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  • 2018/11/22
  • 2018/11/22
  • コイン東京編集部 アオ

マイニングマシン製造大手BitMainの初期投資家がビットコイン・マイニング大手の展望を語る

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暗号通貨の採掘マシン製造大手BitMain(ビットメイン)は、香港証券取引所(HKSE)へのIPO申請中です。同社の初期投資家はこのプロセスに対して楽観的であり、BitMain社のAI事業が、投資家にとって重要な「ヘッジ」になる、と語りました。PANEWSがインタビューしました。

コンピューティング・パワーを有す者が市場をリードする

テクノロジーに精通した、著名な中国の投資ファンドSinovation Ventures 社エグゼクティブディレクターのJiaping Wang氏は、ブロックチェーンビジネスについてビジョンを共有しました。

「Sinovation Venturesの投資テーマは、優良企業で優れたチームを見つけること、その1つだけです。」

BitMainのIPO目論見書をよると、ASICの設計・開発、及び採掘マシン製造メーカーとして、2013年の設立以来5年間で急速な発展を遂げています。同社は、純資産において4倍近い年間成長率を経験しました。総利益率は、NVIDIAのそれ(2018年3月に約60%)に近づいています。

Sinovation Ventures社CEOのWang氏は、ハイテクVC(ベンチャー・キャピタル)として、テック産業のムーブメントの早・中期に「戦いに参加する」上で、技術開発の傾向を把握する術を熟知しているという。Sinovation Venturesは数年前、BitMainがAIチップの投資戦略を計画し始めた時期に見出しました。

Wang氏は、AIの急速な発展がコンピューティングパワーの需要を高め、またASICはAIの基礎となるため、半導体業界にとって絶好のチャンスになると考えています。

しかし、ビットコイン(BTC)の価格は前年同期のピーク時から約60%低下しています。BTC市場の不確実性に対してBitMain社は現在、AIチップの市場を模索して、新たなビジネスラインを築こうとしています。

「ビットコイン・マイニングから離れて、AIチップはBitMain社にとって非常に重要です。BitMainはAIコンピュテーションにとって重要なインフラストラクチャを提供できます。」

Wang氏によると、BitMainはAIのインフラを開発するソリューションを既に用意しているという。BitMainのAI能力をさらに向上させるため、Sinovation Venturesは同社子会社のAI Institute社や、投資ポートフォリオ内の他のAI関連企業とBitMainを結びつけています。

採掘市場のドミナンスに加えて、AIアプリケーションの可能性はWang氏を魅了する別の重要な側面です。BitMain社のリスクを克服する要素と考えています。

「ブロックチェーン事業、特に暗号通貨の市場サイドは、しばしば不安定に直面します。それにもかかわらず、BitMain社は不確実性の中で成長しました。」

ブロックチェーンインフラへのフォーカス

現在まで、BitMain社はSinovation Venturesのポートフォリオにおいて、唯一のブロックチェーン企業です。しかし、Sinovation Venturesはブロックチェーン関連の企業にも注目しているという。現在の弱気な市場環境について、Wang氏は率直に「弱気相場かどうかは、私たちの投資テーマに大きな影響を与えません。企業評価のみが影響します。」と語る。

暗号分野の投資先企業が続かない理由として、現在の根底となる技術基盤が、まだブロックチェーン産業の野望に追いついていない事を指摘しました。「堅実な基礎がなければ、超高層ビルは蜃気楼にすぎません。」

それでもBitMain社へのSinovation Venturesの投資成果は、ブロックチェーン関連企業への将来の投資の足がかりとなるという。

BitMainのAI開発は株式市場に提供するヘッジ

BitMain社のIPOが成功するかは不明確です。Wang氏は将来を見据えて、「BitMainは、デジタル通貨市場に関連した最初で唯一の店頭公開企業となるだろう」と主張します。BitMainは、デジタル通貨をロング(買い)したい、あるいは資産の配分やヘッジを検討したい人にとって最適な選択肢となると述べた。

「短期的には、BitMainの採掘マシンのセールスは、デジタル通貨価格の影響を受けることは事実です。しかし長期的には、BitMainの市場価値は、暗号通貨マイニングマシンの販売だけでなく、AIチップの販売も反映しているでしょう。我々はBitMainの将来について非常に楽観的です。」とWang氏は結論付けました。

Sinovation Venturesについて

Sinovation Venturesは、元グーグル・グレーターチャイナの社長を務めたDr. Kai-Fu Le氏とマイクロソフト社の金融技術部門(NISD)のバイスプレジデントHarry Shum氏に設立されました。

Sinovation Venturesは、BitMain社が2017年8月に行ったシリーズA投資ラウンドに参加し、同社の初期投資家に加わりました。Sinovation Ventures社のWang氏は、BitMainの将来性を見出した人物で、自身も資金調達プロセスを率いました。

Wang氏自身も強い技術的背景を持ちます。BitMain社の共同設立者Micree Zhanと同じ、中国科学アカデミーを卒業しました。Wang氏は以前、マイクロソフトリサーチのシニアリサーチャーを務めた時期に、Harry氏と出会ったという。


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