―コイン東京
ありがとうございました。確認したいことが一つあるのですが、日本にはブロックチェーンに関するスキルを持っている才能のある人材がたくさんいると先ほど平山さんはおっしゃいましたが、それは本当でしょうか。
私は今までたくさんのプロジェクトを見てきましたが、それらに関わっていたのはベトナム人が多かったです。平山さんは実際にたくさんの才能のある人を見かけたことがありますか。
―平山さん
プロジェクトによると思います。ただ私が聞いたところではマレーシアやシンガポールにはとても有能な人が多くいるそうですね。特にイーサリアムベースのDappsの開発をしているところでは強い人が多いそうです。
ちなみにベトナムはAIエンジニアには有能な人が多くいるとも聞いたことがありますが、日本の企業でもベトナムに研究ベースを作る事例もありますね。
―トムさん
それに関して少し言い加えたいことがありますが、それはコストの問題だと思います。例えば、日本ではエンジニアの費用はフィリピンやベトナムより高いので、才能のある人がアプリケーションを作っている限り、開発のステージをアウトソースしても良いかもしれません。
才能のある人を日本で見つけれるかどうかというのもありますが、そのコストの問題もあります。日本で開発するより海外の会社に任せる方がお得な場合がありますね。
―コイン東京
確かにそうですね。
―トムさん
それにエンジニアはいつでももっと儲けられる会社に移動できるのです。
―平山さん
…しかし、日本人の会社員は転職をあまりしないですね。それは日本の文化でもありますが。ある才能を持っている人、特にリサーチ会社やSony、PanasonicやNECのような製造会社に勤めている人は潜在能力があると思いますが・・・
―トムさん
それが私たちがSBIとの協力を始めた理由です。彼らは才能のある人を釣込む力、またはそういう人をキープする力があります。R3はその力を真似するより、もしくはIBMやGoogleと競争するよりSBIと協力するのがより好都合でした。彼らはもう上手な開発者やエンジニアがいるからのです。
―コイン東京
最後に日本に関してもう一つの質問があります。
日本からの視点と海外の視点を知りたいのですが、日本に関する意見は双極世界のように分かれています。多くの人は、特に東南アジアの国々の人は品質の高い日本に憧れています。
それに対して日本は遅れているという考えもあります。メンナーさんと平山さんにとってはブロックチェーンだけではなく分散型台帳技術のことも考え、日本は何があるか、何を提供しているか教えていただけないでしょうか。
―トムさん
私の意見としては日本は早くから暗号通貨を適応し始めましたが、マウントゴックスのような事故に苦しんできました。それで発展が遅くなったと思います。今はブロックチェーン技術に関しては悲観論よりも今後注目すべきという意見が見られるようになりました。それに、日立や富士通のような日系企業は間違ったことをしていると思います。
何かというと彼らはFabricをダウンロードし、そして自分達のバージョンを作ったのです。もし私がIBMであれば、彼らは自然に私のライバルになります。彼らはCordaのような違うプラットフォームではなく、別のFabricを作って日本企業に提供しています。そのような環境で競争するのはより難しいと感じます。
また、これは私の日本と韓国に関する気づきですけど、彼らが見ているユースケースは国内だけを意識しています。例えば、Macro PoloやTradeLensのような貿易金融コンソーシアム、銀行間支払いのためにJ-コインのようなものの創造に集中しがちだということです。しかし、最近は業界の進化が見られます。暗号通貨に対する批判の声はだんだん静まり、その代わりにサプライチェーン、貿易金融、またはデジタル化された資産さえに関係するプロジェクトに興味が表れています。
それはR3と私たちのパートナーのSBIが最近日本人のお客様と行っていた話し合いのテーマです。
―コイン東京
ありがとうございました。では、平山さん、企業の世界でのブロックチェーンの適応についてコメントをしていただけないでしょうか。
―平山さん
日本には大きなチャンスがあると思っています。Suicaなど電子マネー、楽天などのポイントという文化が最も根付いていて、送金も簡単という環境もあって適応が速いと考えられます。ただ規制が厳しいという問題もあります。ただSTO(セキュリティトークン)やステーブルコインなどでは大きなポテンシャルがあると思います。
ただ、多くの部分で成熟した仕組みがあり、変化することにコストがかかるなど抵抗があって難しい面もあります。
―トムさん
このパネルをポジティブに終わらせるように良いニュースというわけでもありませんが、私たちは日本で活動しており、今はいくつかのパートナーと協力して今後面白い結果をお届けできると思います。特にデジタル化された資産のプロジェクトはそうです。ぜひその報告を楽しみにしてください
―コイン東京
楽しみですね! パートナーと呼ぶのはどういった意味でしょうか?そのパートナーはよく知られている大企業とかでしょうか
―トムさん
そうですね。R3のビジネスモデルはその業界ですでにエコシステムを持つパートナーのシステムに基づきますからパートナーと呼んでいます。つまり、パートナーのエコシステムの中で活動しています。R3はその中でCordaのプラットフォームを構築するだけです。
たまにそれに関わるコンサルティングもしていますが、それ以外のソリューションなどを提供していません。そのためソリューションの部分は他社に頼ることとなり、その範囲は場合によって異なります。
例えばAccentureは何かに応じて他のものを作っている場合がありますが、それに対してFinastraのようにCordaプラットフォームの上に何か加え私たちがそれをサービスとして売っている場合もあります。例えばシンジケートローンはそうです。
私たちのパートナーの中には中小企業と大企業があります。例えば、1~3人しかいないような小さなパートナーもいます。しかし彼らは私たちが今まで探していた、驚くべきソリューションを作っています。私たちが支援すべきか確認したところその応答は非常にポジティブだったので、そのパートナーにそれを続けてくださいと伝えました。
そのために年末までには公式…まぁ、必ずしもすべては公式ではないと思いますが、何かが発表されると思います。あるアナウンスは公式で、あるアナウンスはCordaのエコシステムの追加機能としての発表という形になります。それらはデジタル資産に関わっている分野で非常に役に立つと思います…このプロセスでIBMを破壊します。(笑)
―平山さん
IBMでは既存の仕組み、これからの未来の仕組みを構築しようとしていて、ハイブリッドなシステムとも言えます。
―コイン東京
本日はありがとうございました。
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