• 2018/11/15
• 2018/11/15
• コイン東京編集部 新崎優太

ステーブルコインDAIの担保するイーサリアムが約100万枚の大台に、ETHの価格に好影響を与えるか

【番外編】イーサリアム(ETH)の今後は？2019年に向け価格推移は？将来性を大胆予想！

約100万ETHがDAIスマートコントラクトにロック

There is now 1,000,000 ETH locked in @MakerDAO smart contracts as of this morning . A slight rounding error away from 1% of the total ETH supply. pic.twitter.com/0ePQv6mWKm

— Mike McDonald (@mikeraymcdonald) 2018年11月13日

MakerDAOは、イーサリアム・ブロックチェーン上で、トラストレスに米ドルの価値にペッグされたステーブルコイン「DAI」を推進するプロジェクトです。Makerの仕組みは、ユーザーがイーサリアムをプールし（PETH：プールイーサ）、寄託されたイーサリアムによって担保されたDAIトークンが発行されます。また、複雑なアルゴリズムを通じて１米ドルで安定させています。

15日時点、約100万ETHが、MakerのPETHコントラクトに固定されていました。

昨年末にDAIやPETHシステムをローンチしたMakerDAOは、現在存在するすべてのイーサリアムの約1％を占めています。コインマーケットキャップによると、現在のイーサリアム（ETH）の循環供給枚数は約1億ETH（103,213,112）、時価総額は1兆8400億ドル（約2兆円）です。

しかし、DAIトークン自体の時価総額は約7200万ドル＝約35万7,000 ETHと表示されています。先程の100万ETHという数字の約1/3程度です。つまり、DAIを1ドル分発行するのに3ドル相当のETHをロックしている事を意味します。その理由は、イーサリアムの価値の変動に備えて、価値のペッグに余裕を持たせているからです。

価格下落要因？

このロックされたETHは価格に対するデフレ圧力を持つと主張する者もいます。例えば、ブロックチェーンのコンサルティング会社Deepitは、次のように述べています。

「ETH価格に関して比較的静かだったこの11日間、1日に2,874.94 ETHが入金され、DAIの担保として流動性プールにロックされました。トータル31,624.41 ETHです。」

これは、毎日のイーサリアムのマイニング報酬である約20,000 ETHの内14％＝3,000 ETHがコントラクトにロックされている事になります。

画像では高額なDAIの取引を見ることができます。例えば、約1800万ドル相当のETHを担保して、600万ドル相当のDAIを引き出しています。

DAIは取引のレートに応じて清算される仕組みあります。非常に簡単に言えば、仮にイーサリアムの価格が半分になると、一部のETHがDAIの価値を維持するために清算されるため、ロックしたETHは900万ドルになります（担保を増資して清算を免除できます）。

Deepitは今年3度の大規模な清算（Bitesと呼ぶ）とイーサリアムの価格の関係性を指摘しました。しかし、その主張は完全には支持を得ていません。

なぜなら、利用者は相応のリスクを負っています。価格下落による担保ETH清算/売却のリスク、価格上昇時に即座に売却できないこと、これらをはかりにかけて利用します。むしろ、これらのリスクを背負って、多くのユーザーがDAOを発行している事実が注目されています。

トラストレスなDAIトークンのニーズ

これには、イーサをドルに変えるという点で、分散型マージンの要素があります。つまり、このDAIでより多くのETHを購入できます。次に、担保型ローンの要素あります。税金を気にせずにDAIを現金化して急な出費をカバーできます。

MakerDAOの公式ブログは、以下のように述べています；

「分散型銀行から即時融資を得られることは、暗号エコシステムを非常に有望でエキサイティングなものの顕在化です。DAIと組み合わせてコントラクトを使用することは、スペースにとってゲームチェンジャーであり、利点を生かすことを選んだ人々のためのものです。」

約100万ETHがDAIスマートコントラクトにロックされ、その一部を受取っている。この事は、ブロックチェーンの可能性を証明する、スマートコントラクトのコンセプトとイーサリアムの一つの成功事例とされています。

今年9月、アンドリーセン・ホロウィッツの3億ドルのクリプトファンドa16zがMakerに1500万ドル出資した事が報じられました。


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