最初に、ディセンディングトライアングルとはどんなパターンなのかをチェックするとともに、エントリーポイントの見分け方と注意点を紹介します。ディセンディングトライアングルをトレードに活かしたい場合は、ぜひ参考にしてください。
最初に紹介するのは、ディセンディングトライアングルとはどんなチャートかというポイントです。ディセンディングトライアングルをエントリー判断に使いたい場合は、チャートの形をしっかり覚えておきましょう。
下降トレンド中にディセンディングトライアングルが形成される場合、一時的に買い注文が増えていることを示しています。一見するとレンジ相場に移行したようにみえるかもしれませんが、サポートラインで跳ね返されつつも高値が切り下がってくるのでよく見れば判別できるでしょう。
ディセンディングトライアングルが出現した場合は、買いの注文が増えてくることによってサポートラインが形成されます。しかし、全体を見ると徐々に高値が切り下がってくるので売りの力の方が強いといえるでしょう。
このときの市場心理を考えると、「高値が切り下がって来ているのでいずれブレイクアウトしそうだ」と判断する人が多いと考えられます。したがって、値幅が狭まってくるかサポートラインをブレイクアウトするまで様子見すると判断する人が多いでしょう。
そのため、ディセンディングトライアングルを利用してエントリーしようと考えている人は、この市場心理をしっかり覚えてエントリーポイントを探ることが大切です。
通常、ディセンディングトライアングルが形成された場合はサポートラインをブレイクし、強い下降トレンドが始まるという動きをすることが多くなっています。
しかし、場合によっては上記のチャートのようにアセンディングトライアングルを形成しているように見せかけてトレンドラインをブレイクアウトし、上昇トレンドに転換することもあります。
そのため、順調に高値を切り下げずに直前の高値を更新した場合は注意が必要です。順調に高値が切り下がってこない場合はトレンド転換の可能性が考えられるので、エントリーを見送ったほうがいいかもしれません。
また、ディセンディングトライアングルと間違いやすいチャートパターンに「下降ウェッジ」というものがあります。
下降ウェッジとはこのように高値・安値ともに切り下がり、徐々に値幅が狭まってくるチャートパターンです。ディセンディングトライアングルはサポートラインに支持されているので下値が水平になるものの、ウェッジの場合は下値も切り下がってきているので注意が必要です。
下降トレンド中に下降ウェッジが発生した場合は、これまでの下降トレンドが転換して上昇トレンドに転換する可能性があるので注意してください。
他のチャートパターンと同様に、ディセンディングトライアングルにもダマシがあり得るので注意してください。
上記のチャートのように、下値がサポートラインに支持されつつ高値も順調に切り下がっていながらトレンドラインをブレイクして上昇トレンドに転換することがあります。
ディセンディングトライアングルを形成中と判断できるタイミングで、直近の高値を更新した場合や終値がトレンドラインを上回った場合はダマシになる可能性があるので十分に注意してください。
上記のチャートでも、終値がトレンドラインを上回ったタイミングで上昇トレンドに転換していることがわかるでしょう。もし、ダマシの危険性が高いと判断できたらエントリーを見送りましょう。
すでにエントリーしていた場合はしっかりストップロスの設定をすることをオススメします。
ディセンディングトライアングルがチャート上に形成された場合は下降トレンドが始まる可能性が高いと判断できますが、他の指標と同様に勝率は100%ではありません。
そのため、前述のダマシや見間違えやすい下降ウェッジなどに注意しつつエントリーポイントを判断してください。もちろん、予想外の動きをすることもあるのでストップロスの設定も重要です。
続いてディセンディングトライアングル形成時にエントリーする場合のポイントを見ていきましょう。適切なタイミングでエントリーするためにも、エントリーポイントの見分け方をしっかり覚えておいてください。
基本的なエントリーポイントは以下の通りです。
基本的に、いずれの場合でもトレンドフォローのエントリーがオススメです。それでは、1つずつしっかりチェックしていきましょう。
ディセンディングトライアングルでエントリーする場合、最も有名なエントリーポイントは「終値がサポートラインをブレイクしたタイミング」です。このタイミングは比較的ダマシも少ないので、初心者にもオススメです。
より利益を出したい人にオススメのエントリーポイントが「値幅が狭まってきてそろそろサポートラインをブレイクしそうだと判断できるタイミング」です。
ただし、このタイミングは前述のタイミングに 比べてダマシに引っかかる可能性が高いので、エントリーする場合はストップロスの設定を忘れないようにしてください。
もし直前の高値を切り上げた場合や、レジスタンスラインとして機能するトレンドラインをブレイクした場合はダマシの可能性が非常に高くなります。
続いてディセンディングトライアングルでエントリーした場合の利確ポイントをチェックしておきましょう。利確のタイミングで迷ってしまう人は、しっかり覚えておいてください。
有用な利確ポイントの1つが、上記のチャートのようにサポートラインをブレイクしてから「ディセンディングトライアングル開始時からサポートラインまでの値幅と同じだけ価格が下がったタイミング」です。
上記のようにチャートにわかりやすいラインを引いておくと利確タイミングを判断するのに役立つでしょう。終値が引いておいたラインに近づいたタイミングで利確するのがいいでしょう。
ディセンディングトライアングルを形成している下降トレンドラインは、通常ブレイク後はレジスタンスラインとして機能します。そのため、このラインがレジスタンスラインとして機能しなくなった瞬間は利確タイミングの1つといえるでしょう。
上記のチャートでは下降トレンドラインがしばらくレジスタンスラインとして機能していたものの、終値がレジスタンスラインをブレイクしたタイミングがあります。ここもオススメの利確ポイントなので、あらかじめラインを引いておきタイミングを逃さないようにしましょう。
ここではディセンディングトライアングルを実際に使う際に注意しておきたいポイントをいくつか紹介します。
前述の通り、ディセンディングトライアングルと下降ウェッジはしっかりチェックしないと見間違えてしまうことがあります。
ディセンディングトライアングルは下降トレンドが開始するサイン、下降ウェッジは上昇トレンドが開始するサイン(下降トレンド中に発生した場合)なので、この2つを勘違いすると大きな損失が出る可能性があります。
そのため、以下のポイントをしっかり覚えておきましょう。
このポイントを注意してチェックすれば勘違いすることを防げるので、チャートを見る際にはラインを引くなどしてはっきり見分けられるようにしてください。
ディセンディングトライアングルも他の指標と同じようにダマシが発生することがあります。ダマシに対象するためにも以下のポイントをしっかり押さえておいてください。
特に値幅が狭まってきたタイミングでダマシが発生しやすいため、エントリーする際にはしっかりチャートの状況をチェックすることをオススメします。
念の為に、エントリー時のトレンドラインのやや上にストップロスの設定をしておくのもいいでしょう。
また、ダマシに引っかかりにくいようにするためには「明確にディセンディングトライアングルを形成していると判断できる場合のみエントリーする」のがオススメです。
一見するとディセンディングトライアングルに見えるものの、よく見ると条件を満たしておらずただのレンジ相場ということもあります。
ディセンディングトライアングルに見えるチャートを見つけた場合は「下値が水平で高値が切り下がる」という基本原則を満たしているかをチェックしましょう。
高値が順調に切り下がらず、上がったり下がったりしている形がよく見られるので注意が必要です。この場合はその時点で将来どちらにブレイクするのかを予想するのは難しいでしょう。
今回紹介したディセンディングトライアングルは「三角持ち合い」と呼ばれる相場状況の一種です。三角持ち合いには他のパターンがあるので、あわせて覚えておくことをオススメします。主なパターンは次の通りです。
それぞれの特徴について簡単にチェックしておきましょう。
シンメトリカルトライアングルとは、「上値が徐々に切り下がり、下値が徐々に切り上がる」パターンの三角持ち合い相場です。
このパターンが発生した場合は、それまでのトレンドがそのまま継続する可能性が高いといえます。そのため、エントリーする場合はトレンドフォローが鉄則です。
値幅が狭まってきたらブレイクが近いと考えられるので、チャートに注目しておきましょう。
アセンディングトライアングルは「上値が水平(レジスタンスラインを形成)で、下値が徐々に切り上がる」パターンのチャートです。
これが発生した場合は上昇トレンドが始まる可能性が高いので、買いのエントリーが最適です。エントリータイミングの基本は終値がレジスタンスラインをブレイクした瞬間なので、しっかりチェックして逃さないようにしましょう。
アセンディングトライアングルについては以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
アセンディングトライアングルとは-エントリーやだましなどチャートの注意点を解説
ディセンディングトライアングルはこの記事で紹介した通り、「下値が水平(サポートラインを形成)で、上値が切り下がる」タイプのチャートパターンです。
エントリータイミングや注意点は前述のとおりなので、しっかり覚えておいてください。
この記事では、三角持ち合い相場の一種「ディセンディングトライアングル」について詳しく紹介しました。ディセンディングトライアングルを形成中のチャートを見つけ出せれば、トレンドフォローで利益を出せる可能性があるので積極的に狙っていくのがオススメです。
もちろん、ダマシが発生することもあるので油断は禁物です。エントリーするタイミングやダマシになりやすい状況、利確に最適なポイントをしっかり理解して上手くトレードしていきましょう!
20代男性、都内有名大学卒業後、貿易会社を経て独立。前職中に暗号通貨にハマる。現在はweb関連事業を行う傍ら、仮想通貨やFXトレードも兼業。好きなものはガジェット、ゲーム、自転車。暗号通貨や相場のことを分かりやすく説明することを得意とする。