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  • 2019/01/29
  • 2019/01/29
  • コイン東京編集部 コイン東京編集部

ライトコイン(LTC)が2019年内に「匿名性取引」を追加する構想を示唆

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28日、ライトコイン(LTC)の創設者チャーリー・リー氏は公式に「機密取引(コンフィデンシャル・トランザクション:Confidential Transactions)」を2019年中にソフトフォークで追加する可能性を公表しました。


リー氏は現在、機密取引を追加することによってライトコインをよりファンジブル(代替可能)にすることにフォーカスしています。同氏は「機密取引のようなものを備えることは、LTCをグッドなプライバシー性と代替性に近づけるでしょう。私は現在ライトコインの改良を考えています。」と述べています。

ライトコインをよりファンジブル(代替可能)に

ライトコインをよりファンジブル(代替可能)にするメリットは、コインをプライバシー(匿名性)にするメリットと同様です。例えば、プライバシー性が無い通貨の場合、取引履歴に犯罪利用があるライトコインが受け付けられない場合があります。またはその逆に、過去に有名人が所有したコインにプレミアがつく場合があります。その通貨は代替不可能と言えます。

また、ウォレット残高が明らかになる仮想通貨の性質は、財務プライバシーに慎重なユーザーに敬遠されるかもしれません。アドレスを辿れば、取引相手の残高が見えてしまうのですから。そういう人は、モネロ(XMR)やジーキャッシュ(ZEC)使った支払いを選択するでしょう。しかし、ライトコインがよりファンジブル(代替可能)になる場合、こうした問題をクリアして、より広範な無差別取引に利用できる可能性があります。

機密取引(Confidential Transactions)とは?

CTとも呼ばれる機密取引は、Bitcoin Coreの開発者でBlockstream社CTOのGregory Maxwell氏によって発明された技術です。トランザクションを難読化し、送付金額や取引当事者のアドレスを隠すことができます。機密取引はすでにBlockstreamのコンソーシアム型サイドチェーン「Liquid」でデフォルト機能として備えています。

機密取引は、ユーザーがより柔軟性のあるメリットを享受できるようにするには最適な方法ですが、ライトコインに実装する場合、いくつかの課題があります。機密トランザクションの使用はオプション(選択機能)となり、データフローの増加と他の機密アドレスをプロセス内で作成する必要があるため、より多くの容量を占有し、より手数料がかかります。Mimble Wimbleプロトコルの提案者であるTom Elvis Jedusorによると、機密取引はすべての出力に数キロバイトを擁します。

ビットコインのテストネット

また、ライトコインは大規模に普及しているブロックチェーン上の仮想通貨であり、日々の取引量が数億ドルに達するため、Blockstreamのサイドチェーンとは勝手が異なります。しかしだからこそ、このアップグレードには価値があります。ライトコインで成功すれば、ビットコインでも安全に動作する事が実証されます。

ライトコインはビットコインのテストネットとして知られていました。実際にスケーリングソリューション「SegWit」の実装を先行して成功させました。ここで再度デジタルシルバーはリスクを伴う実装を先導し、新技術を大規模に機能するよう挑みます。

機密取引の実装には、2つの大きな問題があります。1つは先述した追加のブロックスペースの問題です。しかし、ライトコインはビットコインより速いブロック生成時間と、SegWitの採用のおかげで、ビットコインよりは容易にこの問題に対処できます。

2つ目の問題は、インフレにつながる可能性のあるバグの懸念です。悪意のあるバグを介して、より多くのコインが(秘匿に)発行された場合、そのコインの価値を棄損する可能性があります。ライトコインの発行量はビットコインの4倍の8400万枚に固定されています。より多くのコインが採掘されたことが発覚した場合、価格の下落が予期されます。しかし、ライトコインの比較的集中化された性質は、素早い調整を可能にするかもしれません。

ライトコインで、商取引のために設計された仮想通貨のプライバシーと代替性技術の統合が成功する場合、ビットコインにも同様の実装が検討できます。あるいは機能性を付加したライトコインが、メインストリームの採用へと独自の道を進むかもしれません。


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