海外で貨物事故が発生した際に、主に事故対応を行う拠点(海外クレーム代理店)が保険金を支払う際には、紙や PDF ファイル等で存在している事故報告書や貨物の損傷写真、Invoice(商業送り状)等の貿易関連書類ならびに保険証券を収集する必要があり、さらに保険会社へ補償内容をメール等で確認する必要がありました。
また、海外クレーム代理店と鑑定会社との間で、事故の内容等に関して情報共有も必要となります。
このため、海外クレーム代理店が、世界中に点在する貿易関連書類と最新の保険証券の収集、関係者との情報共有をいかに迅速かつ正確に実施できるかが、迅速な保険金支払い手続きを実現する上での課題となっています。
「ブロックチェーン」はデータの耐改ざん性を確保した状態でネットワーク参加者間での情報共有が可能な分散ネットワーク技術であり、東京海上日動とNTTデータは 2017 年 11 月から、外航貨物海上保険における保険金請求プロセスへのブロックチェーン技術適用に向けた共同実証実験を開始しました。
今回の実証実験はドイツ、オランダ、米国、チリ、中国、台湾、韓国、タイの8拠点で、事故報告書や貨物の損傷写真、Invoice(商業送り状)等の実際の保険金の支払い業務で利用したデータをブロックチェーン上に流通させて、海
外クレーム代理店ならびに鑑定会社へ速やかに共有され、保険金のお支払いプロセスに利用できるかを検証しました。
技術面では、貨物の損傷写真やサーベイレポート(鑑定結果の報告書)などの大容量データを、ブロックチェーン上で円滑に参加者間で共有できることが確認できています。また、適切なアクセス性能や業務効率性の観点からの検証も行いました。
確認された期待効果の例としては以下が挙げられました。
本実証実験を通じて、外航貨物海上保険の保険金請求プロセスへのブロックチェーン技術を適用することの有効性が確認できたとして、東京海上日動とNTTデータは、本実証実験を通して得られた課題への対応を継続して検討し、2019 年度中に一部を実用化することを目指して、取り組んでいくとのことです。
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20代男性。都内名門高校卒業後、ベンチャー企業を経てコイン東京へ。二次元好きのセミプロゲーマー、好きが嵩じて仮想通貨やDappsゲーム、ブロックチェーン技術の世界にハマる。ゲーム知見と理数的素養から、最新の技術もカバーしつつ、プロジェクトの情報収集や分析を最も得意とする。
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