報告によると、クラシカル(一般的)なベスト量子コンピュータで1万年かかる計算を、グーグルの量子コンピュータが3分20秒で解いたという。ニューサウスウェールズ大学の物理学者ミシェル・シモンズ氏は「グーグルは、実世界のシステムで量子高速化を達成できるという最初の実験的証拠を示したようだ」と証言した。
一方、IBMのリサーチャーは、「スーパーコンピューターがシステムメモリに保存可能なデータ量に制限されている」と指摘して、グーグルの発表を「誇張」と批判している。独自の方法を使用して2日半で同じタスクを処理するスーパーコンピューターをプログラムできると述べた。IBMは今年1月に世界初の商用量子コンピュータ「Q System One」を発表していた。
量子コンピューターは、従来のコンピューターでは解決不可能な複雑な演算も可能なため、ビットコインのマイニングにおける数学的問題を解く場合にも、遥かに優位であると見做されている。128ビット暗号の公開鍵を使用して秘密鍵を発見する計算には、今日のコンピュータで10.79京年かかるが、量子コンピュータでは6か月以内に破られるという。
ベストセラー「マスタリング・ビットコイン」の著者で仮想通貨リサーチャー・アンドレアス・M・アントノプロス氏は、過去の動画で一つの考え方を提案している。
アントノプロス氏によると、量子コンピューティングの脅威は、それが単一のアクターに利用可能で、他者に利用不可能な場合にのみ現実となる。つまり、量子コンピュータが誰でも利用できるのであれば、ビットコインネットワーク全体が同時にアップグレードされ、脅威にはならないという。例えば、現在採用している暗号ハッシュ関数「SHA-256」は、「クオンタム256」や「量子ハッシュ」とか言った物になるかもしれない。
well plus it's super weak power 20-bits, coherence for ~100 ms (read article for details). a 1972-era intel 8008 the first ever 8-bit processor, with clock speeds up to 500 Khz (about 4 orders of magnitude lower than current and several more orders weaker from multi-cycle ins)...
— Adam Back (@adam3us) January 10, 2019
ビットコインのPoW(プルーフオブワーク)で使用されるアルゴリズム「Hashcash」の考案者で、暗号学者アダム・バック氏は別の見解を提供している。ブロックストリーム(Blockstream)社CEOのアダム氏はIBMのスパコン「Q System One」の100マイクロ秒の持続時間と20Qbitの計算能力は、従来のコンピュータと比べても力不足だと説明した。同氏の見解では、IBMのシステムは将来アップグレードできる事を加味しても、数十年は従来型のコンピューターが市場を支配する。
アダム氏は、ビットコインの開発に言及した。次の10年間に、多くのプロトコル開発者は量子耐性のある技術(Schnorr、集約可能なスペース、検証コスト署名等)に取り組んでおり、新たな署名方式は段階的に追加されると述べた。具体的なロードマップは不明だが、アダム氏は、「ビットコインは静かに、そしてゆっくり品質調整を経る」と述べた。
My one-sentence impression of recent quantum supremacy stuff so far is that it is to real quantum computing what hydrogen bombs are to nuclear fusion. Proof that a phenomenon and the capability to extract power from it exist, but still far from directed use toward useful things.
— Vitalik Non-giver of Ether (@VitalikButerin) October 24, 2019
イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は量子コンピューターの研究を水爆実験に例えている;
「量子超越性に対する実際の量子コンピューティングの関係は、核融合に対する水素爆弾のようなものだと考えている。力を引き出す能力が存在するという証拠と現象はあるが、有用な物への直接的な使用にはほど遠い。」
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