ビットコイン(BTC)や暗号資産(仮想通貨)の一部には半減期があります。半減期とは、暗号資産(仮想通貨)をマイニング(採掘)するマイナー(採掘者)に支払われる報酬が半減する時期を指します。
半減期を設定する目的は、流通する通貨の数量を抑制し、価値を維持することです。流通する通貨の数量が増えすぎてしまえば、売り圧力が強まって需給関係が悪化し、価格下落につながります。
半減期を設定することによって、通貨の流通量をコントロールし、通貨の価値を維持できるのです。
前述のように、半減期とは暗号資産(仮想通貨)におけるマイニング(採掘)を行うマイナー(採掘者)に支払われる報酬が半減する仕組みです。
ビットコイン(BTC)をはじめとする多くの暗号資産(仮想通貨)は、過去のすべての取引が記録されたブロックが数珠つなぎになったブロックチェーンという台帳があります。
一つ一つのブロックは、取引の検証・承認を行うことで新たに追加されていきます。取引の検証・承認を行うことをマイニング(採掘)と呼びますが、この時、複数あるマイナー(採掘者)の中で最初に検証・承認を終えたマイナー(採掘者)に対し、報酬として一定の数量の通貨が支払われます。
マイナー(採掘者)に対して通貨が報酬として支払われる仕組みはPoW(プルーフオブワーク)と呼ばれ、ビットコイン(BTC)をはじめとする多くの通貨で採用されています。
過去に半減期を迎えた通貨を見ると、ビットコイン(BTC)などの通貨で価格上昇の傾向がありました。
ビットコイン(BTC)最初の半減期は2012年11月28日でした。当時は2012年年初の355円から1,305円まで上昇。
さらに前回の2度目の半減期は2016年7月9日でしたが、2016年年初の51,716円に対して、半減期を迎える約1か月前の6月18日には82,793円まで上昇。ビットコイン(BTC)の過去2回の半減期では、いずれも価格は上昇しました。
2017年の暗号資産(仮想通貨)急騰によって投資家は増加し、半減期に対する注目度はますます高まっています。ビットコイン(BTC)の次回の半減期は2020年5月頃に迎える予定ですが、半減期が近づくにつれてさらに注目されていくでしょう。
ビットコイン(BTC)と異なり、リップル(XRP)には半減期がありません。その理由は、リップル(XRP)にはマイニング(採掘)が存在しないからです。
リップル(XRP)は、Ripple Inc.(XRPの発行企業)が「バリデーター(多くは銀行や送金業者)」と呼ばれる取引の承認を行う専任者を任命します。ビットコイン(BTC)のようにマイナー(採掘者)は必要ありませんし、報酬も発生しません。
ビットコイン(BTC)ではPoW(プルーフオブワーク)という仕組みを採用していると説明しましたが、これに対してリップル(XRP)のバリデーターが取引を承認する仕組みを「PoC(プルーフオブコンセンサス)」と呼ばれます。
また、リップル(XRP)はすでに発行上限枚数の1,000億XRPが発行済みであり、市場に流通する数量もRipple Inc.が管理しています。これによって、流通枚数、即ち需給コントロールが可能となり、価格を維持するに一定の働きがあるのです。
次に注目されているのが、ライトコイン(LTC)の半減期です。ライトコイン(LTC)の半減期は、本記事執筆時点では2019年8月5日に予定されています。
前回の半減期は2015年8月25日でしたが、半減期が注目され始めた2015年6月の200円から、2015年7月10日にかけて1,100円まで約5.4倍上昇しました。
そして今年も、2019年年初の3,300円台から半減期が注目されるとともに買われ、一時は15,000円台まで上昇。年初からは約4.5倍上昇し、半減期に向けての価格上昇が大きくクローズアップされました。
ビットコイン(BTC)やライトコイン(LTC)などの通貨が、過去に半減期を向かえた時にどのように価格が動いたのか、チャートを元に振り返ります。
ビットコイン(BTC)はこれまで、2012年と2016年の2回の半減期がありました。それぞれの半減期の価格チャートを振り返ります。
ビットコイン(BTC)が最初の半減期を迎えた2012年は、価格は3.6倍まで上昇しました。
2012年年初は355円で始まり、5月までは300円台~400円台の狭いレンジで推移しました。しかし6月に入ると価格は上昇に転じ、7月には700円台まで上昇。その後も価格上昇は続き、8月には1,305円まで急騰して、年初からは3.6倍まで上昇しました。
その後は価格が乱高下して一時は560円台まで急落しましたが、半減期が迫るにつれて価格は持ち直し、11月28日の半減期に向けて再び1,000円台まで上昇しました。
しかし、11月に半減期を控える約3か月前の8月に価格はピークを迎えました。これを頭に入れて2度目の半減期を見ていきましょう。
ビットコイン(BTC)として2度目となる前回の半減期、2016年も価格は上がりました。
2016年年初は51,923円ではじまり、5月までは4万円台~5万円台の狭いレンジで推移しました。
しかし、半減期が迫る6月に入ると価格は上昇に転じ、6万円台、そして7万円台と年初来高値を更新。7月9日の半減期まで1か月を切った6月16日には81,966円まで買われ、年初からは57%上昇しました。
2度目の半減期も2012年と同様、半減期を迎える前に価格のピークをつけています。次回も当てはまるとは限りませんが、過去2回とも見られた傾向ですので、次回の半減期を迎えるにあたっても頭に入れておきましょう。
ビットコイン(BTC)の半減期への注目はさらに高まり、次回の半減期2020年も価格上昇が予想されます。
ビットコイン(BTC)の過去2度の半減期ともに、価格は上昇しました。特に前回の2016年から半減期への注目は高まっており、2017年には暗号資産(仮想通貨)投資家は大幅に増えました。投資家が増えたことで半減期への注目度も高まったと言えます。
次回2020年の半減期に向けても、半減期による価格上昇を狙った投資家の買い圧力が強まりことで、価格上昇を期待できるでしょう。
しかし、過去2度のいずれも半減期を迎える前に価格はピークを打っていますので、次回もこの点を頭に入れ、利益確定のタイミングを誤らないように注意しましょう。ポイントとして、半減期の1か月~2か月前に設定しておくとよいでしょう。
ライトコイン(LTC)の最初の半減期は2015年8月25日でした。チャートを元に振り返ります。
ライトコイン(LTC)として初となる2015年の半減期では、年初から3.5倍まで価格は上昇しました。
2015年年初は327円で始まり、その後は一時100円台まで下落しました。しかし、半減期まで残り2か月に迫る6月に入ると上昇に転じます。6月1日に201円だった価格は、ここから1か月程度で1,166円まで上昇し、この間の上昇率は5.8倍にも達しました。
注意すべきはビットコイン(BTC)と同様、8月25日の半減期を迎える前に価格のピークを打ったことです。今年の半減期も同様に注意が必要です。
ライトコイン(LTC)は半減期通過後に価格上昇に転じると予想されます。
今年のライトコイン(LTC)の価格推移は、6月26日に高値17,333円まで上昇し、今年年初の3,288円からはすでに5.2倍の上昇となりました。
前回2015年の半減期では、半減期を迎える約1か月前に価格のピークを打っていたことから、半減期を迎える8月5日までは上昇を期待するのは難しいでしょう。
しかし、半減期を通過した9月以降、マイニング報酬の半減による需給改善により、年末にかけて価格上昇が期待されます。半減期通過後は買いのねらい目でしょう。
ビットコインキャッシュ(BCH)は、2020年4月に初の半減期を迎える予定です。
ビットコインキャッシュ(BCH)は、2017年にビットコイン(BTC)からハードフォークして誕生しました。
そのため、半減期が設定されたブロックチェーンのブロック数に到達しておらず、まだ半減期を迎えていません。具体的な半減期到達の予想時期については、下記に説明します。
リスク(lisk/LSK)は過去に2度、半減期を迎えました。それぞれを価格チャートを元に振り返ります。
2017年年初は17円で始まり、2017年11月17日に迎えた半減期の1日前の16日には1,377円まで上昇。年初からの上昇率は81倍にも達しました。
2017年はビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)相場が全体的に盛り上がり、多くの通貨で史上最高値を記録しました。投資家が増加して多くの通貨に資金が流入して価格が上昇したように、半減期だけがリスク(lisk/LSK)の上昇要因ではありません。
しかし、半減期は価格上昇が期待できるイベントとして投資家からの注目を集めやすく、少なくとも2017年11月に500円台から1377円まで2倍上昇した動きには、半減期が寄与したと考えられます。
最初の半減期2017年とは対照的に、2度目の半減期では価格は下落しました。
2018年は、ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)が全体的に下落した年でもあり、リスク(lisk/LSK)についても例外はありませんでした。
コインチェックのハッキング事件なども相場環境を冷やし、資金流出が続いて投資家の関心が薄れていた中、半減期への注目も高まることはなく、リスク(lisk/LSK)は年間を通して価格下落が続きました。
2019年から2020年にかけて、半減期を迎える注目の暗号資産(仮想通貨)をご紹介します。
半減期に向けての価格上昇で利益を狙うには、具体的にいつ半減期を迎えるのかを抑えておく必要があります。
これまでの半減期のデータによれば、半減期を迎える前に価格はピークをつけるケースが多いです。売り時を逃さないように、それぞれの通貨がいつ半減期を迎える予定なのかをしっかり把握しておきましょう。
ビットコイン(BTC)の次の半減期は、本記事執筆時点で2020年5月19日に迎える見通しです。
ブロックチェーンのブロック数21万ごとに半減期を迎え、約4年に1回のペースで半減期に到達します。次回はブロック数が63万ブロック到達で半減期を迎えます。
▼ビットコイン(BTC)半減期到達時期の予測はこちらから確認できます
https://www.bitcoinblockhalf.com/
ライトコイン(LTC)の次の半減期は,、本記事執筆時点では2019年8月5日に迎える見込みで、すでにカウントダウンに入っています。
ブロックチェーンのブロック数84万ごとに半減期を迎え、約4年に1回のペースで半減期に到達します。次回はブロック数が168万ブロック到達で半減期を迎えます。
▼ライトコイン(LTC)半減期到達時期の予測はこちらから確認できます
https://www.litecoinblockhalf.com/
リスク(lisk/LISK)の次の半減期は,、本記事執筆時点では2019年10月15日に迎える見込みです。
ブロックチェーンのブロック数300万ごとに半減期を迎え、約1年に1回のペースで半減期に到達します。次回はブロック数が900万ブロック到達で半減期を迎えます。
▼リスク(lisk/LSK)半減期到達時期の予測はこちらから確認できます
http://www.liskdelegate.io/
モナコイン(MONA)の半減期は、本記事執筆時点では2020年8月20日に迎える見込みです。
ブロックチェーンのブロック数105万1,200ごとに半減期を迎え、約3年に1回のペースで半減期に到達します。次回はブロック数が210万2,400ブロック到達で半減期を迎えます。
▼モナコイン(MONA)半減期到達時期の予測はこちらから確認できます
https://monacoin.trance-cat.com/Satoshi:0.8.7.1/
ビットコインキャッシュ(BCH)の半減期は、本記事執筆時点では2020年4月8日に迎える見込みです。
ブロックチェーンのブロック数21万ごとに半減期を迎え、約4年に1回のペースで半減期に到達します。次回はブロック数が21万ブロック到達で、ビットコインキャッシュ(BCH)として初めての半減期を迎えます。初の半減期ということで、特に期待を集めると予想されます。
▼ビットコインキャッシュ(BCH)半減期到達時期の予測はこちらから確認できます
https://coinsalad.com/bitcoincash/halving
半減期は、価格上昇を期待できるイベントとして定着しつつあります。
今年のライトコイン(LTC)も半減期を控えて価格が上昇し、これまで以上に半減期に対する期待感は高まりを見せています。
2019年から2020年にかけては半減期を迎える通貨が多く控えていますので、それぞれの通貨の半減期到達時期をしっかりと把握し、トレードに役立てて下さい。
早稲田大学卒、幾多の投資会社やファンドを渡り歩いた金融家。株式15年、FX10年、仮想通貨3年の投資歴。アルトコイン中心に、各プロジェクトの進捗などファンダメンタル重視。また、株や世界マーケットと併せた分かりやすい分析も得意とする。空手黒帯、格闘家のメンタリティも併せ持つ心優しき相場人。
ビットコイン(BTC)は急落の値動きから揉み合い相場へ切り替わ...
コイン東京編集部 KAZE 2021/02/27
ビットコイン15%の反発を見せるも伸び悩み!ニューヨークダ...
コイン東京編集部 2021/02/25
米MicroStrategyがビットコインを10億ドルで追加購入|平均取...
コイン東京編集部 2021/02/25
ビットコイン(BTC)は100万円幅を超える下落!今後も下落の値...
コイン東京編集部 KAZE 2021/02/24
米決済大手スクエアがビットコインを追加購入|1億7,000万ド...
コイン東京編集部 2021/02/24
ビットコイン史上最高値更新から2日連続急落で約30%の下落!...
コイン東京編集部 2021/02/24
ビットコイン、テスラ株が乱高下|イエレン米財務長官の「極...
コイン東京編集部 2021/02/24