマイナーにとって有利な存在となっています。

現実的には、後述するASICの登場により、個人がビットコインのマイニングを行っても満足のいくような収益機会はほとんどなく、他の仮想通貨をマイニングしてビットコインに変換するほうがより効率的となるでしょう。

3-1.クラウドマイニングへの参加

最近増えているのがクラウドマイニングです。クラウドマイニングとは、マイ二ング事業者が専用計算機の購入費や運営費用の投資を募り、その見返り(配当)として出資者にはマイニングによる報酬が分配されます。

メリットとしては、専用計算機などの設備投資の必要も詳しい知識もそれほど必要なく、少額の投資から安定した収入が得られる(投資額を回収した後も利益がもらえる)などがあります。

デメリットとしては、マイニング事業者が破たんした場合には投資額が回収できなくなるリスクが高いこと、大手企業の場合は安心ですが、そうでない場合には詐欺(お金だけ集めてマイニングは行わない)の可能性もあります。

3-2.マイニング効率化の歴史

(1)CPU
当初は、マイニングをする際の採掘難易度は低かったので、自宅PCでも簡単にマイニングすることができました。

(2)GPU
GPUとは、三次元コンピューターグラフィックに必要な演算処理を行う基盤で、並行した演算処理ができるため、CPUで行うよりも早い計算が可能となりました。

(3)FPGA
GPUによるマイニングがメインとなると、次にGPUの数を多くもっているほうが有利となり、それにより電力・例客コストが問題となりました。

この問題解決として作られたのがFPGAで、これによりビットコインマイニングは集積回路の最適化が可能となり、コストの問題が大幅に解消されることになりました。

(4)ASIC
そしてついにASICの登場です。簡単に言うと、FPGAの時代まではPCでマイニングを行うという発想でしたが、ASICはFPGAのように様々なPCには対応せず一つのPCにしか対応できませんが、その代わりにFPGAの100倍の速度を誇り、消費電力も大幅カットできます。

ASICの登場により、更なる効率化が求められるようになり、Avalon ASICと呼ばれるビットコインマイニングのために専用に作られた計算機(マイニング以外はなにもできない)まで登場しました。

4.採掘(マイニング)大手プレイヤーたちの動向

仮想通貨相場は未だ低迷期を脱し切れていませんが、マイニングビジネスはますます盛んになってきています。

残念ながら、以前のようにビットコインを個人でもマイニングできるという時代ではありませんが、大手企業のクラウドマイニングやビットコイン以外のマイニングにより収益が目指せるなど選択肢は増えてきています。

世界的には、電気代の安い中国で組織的にマイニングを行うマイナーが強力な存在感を持つようになっていますが、日本でも大手企業によるマイニングビジネスへの参入が相次いでいます。各社の動向を探ってみました。

・ビットメイン社、香港に株式上場
世界最大のマイナーで中国に本拠を置くビットメイン社は、香港株式市場への上場申請を正式に行いました。ビットメイン社の収益源は、マイニング事業に加えて、マイニング専用機器などの販売も好調です。



・BTC.comイーサリアムのマイニングプール開設と発表
ビットメイン社が所有するマイニングプールBTC.conは、2017年にはビットコインのブロックの21%をマイニングしたといわれており、現在、ビットコインのハッシュレート17.3%を占め、ビットコインキャッシュの14.2%を占めています。

今回、これらに続き、イーサリアムとイーサリアムクラッシックのマイニングプールを開設すると発表しました。



・ユニセフ、マイニングを利用した募金サイトを開始
ユニセフオーストラリア支部は、マイニングした仮想通貨を寄付に充てるウェブサイト「The Hope page」を開設しました。寄付したお金は、子供たちを救うための薬や食料に使われるそうです。



・GMOグループのマイニング事業
日本でいち早くマイニング事業に参入したのはGMOグループです。提供するサービスは、クラウドマイニング「Z.com」とマイニングマシーンの販売です。

GMOの提供する最先端のマイニングマシーンには大手マイナーとも十分に競争できるパワーがあります。ポイントは、電気代金と仮想通貨相場というところです。



・SBIグループのマイニング事業
SBIグループでは、ビットコインキャッシュを中心にマイニング事業を進めていくことを発表しており、現在のビットコインキャッシュのマイニングシェアは4.3%、最終的には30%ほどのマイニングシェアを獲得したいとしています。


マイニングビジネスの分野では、先行するビットメイン社などの ="red">中国系のマイナーが圧倒的な力を有しており、新規参入組は苦戦を強いられているようです。国内勢のGMO、SBIともに収益的には現時点では相場の低迷もあり厳しい状況となっているようです。

5.まとめ

非中央集権で誰からも管理されないビットコインにとって、採掘(マイニング)は非常に重要な作業となり、マイニングに協力すると報酬としてビットコインを手に入れることができます。

ビットコインの収益化を目指すのであれば、仮想通貨取引所で購入してガチホしてみるという方法が最も簡単ですが、投資としてよりもビジネスとして考えた場合には、マイニングを検討するというのも面白いでしょう。

日本のように、電気料金の高い国では一般的には不利といわれるマイニングですが、多くの選択肢が提供されるようになっており、情報をいち早く入手したひとほどマイニングによる利益に近付くことになるはずです。

















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