COIN TOKYO

  • 2018/11/27
  • 2018/11/27
  • コイン東京編集部 新崎優太

「リップル(XRP)を有価証券とするには大きすぎる、あまりにも進みすぎている」-Michael Minihan氏

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リップル(XRP)がセキュリティとして分類されるには遅すぎるかもしれない。少なくとも、2名の法律専門家は、その規制上の明確さを突きつけるコストが既に膨大であり、暗号セクターに悪影響を及ぼすと考えています。26日、Cryptobriefingが報じました。

手を掛けるには遅すぎる

クラウドファンディング・プラットフォームRepublic(リパブリック)の副法律顧問マックス・リッチ(Mark Rich)氏は、SEC(米国証券取引所委員会)がリップル(XRP)のクリエイターである米国のリップル・ラボ社に、「投資家に返済するよう強制する事は考えにくい」と述べました。

マックス氏は、未登録の有価証券を売却したとして、SECが多くのICO(イニシャル・コイン・オファリング)プロジェクトを取り締まる事になると見ています。しかし、XRPトークンについては、販売されたのが2013年中頃であり、既に長い年月が過ぎているため除外されるという。

マックス氏は、SECが2016年の夏に起きたDAO事件を分割点に使用すると見ています。DAO以前に既に公開されたたプロジェクトは、以降行われたプロジェクトとは扱いが異なるだろう。「SECはDAOを変曲点として使用すると思います。」とマックス氏は語る。リップル(XRP)のような初期のICO公開セールについて、規制当局は依然として関与するものの、優先度は下がる可能性があると述べました;

「SECは、オファリングに対処するために、限られたリソースを用いている可能性が高い。i)識別可能な主導者がいるか、ii)資金を追跡して戻すことができるか、iii)公衆にとって益のあることか、すなわち強制執行に便益があるか。」

あくまでフリーパスでは無いものの、リップルは規制当局のチェックリストの一番上には無いだろう、とマックス氏は示唆しました。「彼らは古い火災の残骸を片付けるのではなく、現在の火事を基本的に消化しようとしている。」

手を掛けるには大きすぎる

一方、ブロックチェーン開発ファンドBX3 Capitalのパートナーで税理士のマイケル・ミニハン(Michael Minihan)氏は、(イーサリアムと同様に)XRPが暗号通貨セクターと高度に統合されていると指摘しました。同氏は、XRPのサイズと影響力がSECにとって触れにくい程大きい事を強調しました。XRPの規制状況の変化には、甚大なドミノ効果が発生します。

「XRPを手を掛けるには大きすぎる、あまりにも進みすぎている。」ミニハン氏は、イーサリアムがセキュリティに該当しない、というSECの判断も同じ動機だと説明しました;

「もしSECがイーサリアムを撃ち落としたら、全てを沈める事になるだろう。それは市場の大部分を占めます。SECはそんなことをしたい訳ではないと思います。彼らが目指している事は、投資家を守ることだけです。イーサリアムにセキュリティ(証券)のレッテルを貼ることで、投資家を守ることはできません。」

リップル社とXRP

米国のリップル社は、供給量の大部分を所有するXRPトークンについて、明確な使用事例を持つ「独立したデジタル資産」であることを頻繁に主張しています。また、証券ではなくユーティリティトークンだと考えています。

リップル社のプロダクトxCurrentやxRapidにおいて、XRPは価値の交換媒介として使用されています。これらは、迅速かつ円滑な国境を越えた銀行間取引を促進するための支払いソリューションです。

リップル社のプロダクトを積極的に実装している銀行の正確な数は不明です。しかし、クウェート国立銀行(NBK)が10月末にxCurrentを稼働する予定が報じられました。イギリスの中央銀行であるイングランド銀行は、2017年7月に発行されたレポートで、Ripple社の基礎技術による概念実証(PoC)を発表しました。

今月、米国のアメリカン・エキスプレスとUKサンタンデール銀行は、RippleNetを活かし、米国と英国間の国境を越えた支払いをスピードアップすると発表しました。

XRPのセキュリティに関する議論

今年6月、米国証券取引委員会(SEC)企業金融局のウィリアム・ヒンマン局長は、イーサリアム(ETH)が有価証券ではないと宣言しました。しかし、XRPには触れませんでした。

春から夏にかけて、リップル社はXRPが独立している事を強調してきました。しかし最近は、会社とXRPの違いを示す事に苦心していないように見えます。リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏は、ブルームバーグにxCurrentやXRPによる送金技術が、ライバルのSWIFTを追い越すと語りました。先週、同社のチーフ市場ストラテジスト、コーリー・ジョンソン氏は、XRPは今やビットコイン以上に使われていると主張しました。こうした変化は、SECがXRPをセキュリティーとみなすことについて、リップル社があまり心配していないことを示唆しています。

XRPがセキュリティであるかどうかの議論は、既に主要な関心事ではないかもしれません。SECによる規制は、5年以上前の潜在的な違反よりも、最近の違反にフォーカスする可能性があります。一方、銀行の主要な関心事は、XRPが実際に実用性を提供するかどうかです。国際決済と送金を改善するチャンスがフォーカスされています。


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