ForDeXを構築するZPXの共同創設者Aditya Mishra氏は以下のように述べています。
「集中型取引所(CEX)へのハッキング攻撃は増え続けており、2018年前半だけでの総額10億ドル(約1100億円)が奪われました。そのため、ユーザーが資産を第三者に預ける必要の無い、分散型取引所(DEX)に対する注目が高まっています。私たちは、DEXが最終的に集中型の取引所を大幅に上回ることを期待しています。」
ForDexはユーザーのニーズに対応する主に3つの機能を擁しています。1,フィアットに対応しており、ユーザーがプラットフォーム上で自分の好みの暗号資産と交換できます。2,完全に分散化されており、ユーザーの資金を管理していません。3, Trezor、Ledger、Metamask(メタマスク)などの複数の仮想通貨ウォレットをサポートします。
ZPX社CEOのRamani Ramachandran氏によると、ForDexは現在、3種類の米ドルのステーブルコイン(USDC, PAX, DAI)と韓国ウォンのステーブルコイン(KRWb)をサポートしています。同社は今後すぐに、マージン取引、ショート、レバレッジ機能を可能にする予定です。
ZPX社の製品統括Gangadhar Sulkunte氏によると、ForDexの長期的な目標は、暗号資産のFX取引のワンストッププラットフォームになることです。アルファ版は数ヶ月間のテストを経て、より多くの機能がインストールされたベータ版を立ち上げる予定です。
ますます増加するステーブルコインにより、裁定取引(アービトラージ)の機会を生み出しています。裁定取引とは、異なる取引所間の資産の価格差を利用して利ザヤを稼ぐ取引のことです。例えば、トレーダーはより低い価格で取引所でBTCを購入し、より高い価格で別の取引所でそれを売却して利益を得ます。
伝統的な資産クラスでは、裁定取引のスプレッド(価格差)を狙う洗練された超高速の取引戦略を展開するクオンタムおよびHFT(高頻度)トレーダーに利用されています。一方、新興の仮想通貨トレーディングエコシステムでは、こうしたプレイヤーは比較的少数なため、これらの裁定取引は有効な場合があります。
ステーブルコイン同士のトレーディングは、暗号の世界にとっては比較的最近の分野です。実際に市場のステーブルコインの取引ペアに、以下のようなエキサイティングな取引機会が生まれています;
例1、リスクゼロの0.09%の価格スプレッド
Binance:USDC / PAX、ForDeX:PAX / USDC
Binance:USDC / PAX購入価格 - 1.00ドル
ForDeX:PAX / USDC売却価格 - 1.00092ドル
例2、リスクゼロの2%の価格スプレッド
ForDeX:USDC / DAI、Coinbase Pro:DAI / USDC
Coinbase Pro:DAI / USDC購入価格 - 0.98
ForDeX:USDC / DAI売却価格 - 0.9998
これらは潜在的な裁定取引の一例です。こうした裁定取引の機会は最終的に消滅すると想定する事もできますが、近い将来には、取引業者にとって利益が得られる市場と期待されています。
ZPXについて:
シンガポールを拠点とするベンチャー企業ZPXは、シンガポール、インド、米国に拠点を有しています。ZPXの投資家には、Google AdSenseの創設者、ハイテクユニコーンの創設者、およびシンガポールのVCであるSeedplusが含まれます。ForDexは、仮想通貨0x(ZRX)のプロトコルを基盤としており、ステーブルコインのリレイヤーとして機能します。
関連記事
仮想通貨ニュースサイトのコイン東京では、ビットコインやリップル等仮想通貨にまつわる最新速報やプロトレーダーによる仮想通貨価格チャートの分析&解説、注目プロジェクト等のインタビューなど様々なコンテンツをお届けしています。