直接のきっかけは、MimbleWimble(ミンブルウィンブル)の代表的なチームBeamとのコラボレーションの発表です。以前からライトコインチームは、プライバシーと代替性の実装について検討し、議論してきました。
Beamの7日の発表によると、ライトコインチームはMimblewimbleの実装のためにBeamへ協力を要請しました。両社は、「レギュラーLTCをMimblewimble変異なLTCに変換し、その逆も行うオンチェーントランザクション」の実現に向けて協力します。2つのブロックチェーン間のブリッジは「拡張ブロック」によって提供され、MimbleWimble LTCの生成とトランザクションを実行できる構想です。
これ以上の技術的詳細は公開されていませんが、共同作業はオープンソースになるため、将来的に他のプロジェクトもこの種のプライバシー強化を再現できます。つまり、ビットコインもMimbleWimbleの恩恵を受ける可能性があります。
ライトコイン財団は匿名性機能を取り入れるために、提携先としてMimblewimbleのBeamチームを選択しました。
一般的に匿名性通貨は、ユーザーの取引履歴を隠すことによってプライバシー強化に重点を置いています。代表的な匿名性通貨Zcash(ジーキャッシュ)は、いわゆる「ゼロ知識証明」プロトコル、またはzk-SNARKを実装してこれを実現します。Beamのブログによると、Zcashは優れた匿名性と引き換えに、計算量が多くスケーラビリティが低いという犠牲を払っています。
一方、仮想通貨BeamはMimblewimble(ミンブルウィンブル)ブロックチェーンの実装により匿名性を実現します。MimbleWimbleは、Confidential Transactions(機密取引)とCoinJoin(多くのトランザクションを一つにまとめて情報を追跡しにくくする)の両方を使用して、より多くのトランザクションが1つのブロックに収まり、スケーラビリティが向上する設計を採っています。
Beamのプロジェクトは、VCから資金を調達しており、一定期間は採掘報酬の一部をディストリビュートする事で持続可能な計画に基づいて運営されています。また、Beamはライトコインと同類のマネタリーポリシーを取っています。Beamの発行量上限は4億6300万枚とされ、採掘報酬は4年毎に半減します。同じMimblewimbleの実装である仮想通貨Grinは発行上限がなく、毎分1ブロックごとに60コイン採掘されます。
MimbleWimbleを実装する場合、ライトコインはハードフォークしない様です。「拡張ブロック(Extension Blocks)」は、Bitcoin Core開発者Johnson Lau氏が2013年に提案した技術で、ソフトフォークを使用してブロックサイズを拡張します。
以前のノードとの下位互換性が保証されているため、この技術の実装にハードフォークは必要とされていません。おそらくメインチェーン上のすべてのブロックに対して補助ブロックを作成し、その中にMimble Wimbleトランザクションを格納することになります。それは、匿名取引を記録するパラレル・ブロックチェーンのようなもので、マイナーは手数料を徴収し続けることができます。プライバシーはライトコインのオプション機能となり、メインブロックからコインを送信して、秘匿性に切り替える必要があります。
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