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  • 2019/02/14
  • 2019/02/14
  • コイン東京編集部 アオ

新経済連盟が「暗号資産の新たな規制に関する要望」を金融担当大臣宛に提出

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14日、一般社団法人新経済連盟は2019年1月に実施した会員セミナー等を通じて収集した、会員企業からの意見を反映した「暗号資産の新たな規制に関する要望」を金融担当大臣宛てに提出したことを発表しました。

新経済連盟

一般社団法人新経済連盟は2010年に設立された、「eビジネス、ITビジネスをはじめとした様々な新産業の発展を通じ、国政の健全な運営、地域社会の健全な発展に資すること」、「新産業の公正かつ自由な経済活動の確保、促進及びその活性化による国民生活の安定向上に寄与すること」を目的とした経済団体です。

代表理事を楽天株式会社代表取締役兼社長の三木谷浩史氏、副代表理事を株式会社サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏が務め、ITビジネスを行う企業を中心に、500以上の企業が会員として参加しています。

新経済連盟は、2018年12月21日に公表された金融庁の「仮想通貨交換業等に関する研究会報告書」では、諸外国に先駆けて、暗号資産を巡る規制の枠組みが示されたことに対し、大きな意義があるとして評価した一方、暗号資産は技術革新や環境変化がめざましい分野であることから、新たな規制が日本の金融市場におけるイノベーションの疎外とならないよう柔軟に対応することを要望し提言を纏めました。

提言の構成は以下のようになっています。

1.投資型ICOについて
「第一項有価証券」となる対象の明確化

・提示された規制案の内容
トークン表示権利は、事実上多数の者に流通する可能性があるため、金融商品取引法における「第一項有価証券」と同様に整理する

・これに対する要望
トークン表示権利を一律に「第一項有価証券」と同様に扱うのではなく、権利の移転に制限がかかっているなど、事実上多数の者に流通するとはいえない場合においては「第二項有価証券」と同様に整理することを可能とすべき。

また、「第一項有価証券」に該当する場合、当該トークンを取り扱うには「第一種金融商品取引業者」の登録が必要となり、参入障壁が著しく高まることから、新技術の利活用促進の妨げとならないよう留意すべき。



2.決済型ICOについて
発行体と交換業者の責任の明確化

・提示された規制案の内容
ICOトークンを取り扱う仮想通貨交換業者に対し、「発行者に関する情報、発行者が仮想通貨の保有者に対して負う債務の有無・内容、発行価格の算定根拠等」に加え、「発行者が作成した事業計画書、事業の実現可能性、事業の進捗等」の情報についても、顧
客に提供することが適当。

・これに対する要望
事前の情報開示、事後の継続開示、適時開示などについて、「発行体」と「交換業者」の責任を明確化すべき。発行体が主たる情報源であるため、問題があった際の交換業者の責任範囲を限定するなど、交換業者の責任が過大とならないよう留意すべき。

また、いわゆるステーブルコインには様々な形態があることを踏まえ、為替取引など既存の類似規制をそのまま適用するのではなく、資金決済法上の仮想通貨該当性の線引きも含め実務上のニーズ等を把握した上でトークンの性質を考慮したルール設計をすべき。


3.カストディ業務について
規制対象となる範囲の明確化

・提示された規制案の内容
カストディ業務について、業規制の対象とし、仮想通貨交換業者に適用される顧客の仮想通貨の管理に関する規制を適用

・これに対する要望
実務上「カストディ業務」は様々な形態のものが存在するため、規制対象となる業務の範囲を明確にすべき。

また、一定の業務についてはリスクに応じた規制、またはカストディ規制の適用対象外とすべき。


4.デリバティブ取引について
第一種金商業による取り扱いの実現

・提示された規制案の内容
仮想通貨デリバティブ取引は、他のデリバティブ取引と同様の業規制(金商法)を適用することが基本。
さらに、仮想通貨デリバティブ取引は、顧客の認識不足、問題がある仮想通貨の取扱い等、仮想通貨の現物取引と共通の課題が内在した取引であるため、仮想通貨の特性を踏まえた追加的な対応として、仮想通貨交換業者に求められる対応も同様に求める。

・これに対する要望
第一種金商業者が現物仮想通貨の引き渡しを伴わない仮想通貨デリバティブ取引を取り扱う場合には、仮想通貨交換業としての登録を経ることなく第一種金商業の範囲内の業務として行うことができることとすべき。


5.その他(税制について)
申告分離課税や損益通算等の適用

・税制に関する要望
暗号資産の市場を拡大しイノベーションを後押しする観点から、税制が暗号資産への投資の阻害要因とならないようにするため、以下のような措置を講じることを検討すべき。

(1)総合課税から、申告分離課税への変更(税率は株やFXと同様に20%とする)
(2)仮想通貨間の交換は非課税とする
(3)損益通算や損失の繰越控除を可能とする





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