ペトロはベネズエラの豊富な石油資源に裏付けられた政府主導の仮想通貨です。政府は国内外でペトロの普及に取り組んでおり、国内インフレの克服と米国の経済制裁の迂回を試みていると考えられています。
銀行から公式発表はありませんが、既にベネズエラ銀行の顧客アカウントの管理画面に仮想通貨ウォレットが設置されています。現在のところ、ユーザーは公式のWebウォレットを介してペトロのみを送金でき、Amberes、Bancar、Criptolagoなどの指定された仮想通貨取引所でビットコインやイーサリアム等と交換できます。ペトロは1トークンあたり約60ドルです。
現時点では、ベネズエラ銀行のウォレットはペトロのみをサポートしています。しかし、ドロップダウンメニューが設けられており、将来的に他の暗号通貨をサポートする可能性が見受けられます。
ベネズエラ銀行の動きは、国で仮想通貨の使用を促進する政府主導の計画に沿っています。マドゥロ大統領はベネズエラ銀行の全国の支店にサポートデスクの開設を命じ、9億2,400万ボリバル(約1550万円,)の予算を組みました。政府は仮想通貨ウォレットをベネズエラの若者100万人に配布する見込みです。
ベネズエラ銀行によるペトロ・ウォレットの導入は、銀行で仮想通貨をフィアットに交換できる可能性を示唆しています。今年3月、ベネズエラの仮想通貨の監督機関Sunacripは、仮想通貨の取引を管理するサイト「Patria-Remesas」を開設しました。Patriaを介してベネズエラに住む成人は、ビットコインとライトコインを送金できます。
ベネズエラ政府はインフレ率1,000,000%とされる経済危機に対処するため、昨年8月に新通貨ボリバル・ソベラノを発行しました。旧通貨ボリバルから「ゼロ5つ」のデノミネーション(通貨切り下げ)を実施、同時に仮想通貨ペトロにペッグされた新通貨ボリバル・ソベラノを流通しました。10月に政府ポータルを通じて国民に仮想通貨ペトロの販売を開始し、国民のペトロ購入を促進しました。
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