COIN TOKYO

  • 2018/11/06
  • 2018/11/06
  • コイン東京編集部 新崎優太

カルダノ開発組織IOHKが、ブロックチェーンの相互運用性サイドチェーンを発表

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10月30日、カルダノの開発組織であるIOHKは、新たなタイプのサイドチェーンに関する論文を発表しました。数学的に証明されたセキュリティ機能を備えるIOHKのサイドチェーンは、トランザクションの処理速度やコスト削減だけでなく、相互運用性にも重点を置くサイドチェーンの可能性を、提案しています。

ブロックチェーン間の相互運用性

サイドチェーン自体は、ブロックチェーンが互いに通信できるようにするメカニズム構想であり、あるチェーンから別のチェーンへの価値の移転を可能にします。

Aggelos Kiayias氏とDionysis Zindros氏によって発表された論文によると、IOHKのサイドチェーンでは、プルーフオブワーク(PoW)メカニズムを使用する「送信元」ブロックチェーンを、別のコンセンサスメカニズムを使用する「送信先」ブロックチェーンと“分散化された構造”で連動させるという。

チェーン間のリンクを使用して価値を転送し、2つの異なるブロックチェーン間でイベントを実行します。論文では、いくつかのアプリケーションが提案されています。たとえば、「リモートICO」でサイドチェーンを利用すれば、取引所を介さずとも、異なるトークンをブロックチェーン上で購入できるようにします。また、「双方向ペグ」を介してブロックチェーン間で資産を相互に移動でき、トラストの無い当事者間のアトミックスワップを容易にします。

他のプラットフォームとの比較

上記のアプリケーションはすでに他のサイドチェーンでもある程度可能ですが、IOHKの提案は最大限に分散されたアプローチを取る点で特徴的です。

IOHKは、Polkadot(ポルカドット)、Tendermint(テンダーミント)、Liquid Network(リキッド)、Interledger(インターレジャー)などの相互運用性の取り組みを挙げ、これらは主に連合または信頼できるネットワークに依存していると指摘します。

IOHKのサイドチェーンの検証は、トランザクションの存在証明をトラストレスに行う「Non-interactive Proof of Proof of Work(NiPoPoW)」に基づいています。このスキームは、相互運用性に関してトラストの必要性を取り除くものです。

これはサイドチェーンの比較的新しい目的とも言えます。現時点では、サイドチェーンは主にスケーラビリティの問題を解決するために考案されています。Plasma(プラズマ)のようなプラットフォームは、メインチェーンから活動を分離することによってブロックチェーンの負担を軽減することができます。

トランザクションの処理速度やコスト削減だけでなく、相互運用性にも重点を置くサイドチェーンの可能性を、IOHKは提案しています。

カルダノ(ADA)プロジェクトへの反映

IOHKの新しいサイドチェーンは開発者をカルダノに引き寄せる可能性があります。しかし、サイドチェーンがプラットフォームに導入される時期は明確ではありません。カルダノの公式ロードマップによれば、サイドチェーンは85%の進捗で「レビュー中」とされています。ただ、カルダノの最初のサイドチェーンが論文で説明された機能と同じ物を指しているかはわかりません。



IOHKのCEOであるCharles Hoskinson(チャールズ・ホスキンソン)氏は、最終的にプルーフオブステーク(PoS)版のサイドチェーンの論文が発行されると示唆しています。カルダノのサイドチェーンプロジェクトが拡大し続けることになりそうです。

カルダノ(ADA)が好調を維持しています。6日昼の時点でカルダノ(ADA)は1ADA=8.81円前日比3.63%増、前週比11.47%増。時価総額2283億円で市場8位にランクしています。


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