COIN TOKYO

  • 2018/11/23
  • 2018/11/23
  • コイン東京編集部 新崎優太

【niTROn開催記念】トロン(TRON)のCEOジャスティンサン(JustinSun)氏に独占インタビュー!ーCOINTOKYO

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この度は仮想通貨の時価総額10位にランクインしているトロン(TRON/TRX)のCEOジャスティンサン氏に独占インタビューを行わせて頂きました。トロンは2019年の1月17日~1月18日に「niTROn SUMMIT」を開催予定でして、既に元NBAバスケスターで“投資の天才”コービー・ブライアント氏の登壇も決定しています。今後も重要なスピーカーが続々と発表される予定です。

※コイン東京も「niTROn SUMMIT」をメディアパートナーとして支援させて頂きます。
※今回はメールインタビューになります。近日中に直接インタビューも公開予定です。

①ジャスティン・サンCEOのご経歴を教えてください。

こんにちは。
私は1990年に生まれました。北京大学で学士号、ペンシルバニア大学で修士号を修得しました。そして2014年に中国に帰国後、レイボ (Raybo) を設立し、CEOに就任。また、リップル・ラボ (Ripple Labs)からの任命でリップル・チャイナの事務所長を兼任しました。

同年、音声認識ソーシャルアプリ「アプペイウォ (APP Peiwo)」をリリース。2015年4月、レイボは、China Equity Group、IDG Capital、Zhongke Capital、Tsinghua Science and Technologyの大手投資ファンドによる大規模資金調達ラウンドを主導し、数千万ドルの資金を調達。同社の資産価値は数十億元に上ります。2015年に湖畔大学に入学。2017年3月、初の著書「ブランニューワールド (Brave New World)」を出版、同年の中国作家富豪ランキングで58位となりました。2017年7月、ブロックチェーンプロジェクト「トロン (TRON)」を立ち上げ、世界最大のブロックチェーンベースのオペレーティングシステムを構築しました。

2018年7月24日、トロンはサンフランシスコのIT企業「ビットトレント・インク(BitTorrent.Inc)」を買収しました。ビットトレントが設計した分散型テクノロジーにより、最先端インテリジェンスの効率的拡張を実現し、クリエイターと消費者によるコンテンツやデータの管理を実現します。全世界で1億7千万人がビットトレント製品を毎月使用しており、1日のプロトコル転送量は世界のインターネットトラフィックの40%を占める。トロンは、現在1億人以上のユーザーを抱える世界最大のブロックチェーンベース・オペレーティングシステムの1つです。

②仮想通貨(ブロックチェーン)を知ったキッカケは? また仮想通貨(ブロックチェーン)と出会った時にどう思ったか

2012年に私が初めてビットコインについて初めて耳にしたときは、ブロックチェーンという概念はまだありませんでした。私が中国で初めてのブロックチェーン企業を立ち上げるために帰国した頃、ブロックチェーンは「価値のネットワーク」あるいは「価値のインターネット」と呼ばれていましたが、現在はこの言葉はほとんど使われていません。これは、「インターネット」という言葉が定着する前に「情報ハイウェイ」と言われていたことを思い出させます。これはとっくに死語になっています。

私は非常に早くこの業界に参入しました。2013年にリップルで働き始め、「価値のネットワーク」のアイディアの普及を推進しました。また、私は普通のインターネット起業家からブロックチェーンと分散型インターネットの確固たる支持者になるのに非常に時間がかかりました。 今、私は真剣にブロックチェーンが人類にとって大きな飛躍になると信じています。私に賛同し、 多くのスタッフやTronics社などの企業が、この「ブロックチェーンの旅」に投資してくれました。私はブロックチェーン業界の人間として、私の考えを多くの人々とシェアできたことを大変うれしく思っています。

③仮想通貨トロン (TRON) を立ち上げたきっかけは?

私は2014年に、IDG Capital、リップル、Greg Kiddの創設者クリス・ラーセン (Chris Larsen)氏から出資を受けてレイボ・テクノロジー (Raybo Technology Co., Ltd) を設立しました。これは当社の前身であり、中国におけるブロックチェーン技術とスマートコントラクトの先駆的企業の一つです。

トロンを立ち上げたきっかけは分散型テクノロジーに対する個人的な興味からです。その後、分散型テクノロジーを専門とする最も有名な企業の一つであるビットトレントと合流しました。当初、ビットトレントはブロックチェーンベースの変革を模索しており、いくつかのアイディアを持っていました。彼らと議論を重ねた結果、この変革のリーダーには私が最良の人物だということになり、私はただのコンサルタントではなく、CEOに就任することになったのです。

④現在トロン(TRON)によってどんなイノベーションが起きているか

「プロジェクトアトラス」をリリースし、トロン・ヴァーチャル・マシン (TVM) をローンチしました。

新製品のプロジェクトアトラスは、将来的にはコンテンツ配信を可能にし、ビットトレント・ピアツーピアネットワークとその1億人の月間アクティブユーザーをトロンブロックチェーンネットワークに接続する予定です。トロンでは、一連のビットトレント・プロトコル拡張、カスタムトークン、およびクライアント内トークンエコノミーを使用して、既存の規制に対応しています。プロジェクトアトラスは、新しいコンテンツ配信方法の基盤となります。まず、現在の世界で不可欠な要素、モバイル対応、接続、透明性を重視しながら、より高速なダウンロード、より多くのシード、優れた下位互換性を実現します。また、マイニングはできません。仲介者を排除し、コンテンツ制作者がユーザーに直接配信ができるようにすることで、すべてのコンテンツクリエイターとそのコミュニティに力を与えることを目指しています。

これまでのトロンは単なる取引プラットフォームでしたが、TVMのローンチから、インターネットの限界をさらに押し上げる開発プラットフォームに変貌しました。トロンは、イーサリアムとイオス (EOS)に次ぐ、チューリング完全仮想マシンを持つ第3のパブリックチェーンになりつつあります。TVMはイーサリアムのEVMより200倍高速です。

⑤今後の戦略

トロンはすでに主要パブリックチェーンとなりました。当社は、チェーン上のコンテンツ制作を促進するだけでなく、健全なエコシステムの構築に注力しています。実際、トロンは分散型アプリケーションの分野でトップクラスのブロックチェーン演算システムを持っています。私たちのミッションは、リーズナブル、高効率、かつ大きな利便性を備えた基本開発アーキテクチャを提供することです。基本的には、「分散型インターネット」の実現を目指しています。

私はトロンが次のイーサリアムだと断言できます。イーサリアムが停滞している今も、トロンは前進しています。イーサリアムのDApp開発者は他のチェーンへの移籍を検討すべきだと思います。パブリックチェーンにとって重要なのは、そのエコシステムです。エコシステムが良好であればあるほど、より多くのチームが利益を得ることができます。
トロンは急速に成長していますので、開発者のみなさんにはぜひトロンに来ていただきたいです。

⑥SNSでもジャスティンさんの話題をよくみかけるが、 ジャスティンさんはSNSはどのような場所だと思うか

まず我々のソーシャルメディア・プラットフォームについてお話しましょう。
私の個人のフェイスブックのフォロワーは200万人を超えており、ツィッターでは54万人以上のフォロワーがいます。
トロン財団には、フェイスブックで63万人、ツイッターで34万人のフォロワーがいます。日本語を含むローカル言語のソーシャルメディアや、Linkedin、インスタグラムなどのプラットフォームにも350万人以上のコミュニティサポーターがいます。

私はコミュニティとのやりとりを大切にしています。多くの創設者はSNSは公式発表の場であり、コミュニティとのコミュニケーションは他のスタッフがするものだと思っていますが、これは効果的ではありません。創設者がコミュニティに直接話すほうが誠実だと思います。多くのプロジェクトパートナー、特に今年から参加したみなさんにはこの取り組みが必要です。多くのプロジェクトでは、創設者はシーンの陰に隠れ、誰が責任者なのか分からない状態です。彼らは、効果的なコミュニティとコミュニケーションを妨げているだけでなく、コミュニティを混乱に陥れています。

ブロックチェーンの本質は、自律分散型組織 (DAO) です。 DAOの初期段階では、創設者とコミュニティの間の密接なコミュニケーションがガバナンスのフレームワークにとって不可欠です。会社の運営には必要ではないかもしれませんが、DAOやコミュニティ運営には不可欠なのです。我々の海外のコミュニティでの成功に秘訣があるとすれば、それはコミュニティのすべてのメンバーとの真摯なコミュニケーションであると私は思います。

⑦日本のマーケットについてどう思うか

当社の調査では、日本には350万人以上の仮想通貨投資家がおり、中国の300万人をはるかに超えています。世界全体でもの仮想通貨投資家は1,500万人ですので日本は高い割合を占めています。日本は中国に比べて人口は少ないですが、仮想通貨の愛好家や研究者は非常に多いのです。このため、当社は日本の市場を注視しています。日本のコミュニティ限定の様々なイベントも開催してきました。リツイートと投票によるイベントは、大変盛り上がりました。日本には熱心なトロン支持者が多いのです。

また、当社は「トロンのすべて」という紹介ビデオの日本語版を制作し、ユーチューブで公開しています。ビデオでは、日本のコミュニティからの質問に日本語で答えています。トロンスキャン (Tronscan) のビデオチュートリアルの日本語版も公開しています。トロンは本当に日本のコミュニティを高く評価しています。

当社は、日本の支持者、ユーザー、開発者のみなさんへより良いプラットフォームを提供できるように努力を重ねており、日本のコミュニティの習慣やライフスタイルに合わせたキャンペーンやプロモーションを企画しています。

⑧仮想通貨業界はどうなっていくか

仮想通貨サークルで最も高い信頼性を得たプロジェクトが成功します。私の個人的な見解では、成功に向けて本物の努力を続けるすべてのプロジェクトは成功する可能性が高いと思います。我々の成功の要因の一つは、プロジェクトの運営方法にあると思います。もう一つの要因はタイミングです。デジタル通貨は、始まったばかりの上り坂の産業です。

もう一つ、私が言いたいことは、私が1990年以降に生まれたということです。デジタル通貨業界で働く前から私は仮想通貨愛好家で、個人資産の40〜50%はデジタル通貨で購入しました。私の息子の世代には何が起こるでしょう?20年後はどうなるでしょう?次の世代は、すべての人がデジタル通貨を使用していることでしょう。

⑨中国のマーケットについて、どのような状況か教えてください

中国のブロックチェーン開発者は今厳しい状況にあります。米国と比べ、スタートアップのコストは低く、作業ペースは速いのです。米国とは異なり、中国はまだ業界の最前線にはいないため、技術を開発する必要があります。だからこそ、米国と中国の両方に研究開発センターを設立し、両方のメリットを活用しているのです。

世界のブロックチェーン市場は依然として上昇していると思います。私が知る限りでは、ウォールストリートの多くの機関投資家や個人投資家が関与しようとしているため、グローバルブロックチェーン市場については非常に肯定的です。現在も、ブロックチェーンのグローバルセンターの一つである米国を注視しています。一方で、韓国、日本などのブロックチェーン業界の新興市場にも取り組んでいます。

⑩何か予告があれば教えてください

現在、トロンはDAppエコシステムの展開に注力しています。すでにアプリケーションストアDAppハウスを構築しており、クローム拡張TRON / TRXウォレットの「トロンペイ (TronPay)」、写真とビデオの共有、個人資産転送、メッセージ機能をサポートした「トロンチャット (TronChat)」、ギャンブルゲーム「トロンベット (TRONbet)」、「トロンダイス(TRONDice)」などのトロン DAppsをリリースしました。トロンは、DAppsによってブロックチェーン業界に新しい波をもたらすでしょう。

来年1月17日から18日までサンフランシスコでniTROn サミットを開催しますが、これが業界に驚きを与えるのは確かです。

niTROnサミットでは、様々なプロジェクトやブロックチェーン研究者、他業界のインフルエンサーとのコミュニケーションのプラットフォームを提供します。 このサミットは、業界の障壁を打ち破り、潜在的なブロックチェーンソリューションを模索し、未来のビジョンを互いに共有することを目指しています。トロンは、が我々の経験や技術で、中小規模のブロックチェーンプロジェクトの迅速な開発とローンチをサポートしたいと考えています。

トロンが主催する2019 niTROn SUMMIT・サンフランシスコにご招待します。グローバル業界のエリートやインフルエンサーとブロックチェーン業界の最新技術について語り合い、共有し、オープンで、協力的で、ウィン - ウィンのエコシステムとブロックチェーンの素晴らしい未来を築き上げましょう。


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