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  • 2018/12/19
  • 2018/12/19
  • コイン東京編集部 アオ

Dapps(分散型アプリケーション)とは?仕組みや将来性を紹介

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みなさんはDapps(ダップス)という言葉をご存知でしょうか?
仮想通貨に関心のある方や、いくつかの銘柄に投資をされたことのある方であれば聞いたことがあるかもしれません。

Dapps とは、Decentralized Applicationsの略。
ブロックチェーンを活用した非中央集権的なアプリケーションのことを意味します。
他の分散型アプリケーションとどのような違いがあるのか、また具体的にどのような場面で活用されているのかなど、気になることが多いでしょう。

そこで今回は、Dappsの仕組みや活用事例、今後の将来性について解説します。
またDappsが抱える今後の課題についても触れていきます。

1.Dappsとは

Dappsは、例えばイーサリアムやEOSのようなブロックチェーン上で動いている、スマートコントラクトと呼ばれるプログラムによってできています。

そして、あらゆるデータはブロックチェーン上に保存され、Dappsはそのデータを参照したり更新したりしていきます。

つまり、Dappsはブロックチェーン技術を活用したアプリケーションです。
ここでは、Dappsの特徴について詳しく見ていきます。

1-1.オープンソースであること

Dappsは、そのソースコードがオンライン上で公開されています。
オペレーションは自動であり、中央政府のような特定のコントロール主体は基本的には存在しないことになっています。
つまり、アプリケーションの管理は不特定多数のユーザーによって行われます。

また、ハードフォークの実施といった、システム上の変更点がある場合には、ユーザーの合意によって行われる必要があるとしています。

ただし、現在のところ、特定の運営者が存在するアプリケーションが多いのが実情。

なぜなら、現状はほとんどのDappsにおいて、アプリケーションの全てがブロックチェーン上で動いているわけではなく、従来の技術を部分的に活用して動いている状態となっているからです。

完全にブロックチェーン上で動作しているのではなく、ブロックチェーン技術を一部でも活用しているアプリであれば、Dappsであると見なされるようです。


・データの管理がブロックチェーン上で行われる
従来のアプリケーションであれば、運営会社によって中央集権的に管理され、データに関しても特定の管理サーバーに一元的に管理されることになっています。

しかし、Dappsの場合は、オンライン上のデータや記録については、特定のサーバー上に一元管理される仕組みではありません。
公開されている分散型ブロックチェーン上にすべてのデータが管理されることになっています。

ちなみに、ブロックチェーン上のデータは誰でも参照することができます。
そして、所有者のみが自由に操作することができるため、勝手に不正コピーをされる心配はありません。

他にも、アプリの外で必要なデータを参照したり、さらにデータを資産として扱うこともできます。

1-2.トークンを活用したエコシステム

Dappsでは、アプリケーションの内で利用できるトークンが発行されています。
アプリケーションの利用報酬付与などの場面でこのトークンが必要となってくる場合があります。

ビットコインであればマイニングという作業の貢献に対して、新規発行されるビットコインが報酬として与えられています。


同じように、Dappsでも参加者にはそのトークンによって報酬が支払われること、となっています。

ちなみにアプリケーションの内で利用されるトークンの発行は、アプリケーションへの貢献の価値を示す「暗号アルゴリズム」に基づいて行われることになっています。

ビットコインの場合であれば、PoW(Proof of Work)というアルゴリズムが採用されていて、「ビットコイン取引にまつわる膨大な計算処理を最も早く行い、取引の承認を行った」という貢献に対して、新たなビットコインが生み出され、作業してくれた人に付与されています。


Dappsでも同様の方法でトークンの新規発行が行われています。

1-3.プロトコル改善、コンセンサス

Dappsのアプリケーションは、ユーザーからの改善要求に基づいてプロトコルを改善していくこととされています。
もしアプリケーションで何か不具合があれば、それに対してすぐに改善していかなければなりません。

ちなみにこの改善は、ユーザーのコンセンサス(合意)によって行われることとなっています。

2.Dappsの仕組みやメリット

ここではDappsの仕組みに関して詳しく解説していきます。
またアプリケーションとして活用していく上でのメリットも紹介します。

2-1.非中央集権的な分散的なアプリケーション

基本的にはDappは完全に分散されていること以外は通常のアプリと機能は全く同じです。
特定の中央サーバーまたは第三者に依存することなく、アプリケーションに参加している不特定多数のユーザーによって動きます。

そのため、Dappには障害が発生するような中央機関が存在せず、ハッキングや政府機関等から検閲といった干渉が逐一行われることがないため、完全に自律的な運営を行うことができるのです。

従来の集中型アプリケーションであれば、特定のサーバーや主体に管理が委任されることによって効率化を図っています。
集中的に管理することに関しては、管理コストが安く済み、おまけに高速で動作しれるなどのメリットがあります。

しかし、従来型のアプリケーションには、主体の単一障害点や管理・運営面における不透明性などの問題点もあります。

従来型のアプリケーションは、管理している主体の信用・信頼によって成り立っていると言えます。
もし、運営側がトラブルを起こした場合には、一気に信頼性が崩れるという脆弱性もまた存在します。

従来型のアプリケーションだと、メールアドレスやパスワードなどを使用したログインを必要となります。
一方、Dappsはブロックチェーンから立ち上げおよび実行を行うため、ログインの際、個人情報を保持しない形のプライベートアドレスのみで起動させることができます。

このように、ブロックチェーンを利用することで、中央管理者を限定することなく、オペレーションは自動となっています。

そして、先ほども触れたようにシステム上必要な改善に関しても、ユーザーからの合意によって実行されることになっています。

2-2.安全性が担保される仕組み

Dappsはブロックチェーンの分散型台帳技術を採用していて、ネットワーク全体のサーバーとコミュニティにより共同で管理・運営が行われています。

運営に参加しているユーザーは、Dappsの運営に参加した報酬としてそのDapps内で使用されているトークンを報酬としてもらうことができます。

こうしたことから、トークンの価値がシステムの安全性を保証していると見なすことができます。
トークンの価値が上がっていくことによって、運用者の利益も次第に増えていきます。
そのため、提供しているサービスの品質が将来を左右しているといえます。

こうしたことから、ユーザーがより多くの報酬を得るために、そのサービスをより良いものとしよう改善を重ねていくことが予想されます。
それによってさらにトークンの価値がさらに向上するという循環が生まれます。

2-3.Dappsの種類

Dappsには、次のような3つの典型的なタイプがあります。

タイプ1:独自ブロックチェーン

タイプ2:タイプ1のチェーンを利用して作られるものプラットフォーム

タイプ3:タイプ2のプロトコルを利用して作られるアプリケーション


タイプ1に関しては、仮想通貨ではビットコイン、ライトコインなどが挙げられます。

タイプ2については、ビットコインのブロックチェーンを使用していて、独自のブロックチェーン技術を持たない仮想通貨オムニ(OMNI)が挙げられます。

オムニとは、ビットコインのブロックチェーン上に記録されている独自トークンの発行機能を持っている仮想通貨です。

トークンである「OMNI」を支払うことで、新しい独自トークンを発行することができます。

タイプ3の例としては、オムニのプロトコルを使用している分散型データストレージサービスを開発しているMaidSafeなどがあります。

また、最近ではタイプ1にあたるイーサリアムのブロックチェーンとスマートコントラクト機能を活用したDaapsの開発が進められています。


今後、Dappsの開発が進展することで、特定の管理者を持たない非中央集権型のアプリやサービスがより日常的に利用されるようになれば、現在のインターネット関連のシステム全体も大きく変わるのではと予想されています。

2-4.Dappsのメリット

Dappsをアプリケーションとして活用するメリットは次の通り。

(1)運営コストが安い
Dapps(分散型アプリケーション)の一番のメリットはサーバー運用によるコストを大幅にカットできることでしょう。
ブロックチェーン上にアプリケーションを構築すればあとは予めプログラミングされたルールにしたがって動作するだけです。

従来の中央集権型のアプリケーションであれば、サーバー管理やセキュリティ対策などを全て自分たちで行わなければなりません。

そのため大きなサービスになるほど企業が大きくなり、複数の部署に分けてユーザーのサポートやサービスの開発・運営を行うことになります。
システムの担当者が多くなるほど人件費もかかり、サービスの開発以外のコストもかさんでしまいます。

一方、Dappsなら特定の運営者がいないため、サーバー運用をしなくても済むことになります。
そのため、従来のサービスと違って人件費も安く抑えることが出来るので会社の取り分が少なくなります。

そうすると、利用料や手数料も大幅にカットすることもかのうになります。
これは利用するユーザー側にとっても大きなメリットとなるでしょう。


(2)透明性がある

現在のインターネットプラットフォームでは、Google,Amazonを中心に大手企業が中央管理者としてあらゆる情報を握っています。

こうした既存の巨大企業によるインターネットのサーバーの場合、どのように利用料がなぜ発生するのか、誰がどのようにして情報にアクセスできるのかといった重要な情報は、一般的に公開されていません。

しかし、Dappsであれば、情報へのアクセスが公開されているため、透明性の高いインターネットの利用が実現可能となっています。
さらに、Dappsでは情報や取引を管理する特定の機関が存在しないため、より情報の透明性が高く、開かれたインターネット空間が構築されています。

このように中央集権的なサーバーの場合、不透明な情報が必ずありますが、Dappsであればユーザーが知りたい情報が透明化されるというメリットがあります。


(3)トレーサビリティ
ブロックチェーンを採用することによって、自動で取引履歴が残り改ざんできない、信頼性の高い情報のトレース(追跡)が実現できます。

そのためもし取引データにおける改ざんが行われたとしても、取引履歴が自動で記録されているので即座に原因を特定することができます。

このため、ハッキング行為などの不正が行われるリスクは従来のアプリケーションよりも低いと言えるでしょう。


(4)非伝統的な調達
Dappsは株の売却、配当の支払いといった伝統的な資金調達方法をする必要がありません。トークンの発行および、利用者の所有だけで、資金調達や収益化などの一連の流れを全て完結させることができます。

参加している側が行うべきことは、Dappsを採用しているシステムの向上と適切なトークン配分のみとなります。


(5)幅広い分野での活用
Dapps応用範囲がとても広く、さまざまなインターネットサービスへの応用が期待されています。

現に仮想通貨に関してもDappsの応用例一つです。
ブロックチェーン技術を活用して、分散型の決済システムとして役割することができます。

この他にもDappsを活用した分散型取引所ゲーム、さらにクラウドストレージサービスといったように、多方面において応用することができます。

今後、既存のインターネットサービスと融合し、今まで存在しなかったDappsサービスが生まれるかもしれません。

3.Dappsの課題と将来性

先ほども紹介したようにさまざまなメリットがあるDappsですが、その一方でいくつかのデメリットもあります。
ここでは、今後Dappsが発展していく上で対応しなければならない課題について紹介していきます。

3-1.Dappsが抱える課題

Dappsが現在抱えている課題は次の通り。

(1)スケーラビリティ問題
現在、dappsの利用者数はまだまだ少ないのが実情です。
原因として、ブロックチェーンを導入するためのインフラが整備されていないこと、アプリケーションの質が低いことが挙げられます。
さらに仮想通貨に関するリテラシーが一般にはあまり高くないことなどが挙げられます。

今後、仮想通貨やDappsを活用したオンラインサービスが一般に普及するようになれば、新たな問題発生してきます。
その問題の一つであるのが、スケーラビリティに関する問題です。

システムのユーザーが多くなるにつれて、ネットワークが処理できずに承認待ちの時間がかかってしまう、さらにそれに伴い手数料が高騰してしまうという問題です。

イーサリアムやビットコインといった仮想通貨は、2017年頃には値段の乱高下が生じたこともあって取引量が増加し、この問題が表面化しました。


(2)手数料の問題
現在Dappsを使うことによって、トランザクションが発生するたびに手数料が発生するようになっています。
この手数料はアプリケーション内での取引量が多くなればなるほど、高くなるようになっています。

Dappsを活用したサービス内で取引が発生するたびに手数料が発生します。
例えば、他のユーザーの何かを送ったり、作ったりする際に一定の手数料がかかるのです。

アプリ内でのアクションのたびに課金されるとなると、ユーザーに抵抗感が生まれてしまうことになるでしょう。
ですので、これからはDappsの手数料については、その手数料を限りなく低くするもしくは無料にすることが必要となっていくでしょう。


(3)トークンの価値の問題
トークンはコストと手間をかけずに簡単に発行することができます。
けれども、発行したトークンを誰も購入することがなければその価値はほとんどありません。

そのため、ユーザーに対して特典を付与したり、自分が実行している事業やサービスを成功させることによってトークン自体に価値を持たせることが必要になってきます。

もちろん、これはトークンを発行する側のみならず、トークンを購入する側である投資家にもデメリットになります。

トークンを購入する側は新しい事業やサービスが成功し、トークンの価値が将来上がると思って投資します。
ですので、事業が上手くいかなかったり、サービスが浸透しなかった場合、トークンの価値がなくなることになってしまうのです。


(4)システム上の欠陥の問題
dappsではブロックチェーンによって動くため、その中でバグが発見されれば、そのアプリ自体が成り立たなくなってしまう可能性があります。

全ての取引はブロックチェーンに記録され改ざんすることができないという性質をもっています。
そのため、既に実行されているシステムに不具合があったとしても、修正することが困難なのです。

開発者側にとってはDappsを導入するにあたって事前に入念な設計とテストが必要となりますし、ユーザー側にとっては利用するアプリケーションが本当に信用できるものかどうか見極めるリテラシーが求められます。

3-2.今後の将来性

Dappsは先ほど解説したように、スケーラビリティ問題やトークン価値の維持、システムにおける欠陥への対応など、さまざまな課題を抱えています。

しかし、技術開発を巡る環境は常に変化しています。
ですので、こうした課題はどんどん解消されていくことが期待されます。

Dappsに投資するVCファンドのCEOであるDavid Jonstonによると、
「Dappsは、有用性、ユーザーベース、ネットワーク評価のいずれにおいても、世界最大のソフトウェア企業を凌駕することになるだろう。」
とのことです。

現在でもDappsを活用したアプリケーションや仮想通貨のリリースが続いています。
Dappsの将来性に関しては期待材料が多いので、これからも注目されてみるといいでしょう。

4.Dappsのケース、代表事例 

2018年11月時点で、Dappsはさまざまなオンラインサービスで活用されています。
ここでは、代表的なDappsの活用事例について紹介していきます。

4-1.代表的なDappsプラットフォーム 

Dappsを活用したプラットフォームは次の通り。
これらのプラットフォームはDappsの開発にかかるコストを下げるための基盤として役立っています。

(1)イーサリアム

2018年11月19日の時点では、イーサリアムのDappsは実用段階のネットワークで機能しているものだけで311個もあると言われています。
事例の多さに関しては、イーサは他の仮想通貨以上です。

Dappsの開発のみならず、独自トークンの発行が簡単に行えるという強みがあり、多くのトークンがイーサをベースにして発行されています。

実際にイーサのスマートコントラクトは、Dappsのような非中央集権的なシステムと非常に相性がいいため、多くのDappsのためのプラットフォームでスマートコントラクトが利用されています。


(2)EOS(イオス)

EOSはイーサリアムと競合関係にある、ブロックチェーンベースの分散型アプリケーションプラットフォームです。

EOSの特徴的なポイントは、スケーラビリティ問題を解決したDappsプラットフォームの実現を目指していること。

DPOS(Delegated Proof of Stake)呼ばれる独自のアルゴリズムを使用。
これはネットワーク参加者の投票でブロック生成者を選び、その選ばれた生成者が実際にブロックを作成していくという仕組みのコンセンサスアルゴリズムです。

このアルゴリズムがあるおかげで、トランザクションの処理能力を大幅に向上させることができます。
これにより、たとえネットワークが拡大しても処理時間や手数料などの問題が起こらないようになっています。

またEOSでは、ユーザーは無料でプラットフォームを使用することができます。
これによって、現在ユーザーが新たに手数料を支払うことなく、Dappsを利用することが可能になります。

オンラインサービスを運営している側にとっても、無料で使えるほうが新規ユーザー獲得、および既存ユーザー数維持に有利であると考えるでしょう。


(3)カルダノ

カルダノは、オープンソースな分散型プラットフォーム。
分散型なプラットフォームを提供し、現状発行されているビットコインやイーサリアムなどの欠点を解消した通貨の発行を目指しています。

カルダノでは、「30億人の財布となる」という大きなプロジェクトを掲げています。
これは、自分の銀行口座も持つことができない、いわば金融弱者の人でも利用することができるウォレットを提供することを意味しています。
つまり、どんな人でも貯蓄ができる環境の実現が最終目標となっているのです。


(4)NEO

中国版イーサとも言われているプラットフォーム。
NEOの特徴は、C#、Java、Python、Javascriptなどさまざまな言語で利用できること。
そのため、既存のオンラインサービスに導入しやすいというメリットがあります。

NEOを基盤としたDappsには、AdEX、NEXなどがあります。

AdEXはブロックチェーン活用してオンライン広告を非中央集権的に管理し、プライバシーの侵害などの問題を防止することを目的としています。

またNEXは、NEOのブロックチェーンを活用することで、迅速に複雑な取引を処理することを可能にします。


(5)LISK

Javascriptを用いたDappsの開発を可能にしてくれるプラットフォーム。

開発言語がJavascriptなので、多くの開発環境にDappsを導入しやすくしてくれるメリットがあります。

またDappsの開発の際に有用な開発ツール・テストを行うための環境などが開発者のために準備されているので、アプリケーションの開発の障壁を下げてくれています。

4-2.Dappsゲーム

ゲームはDappsの代表的な活用事例であり、イーサエモンやCryptoBotsなど、既に数多くのDappsゲームが登場しています。

透明性が高く、中央集権的に管理されていないDappはゲームとの相性が良いと言えるでしょう。

一定の確率で「当たり」が出る仕組みであるオンラインゲームのガチャは、管理主体に意図的に操作されていないのか。
もしくは、実際にその確率で「当たり」が出るのかといったことが不透明となっています。

Dappsによってガチャのシステムを構築することで、運営側による当選確率の改ざんを防ぐことができるのです。

4-3.DEX(分散型取引所)

仮想通貨取引所の運営にもDappsが活用されています。

現在、国内外にある多くの取引所は株式会社が中央組織として運営されています。
もし、コインチェックやZaifなどのようにハッキング被害に遭遇すれば、預けていた仮想通貨は外部に流出してしまう恐れがあります。

こうした顧客の資産を安全に保護するという意味でも、分散型取引所(Decentralized Exchange)の重要性はますます高まっています。

なぜなら分散型取引所(DEX)では、秘密鍵を取引所に預けることなく自分自身で保管することになります。
そのため、上記のような事件に巻き込まれるといったことがなくなるとされています。


仮想通貨取引所における代表的なDappsとしては、0x(ゼロエックス)などがあります。

4-4.分散型データストレージ

現在、データ管理用のツールとしてDropboxやGoogleドライブなどを利用している方も多いでしょう。

こうしたクラウドストレージはそれぞれの会社が管理していますが、Dappsによる分散型ストレージではP2Pネットワーク上で分散的にデータを管理します。

具体的には、ユーザーはトークンを支払うことで他のユーザーが提供しているストレージを使用することができます。
またユーザーは自分の空いているストレージを提供することも可能で、その対価としてトークンを報酬として受け取ることができます。

このように分散型ストレージはストレージのシェアリングサービスのように機能することが期待されています。
Dappsによって、世界中のストレージの50%を占めると言われている未使用ストレージを有効活用することができると期待されています。

4-5.身分証明

Dappsはデジタル身分証明での応用にも期待されています。

現在、オンラインで決済したり、サービスを利用したりする場合、その都度、個人情報の入力が必要であり、手間がかかっているという問題点があります。

こうした課題を解決する代表的なサービスには、uPortという身分認証用のDappsがあります。
uPortは、個人情報をブロックチェーン上で一括管理すます。
そして、さまざまなオンラインサービスを利用するときにはuPortを通して認証する仕組みとなっています。

ブロックチェーン上で個人情報を管理し、uPortを利用することで、何度も個人情報を入力する手間を省きます。

4-6.予測市場

予測市場とは、将来起こりうる出来事に対してユーザーが予測する市場のことです。
例えば明日の株価は上がるのか、今回のサッカーワールドカップの優勝国はどの国になるのか、といった未来の出来事を予測し、お金を賭けます。
もしその予測が的中すれば報酬が支払われる仕組みです。

オンラインカジノなどでは、運営側による不正操作が行われたり、手数料が割高になるというデメリットがありました。


Dappsを導入することで特定の運営者が不要となり、安全かつ透明性の高い予測市場の形成が可能となることが期待されています。

予測市場のDappとして代表的なのが、AugurやGnosisといったブロックチェーン上の分散型予測市場です。

5.まとめ

以上、分散型アプリケーションDappsについて詳しく解説していきました。

仮想通貨市場はもちろん、オンラインゲームやデータ管理の分野でも応用が期待されているアプリケーションです。

もちろん、Dappsは決して完璧なアプリケーションではなく、スケーラビリティや手数料といった課題も存在します。

けれどもこれから期待できるアプリケーションであり、開発体制についても整いつつあります。
将来的には世界的なインフラになる可能性も秘めています。

まずはDappsを活用したオンラインゲームをプレイするなどして実際に体験してみることもいいかもしれません。

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