Tezos(テゾス/XTZ)は主要な仮想通貨として知られるビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のさまざまな問題点を解決することを目的として開発された仮想通貨です。
それらの問題点の中にはスケーラビリティ問題や51%攻撃などがあり、いずれも重要なものといえるでしょう。今回はTezosの特徴や注目される理由、価格動向などをチェックしていきます。
Tezosへの市場の期待度は高く、2017年に行われたICOで約232,000,000 USDの資金を調達しています。この調達額はICOとして当時の最高額であり、どれほど注目されていたかを窺い知ることができるでしょう。
Tezosはフランスの財務大臣が注目していると発言したことで話題になりました。
フランス政府はビジネス分野を一層成長させるために仮想通貨・ブロックチェーンに関する法整備を急速に行ったり、ブロックチェーン技術に投資を行ったりしています。
その政府がTezosに言及したため、市場からさらに注目されるようになっています。この件の詳細については以下の記事も参考にしてみてください。
フランス政府が暗号資産とブロックチェーン育成に本腰!経済・財務相はテゾス(XTZ)に太鼓判ー仮想通貨ニュース
次にTezos(XTZ)のチャートから価格推移に注目していきます。投資を考えている人は参考にしてください。
こちらはXTZ/BTCの4時間足チャートです。このチャートに表示されている期間中は下降トレンドで、一時的に上昇した期間もありますが再び下降に転じています。
また、7/8にローソク足が雲を下に抜けているのでこのまま下降トレンドが継続する可能性が高いといえるでしょう。直近のサポートラインである0.00075 BTC/XTZ程度まで下落する可能性があります。
なお、この下降トレンドが始まったのは5/15頃なので、かなり長い期間継続しているといえるでしょう。
もし、サポートライン付近まで価格が下がった場合はブレイクしてさらに下がるのか、反転して上昇トレンドになるのかに注目といえそうです。
さらに詳しいチャート解析については以下の記事も参考にしてみてください。
Tezos(テゾス)は短〜中期的にはアップトレンドに期待、Tezos(テゾス)の今後を価格チャートから分析【2019/7/4】
ここではTezosが注目されている理由について紹介します。スマートコントラクト機能を持っており、イーサリアムと似た仮想通貨ですが、特に注目される理由は以下の通りです。
一般的な仮想通貨において、大規模なシステムアップデートを行う際にはハードフォークが行われます。しかし、このハードフォークはブロックチェーンが分岐するというデメリットがあります。
通常、開発者間で合意が取れているハードフォークアップデートを実施する際はフォーク後に片方のブロックチェーンを無効にすることによって分裂を防ぎます。
しかし、さまざまな事情によって両方のブロックチェーンが存続する場合があり、こうなると仮想通貨が2つに分裂します。通貨の分裂は価値が下がったり、信頼性に疑問が浮上したりする原因になるのでなるべくなら避けたいものといえるでしょう。
Tezosはシステムアップデートを行うためにハードフォークする必要がないブロックチェーンで、ブロックチェーンが分岐して2種類の仮想通貨ができることを防げます。
価値や信頼性の担保という面で大きなメリットといえるでしょう。
開発者コミュニティが民主的に運営されていることもTezosの大きなメリットの1つといえるでしょう。Tezosの開発には以下のようなルールが適用されています。
・プロポーザルを行うためには10,000 XTZ以上のトークンを保有していなければならない
・提出したプロポーザルは投票によって採決する
・採決に参加する人も10,000 XTZの保有が必要
これによって開発を妨害する行為をある程度防ぐことができるといえるでしょう。もし、これでも妨害行為が行われた場合はシステムのアップデートなどで対処しますが、その場合でも前述の通りハードフォークが必要ありません。
Tezos創設者「テゾス(XTZ)はリーダーがいないから成功する」ー仮想通貨ニュース
Tezosはスマートコントラクトを利用できるので、さまざまなプロジェクトに活用されることが期待されています。
2019年時点では、ブラジルのBTG PactualがSTOを実施する際のプラットフォームとしてTezosを利用すると発表しています。STOは今後ICOやIEOなどと同様に資金調達手段の1つとして活用されることが予想されるので、将来性に期待できるでしょう。
ブラジルの投資銀行BTG Pactual、Tezos(XTZ)ブロックチェーンでSTO推進を発表
さらにTezosは今後、DApps開発用プラットフォームとしても注目されるようになる可能性が高いといえるでしょう。
イーサリアムと同様にスマートコントラクト機能を持ち、ハードフォーク対策や開発コミュニティの問題などが優れているので今後DApps開発者から注目されるようになるかもしれません。
DAppsは今後も伸びていく分野と予想されるので、チェックしておきましょう!
dappsとは"ゲームや仮想通貨に使うアプリ",メリットから開発方法まで解説
2019年7月時点でTezosの取引高はMXCとBitMAX、Krakenで約70%を占めています。そのため、取引所で購入する場合はこれらの取引所を利用することになるでしょう。
しかし、Tezosは取引所で購入する以外にも「ステーキングに参加して入手する」という方法があります。ここではその方法について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Tezosではベーキングやデリゲードによって報酬を受けることができます。これによって購入しなくてもTezosを入手できるので、ぜひ参考にしてください。
ベーキングやデリゲートとは以下のようなものです。
ベーキングはマイニングと似たような意味で、デリゲートはマイニングを委託することと判断できるでしょう。
最大の特徴は実際にトランザクションを処理したベーカーだけでなく、それを委任したユーザーも報酬を貰えるというものです。これによって取引所で購入しなくてもTezosを入手できるので、うまく活用しましょう。
先程Tezosの価格予想を見ていきましたが、ここでは過去の価格をチェックしていきましょう。Tezosの今までの値動きは以下の通りです。
2017年にTezosのICOが行われた際のレートは1BTC = 5,000 XTZでした。1XTZあたりの価格を計算すると0.0002BTCです。
2017年11月、知的財産権を巡る内紛やプロジェクト延期に伴う投資家からの集団訴訟などがありました。
このときの価格の価格推移は以下の通りです。
2017年10月: 1 XTZ = 0.0005 BTC(2.41 USD)
2017年11月: 1 XTZ = 0.0002 BTC(1.68 USD)
BTCベースで60%下落、USDベースでは30%下落となりました。当時は仮想通貨市場自体が上昇トレンドにあったことを考えると、内紛やそれに伴う集団訴訟が価格に影響したと見ることができるでしょう。
TezosがKrakenなどに上場されてからの値動きは次の通りです。
全体的に下降トレンドにあった2018年~2019年第1四半期の値動きを見てみると、2018年11月に一気に下落した後にレンジ相場にはいり、2019年3月まで続いていることがわかります。
この時期のビットコインの価格を見てみると、1BTC = 7,000 USD程度だったものが4,000 USD程度にまで下落しているので、仮想通貨市場全体の下落によるものと考えられます。
2019年3月以降は少し上昇し、1 XTZ =1.6 USD程度でトレードされていました。2019年7月時点では1USD前後なっており、下降トレンドの只中といえるでしょう。
最後にTezosに関するさまざまな情報をチェックしていきましょう。Tezosの将来性などが気になっている人は、ぜひ参考にしてください。
Tezosを開発、推進する団体には「Tezos Foundation」や「Tezos Japan」などがあります。これらの団体の特徴を簡単にチェックすると、次の通りです。
Tezos FoundationはTezosを開発し、プロジェクトを運営している団体です。ICOを行ったのもここなので、聞いたことがある人も多いかもしれません。
アップデートに関する情報もTezos Foundationから発表されるので、定期的にチェックしてみてください。
Tezos Japanは日本国内においてTezosの普及活動を行っている団体です。主な目的はTezos関連のコミュニティを育成したり、ビジネス分野での普及を図るというもので、日本にTezosを普及させるための大きな役割を担うことでしょう。
Tezosに関する情報を日本語でチェックしたい場合はTezos Japanのサイトを参考にしてください。
Tezosの技術的な特徴は次の通りです。ビットコインやイーサリアムの欠点を補う技術が使われているので必見です!
TezosではコンセンサスアルゴリズムにProof of Stakeが採用されています。PoSはトークンの保有量が多い人ほどベーキングに参加しやすくなる仕組みで、Proof of Workで問題になっていた51%攻撃を防ぎやすいというメリットがあります。
なお、TezosのシステムはDPoSに近いものとなっており、保有者が他のユーザーにデリゲートすることによって権利を委任できます。
Tezosのブロックチェーンではハードフォークを防ぐために以下の3つのプロトコルを独立させています。
・ネットワークプロトコル
・トランザクションプロトコル
・コンセンサスプロトコル
この3つのプロトコルはいずれもブロックチェーン運用に必要不可欠なものであり、互換性を確保しています。
しかし、いずれかのプロトコルのアップデートが行われた場合でも他のプロトコルに影響しないようになっているので、ブロックチェーンが分裂しにくいといえるでしょう。
Tezosではトランザクション時のプライバシーを確保するためにリング署名という技術を採用しています。
リング署名とは複数のトランザクションデータを集め、リング状になっている公開鍵と秘密鍵で証明してトランザクションを処理します。これによって、どこからどこに送金されたのかを秘匿できるという仕組みです。
したがって、企業間送金などの匿名性が必要とされる分野での活用が期待されます。情報漏えいなどが問題になっている時代なので、将来性のある技術といえるでしょう。
今回は仮想通貨Tezos(XTZ)について詳しく紹介しました。Tezosはイーサリアムのようにスマートコントラクトを利用でき、既存の仮想通貨のデメリットへの対策を行っているため今後に期待できるブロックチェーンプロジェクトといえるでしょう。
内紛や集団訴訟などの問題もありましたが、取引所にも上場されるようになったので今後の発展にも期待できそうです。DAppsの開発やSTOプラットフォームとしての活用など、さまざまな用途で使われるようになるかもしれません。
今後の価格にも要注目なので、ぜひしっかりチェックしておきましょう!
20代男性、都内有名大学卒業後、貿易会社を経て独立。前職中に暗号通貨にハマる。現在はweb関連事業を行う傍ら、仮想通貨やFXトレードも兼業。好きなものはガジェット、ゲーム、自転車。暗号通貨や相場のことを分かりやすく説明することを得意とする。
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