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  • 2019/05/06
  • 2019/05/06
  • コイン東京編集部 コイン東京編集部

米CFTCのシニアスタッフ、イーサリアム先物取引の承認審査の状況について語る

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米国商品先物取引委員会(CFTC)のシニア・オフィサーは、イーサリアム(ETH)の先物取引の審査状況について語ったという。6日にコインデスクが報じました。

「私たちはまだ、提出された申請書を見ている段階です。数々のデリバティブ取引所から『特定の商品を発売したい』と提示されます。…私たちの要件を満たす特定のデリバティブ商品が届いた場合、それが実現する可能性は十分にあります。」

イーサリアム先物に対する期待

シニア・オフィサーによると、現在、規制当局はイーサリアムの同様の商品を検討しています。通常、規制当局は新商品の採用判断を公言しないため、匿名で対応されています。

同氏はまた、「CFTCは提出された特定の申請書に対応するのみで、自発的に意見する事はない。」と述べる。

仮に規制された先物取引の提案が承認されれば、イーサリアム市場への機関投資の参入が期待されます。金融ソフトウェア企業Tradeblockのデジタル通貨調査担当ディレクター、ジョン・トダロ氏は以下のように述べています;

「多くのファンドは、規則により原資産となるデジタル通貨の購入が許可されていません。現金決済の先物取引は、仮想通貨ではなくフィアットで支払われます。そのため、ヘッジファンド等はカストディを憂慮することなく、イーサリアムへのエクスポージャーを得られます。」

「長期的に見て、CFTCが監督する先物市場は、SEC(証券取引委員会)など規制当局に自信を与えて、イーサリアムのETF(上場投資信託)の実現につながる可能性がある。機関投資の増加により、個人投資家のイーサリアムへの信頼も高まるだろう。」とトダロ氏は付け加えました。

米国のデリバティブ市場を監督するCFTCは、2017年にビットコイン(BTC)先物取引の発売を許可しました。CME(シカゴ・マーカンタイル・取引所)とCBOE(シカゴ・オプション取引所)は2017年末に現金決済のビットコイン先物を発売しました。

CBOEのビットコイン先物の発売時、トレーダーが殺到して同社のサイトがダウンしました。同時期に、ビットコインは約2万ドルの史上最高値を付けました。先物の発売が影響したと考える専門家もいます。

一方、先物市場がビットコイン価格を傷つけたという主張もあります。しかしトダロ氏は、ビットコインの価格が既にピークに達していたため、先物の承認時期が偶然一致したに過ぎないと述べました。

イーサリアムを学習

CFTCは、昨年12月にイーサリアム(ETH)デリバティブ市場を開設した場合のリスクを深く理解するため、市場参加者からのフィードバックを求める60日間に渡る「RFI(リクエストフォーインプット)」を発表しました。政府機関は、デリバティブ契約の導入が仮想通貨にどのような影響を与える可能性があるかを明確に尋ねました。

3月末、CFTCの市場監視部門シニアエコノミストのジョージ・プレン氏は、「仮想通貨への一緒くたなアプローチが適切ではなかったことは明らかで、さらに詳しく知る必要があった。」と、コインデスクに語りました。

デジタル商工会議所、シンクタンクのコインセンター、トレーディング企業のコインベースとサークル、イーサリアムの巨大な支援組織であるコンセンシス等、合計35のコメントがCFTCのRFIに提出されました。

CFTCの管理管轄

イーサリアムの先物取引の承認は、基礎となる現物市場に対するCFTCの管轄権を定める可能性があります。

デジタル資産と先物取引のプラットフォームErisXのトーマス・チッパスCEOは、「イーサリアムの先物取引が実現すると、詐欺と捜査を防ぐために現金市場を監督するCFTCの能力を向上させる可能性がある。」と先ほどのRFIで提言しました。

コインデスクによると、ある弁護士は、CFTCが既にイーサリアムの現金市場を管轄しているが、限定的だと述べました。以前にCFTCの執行部で主任弁護士を務めたアンネ・ターミン氏は、「規制当局は既に、仮想通貨が商品(コモディティ)だと明言している」と語りました;

「CFTCは、仮想通貨のスポット市場に対する規制上の監督、すなわちスポット市場で詐欺または操作があった時はいつでも執行措置をとる能力を限定的に有しています。」

ワシントンDCのブロックチェーン政策提言組織「デジタル商取引会議所」の最高政策責任者エイミー・ダバイン・キム氏は、「規制当局は、詐欺や操作の点で仮想通貨のスポット市場に対して“事後”の執行管轄権を有すが、スポット取引だけの取引所に対する管轄権は無い」と述べました。

「証券(セキュリティ)以外の物は通常、商品(コモディティ)として広く定義されている」、とエイミー氏は付け加えた。

ターミン氏は、「(イーサリアム)先物取引の導入によって、CFTCの管轄権が詐欺防止や不正操作の規定を超えたものになる可能性がある。先物は、CFTCが規制する先物取引所で取引される必要があり、規制当局にとって直接の監視対象となります。」

「CFTCによる(イーサリアムへの)監督強化と同時に、より広範なコミュニティへの影響として、潜在的に仮想通貨を正当化する可能性がある。」と、ターミン氏は結論付けました。


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