steemitとは、仮想通貨STEEMが運営する記事投稿サイトです。簡単に言うとFacebookなどと同じSNSとなりますが、コンテンツデータはブロックチェーンに保存される非中央集権型のSNSです。
steemitの特徴は、ブロックチェーンテクノロジーを活用して記事を投稿したり、あるいは記事を評価することで報酬としてトークンがもらえることです。
このトークンは、外部の取引所で売買することが可能ですから、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの通貨と交換することができます。
現状、Webメディアやブログのマネタイズ(収益化)では、広告がメインの収益源となっています。広告には当然企業などのスポンサーがついているわけで、投稿される記事の多くがスポンサーの意向に沿ったものにならざるを得ないという現状はご承知の通りです。
steemitは、非中央集権型のブロックチェーンネットワークを活用することで、スポンサーという中央集権付きの広告に依存しない新しい形の「記事の収益化」の方法を示すモデルとなります。
日本発の分散型ソーシャルメディアプラットフォームの仮想通貨ALISは、このsteemitを参考にして開発されました。トークンに多少の違いはありますが内容はほぼ同じで、steemitを日本向けに開発したものとなります。
2017年9月にICOを実施したALISは、当時のICOブームにも乗り4億円の資金調達に成功しています。
steemitとALISの違いは、STEEMは利用者に対する報酬の支払いを大きな強みとしていますが、ALISでは価値ある記事や人々に対してアプローチできることを強みとしている点で異なります。
ALISのプラットフォームにもユーザーに対する報酬制度は導入されていますが、あくまでも構造をシンプルにするためにトークンの種類は1つに限定されています。
ちなみに、2019年7月24日時点における時価総額ランキングでは、steemitは77位、ALISは1212位となっています。
仮想通貨の大半は英語対応となり、日本語には対応さえしていないところがほとんどですが、記事投稿サイトであるsteemitは日本語対応しているのでしょうか心配される方も多いでしょう。
ALISは日本向けですから、もちろん日本語で記事を投稿することが可能ですが、steemitも日本語で記事投稿することが可能です。steemitの記事にはハッシュタグが付いており、Instagramと同じようにタグから投稿が検索されるシステムになっています。
#Japaneseがないと日本人のユーザー認識がされません。Steemitは海外のサイトですから、日本人が見ないと日本語の記事は全く読まれない可能性もあります。
steemitの利用方法は、steemitにアカウントを解説し、その後に記事を書いて投稿すれば口座にトークンによる報酬が発生します。
アカウントの作成は、steemit公式サイトの「登録」をクリックします。英語、フランス語、中国語対応で残念ながらアカウント開設に日本語対応していませんが、英語対応で誰でも簡単に登録できます。
ユーザーIDとなるアカウント名を決めて「Continue」をクリックします。
その後、メールアドレスと電話番号の認証、電話番号はSNSで認証します。
これで会員登録は完了、物の1~2分というところです。
登録完了したところで、記事を投稿したいところですが、実はここから1~2日、最大7日間待たなければなりません。
数日待っていると、メールアドレスの確認メールが届きますので、ここのリンクをクリックすると登録完了となります。
従来のソーシャルメディアでは、コンテンツの提供者や読者は報酬を得ることはできませんでした。しかし、steemit上では投稿した記事(コンテンツ)が読者から評価されることで報酬を受け取り、また読者も評価に貢献することで報酬を受け取ることが可能です。
投稿した記事(コンテンツ)が人気化するほど報酬は大きくなる仕組みです。
upvoteとは、投票するという意味で、記事(コンテンツ)の提供者は、このupvoteによりコンテンツの報酬が決まります。また、読者のほうもupvoteすることにより報酬を得ることができます。
ただし、upvoteには2つの注意点が指摘されています。まず一つ目は、現在のsteemitでは投稿から7日(正確には6.5日)でupvoteは締め切られますので、それ以降のものはすべて無効になってしまいます。
古い記事でよい記事を見つけた場合には、その提供者の7日以内に投稿されている最新の記事にupvotteしてください。
2つ目は、steemitの投稿やコメントの報酬には$0.02という最低支払額が設定されています。従って、最低支払額に達していないコンテンツへのupvoteも無価値なものとなります。
この仕様は、おそらくは悪用防止かトランザクション軽減のためと思われます。
upvoteの2つの注意点については、Steem Upvote Bot Trackerのサイトで確認することができます。ここでは、upvoteをする際のすべての操作を行うことができます。
・稼いだトークンをsteemitから換金する
後述しますが、steemitからの報酬は、3種類の独自トークンで支払われますが、steemitから換金して現金化(日本円)にする場合には、STEEMを取り扱っている海外取引所でビットコイン(BTC)などに交換します。
さらに、交換したビットコインなどを国内取引所に送金し売却することで現金化(日本円)することが可能です。
steemitを利用する人の中には、仮想通貨からではなく記事(コンテンツ)投稿などへの関心から登録したという人もいるでしょうが、その場合には、報酬を換金するためには、STEEMを取り扱う海外取引所と国内取引所の2か所でアカウント作成する必要があります。
Steemitをインスタのように使うアプリ「Steepshot」が人気です。使い方は、他のアプリ同様にインストールしてアカウント作成するだけです。
人気の秘密は、steemitのサードパーティーであること、steemitをまるでインスタのようにつかえることです。もちろん、iOS/Androidともに対応しています。
インスタのように写真を投稿するとsteemitに掲載されます。記事(コンテンツ)と同じようにsteemitに掲載されるわけです。
ツイッターやインスタにアップした写真が、Steepshotにアップすると報酬が発生したりする可能性があります。特に、ツイッターとはアプローチ層が異なりますので、写真の使いまわしができそうです。
Steemitで得た報酬を管理するには、仮想通貨ウォレットが必要となりますが、仮想通貨STEEMを管理するなら「STEEM wallet」がおすすめです。
仮想通貨STEEMのためのウォレットであり、シンプルですが見た目も非常に良いです。「STEEM wallet」でできることは以下の4つとなります。
1.アカウントの作成
2.STEEM、SDBの送金/受金
3.アカウント管理
4.取引履歴確認
steemitの仕組みは、3つの特徴で構成されていますが、その3つの特徴をそれぞれ開設していきます。
SNSなどのソーシャルメディアは、無料で利用できるということで世界中で広く利用されています。ソーシャルメディアが無料で運営が可能なのは言うまでもなく広告収入があるからです。
このビジネスモデル自体には、無料という最大のメリットがあるものの、同時に広告主やスポンサーという中央集権が存在することになります。
steemitの大きな特徴の一つが、この広告に頼らないでソーシャルメディア運営できるという点にあります。
広告収入に頼らないsteemitでは、upvote(投票する)によって投稿記事(コンテンツ)提供者に報酬が発生し、また、投票する読者にも報酬が発生する仕組みとなっています。
steemitの報酬として支払われる3つのトークンについて解説します。基本的には、3つのトークンの相互作用によって成り立っています。
特質すべきは、STEEM Power(SP)で、その名の通りに、所有するだけで価値のあるトークンで、多く所有するほどコンテンツ投票権の比重が重くなり、同時にキュレーターとしての報酬額も大きくなるためより多くの報酬をもらえることが可能となります。
steemit内で基本に使われるのがこの通貨で、他の仮想通貨同様に取り扱いのある取引所で売買することが可能です。
ビットコイン等のように通常の仮想通貨の場合には発行上限数が決まっていますが、STEEMの場合には発行上限が決まっておらず、1年で発行量が倍に増えているのが実情で、そのインフレ率の高さから長期保有には不向きといわれています。
STEEM Power(SP)はsteemit内専用の通貨で、アカウント作成すると初めにもらうことができます。
steemit内の基本通貨であるSTEEMのそのインフレ率の高さからくる短期売買を抑制する意味からも導入されており、SPを所有することで利子として新規発行のSPを持つことができるようになっています。これを狙ってSTEEMからSPに換金する人も多いようです。
ただし、SPからSTEEMへの換金には時間がかかる仕組みとなっており、まず換金する量を決めたら、13週(約4か月)かけて換金量の13分の1ずつ交換されていくことになります。
このため、STEEMの発行量が増えるとSPも増えることになり(利子狙いの人が増える)、そうするとSPを使ったsteemit内でのリアクション(投票など)が活発に行われるようになり、良質な記事がユーザーの目につきやすくなるという効果も期待されています。
SMDは常に1SMD=$1のレートに固定されており、ドルの変動によって価値が決まります。SPはsteemit内でしか利用できず他の人に送金することはできません。SPを法定通貨にしておきたい場合にこのSMDに変換します。
SMDもSP同様に保管しておくことで新規発行のSMDがもらえますので、中期的に保管するのに適した通貨となっています。
最後に、steemitの基盤となる仮想通貨STEEMについて解説します。
STEEMの現在価格は以下の通りです。
STEEMは、2016年にビットコイン2.0の一つであるBitSharesの創設者Daniel Larimer氏と、北米で多くの食品輸入企業を所有するGellert Global Groupで事業運営をしていたNed Scott氏によって設立されました。
特に、BitSharesの創設者が開発に携わったということで人気を集めることになり、2016年当時には、時価総額ではビットコイン、イーサリアムに次ぐ3位になったこともあるくらいです。
STEEMブロックチェーンのコンセンサスは、権限委譲型のProof of Stakeで、ユーザーはコンセンサスを行うwitnessとよばれるユーザーを投票によって選出します。
投票では、前述のsteemit内専用の通貨SP(STEEM Power)の値が考慮され、ラウンド毎に21人のwitnessが選出されトランザクションの検証・ブロックの作成に携わります。
steemitのwitnessのリストはSteemit上で公開されていて、ユーザーはリスト上のwitnessに投票したり、新しくwitnessを推薦したりすることもできます。
このように事前にwitnessを選ぶことで3秒毎のブロック作成を可能にし、さらにBitSharesのGrapheneを利用することで、Steemのネットワークは秒間10,000トランザクションを処理できるといいます。
すでにSTEEM上には500近い数のアプリが作られています。steemit以外にも、「esteem」「dlive」など多くのアプリ開発プロジェクトが進行しています。
芸能人など、よほどのインフルエンサーでもなければSNSから広告収入を得るのは難しいでしょうが、ブロックチェーンベースの「steemit」は普通の人でも記事を投稿したりすることで報酬がもらえるという一見革新的なシステムです。
SPの保有量によって報酬が決まりますので、新規参入組やタイトユーザーにとっては不利な面もありますが、逆に、3つのトークンの仕組みはしっかりしており、趣味と実益を兼ねて「ブログを書く」ということから始めてみてはいかがでしょうか。
20代男性。都内名門高校卒業後、ベンチャー企業を経てコイン東京へ。二次元好きのセミプロゲーマー、好きが嵩じて仮想通貨やDappsゲーム、ブロックチェーン技術の世界にハマる。ゲーム知見と理数的素養から、最新の技術もカバーしつつ、プロジェクトの情報収集や分析を最も得意とする。
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