中国のオーストラリア牛の輸入量は過去10年間でほぼ倍増したが、「フェイクステーキ」はさらに一般的しつつある。PwCのアグリビジネスリーダー、クレイグ・ヘラフティ氏は指摘する。
中国の業界関係者は、オーストラリア牛肉10キロあたり1キロしか「オーダー通り」と見ていない。ブリスベンのBeefledger社のワーウィック・パウエルCEOによると、中国関係者の主張は「起源国が異なる」、「主張された部位の切り身ではない」、「そもそも牛肉ではない」と様々だ。
北京のEコマース企業Liberty Postのキャサリン・リー氏によると、食品詐欺は中国の消費者の信頼を損なう大きな問題に発展している。
「中国では、オーストラリア産の牛肉を装った安価な製品を使用する偽造食品のリスクが非常に高まっています。」
Beefledger社は、11月後半に中国でブロックチェーンプログラムを導入し、オーストラリア産牛肉の購入客が届いた製品の起源を確信できるようにする。システムは肥育場から食卓まで、牛肉サプライチェーンの全プロセスを検証する。
お肉の部位、健康状態、輸送、処理に関する情報は、サプライチェーンの各ポイントでブロックチェーンインターフェイスにアップロードされる。
Beefledgerのデジタルシステムはスマートコントラクトを使用することで、現在の偽造されやすい信用状を置き換える。この動きは、政府と業界の共同研究センターFood Agilityの支援を受けている。
「ブロックチェーンは、多くの人々がデータ承認に関与するコンセンサスプロセスを通じてデータを保存する分散型テクノロジーなので、後で変更やすり替えは非常に困難です。」(パウエル氏)
Beefledgerのシステムは、輸送状態を追跡するデータを保護し、保存・使用期限を正確に予測し、消費者と生産者を結び付けることができる。また、新たに確立された仮想通貨を通じてインセンティブを提供することで、サプライチェーンのメンバーに正し行動を促すことができる。Beefledgerネットワークは、BEEFトークンを運用する。
同社は、11月18日から中国6都市のロードショーでハイテクシステムを紹介する。
PwCのクレイグ・ヘラフティ氏は、Beefledgerの仕組みを称賛すると同時に「それでも代替可能な部分がある」と警告した;
「サプライチェーンの中で最も弱い箇所はブロックチェーンや技術ではなく、ラベルをパッケージに貼る粘着テープだ。詐欺師の立場で考えれば、ラベルやQRコードをコピーできる場所を確認する必要があるだろう。」
「Beefledgerを指しているわけでは無いが、トレーサビリティの錯覚は、不安のあるトレンドです。」
これに対処するには、ブロックチェーン企業と食料品店が協力して、スーパーマーケットの棚に並べる前に商品ラベルの物理的な改ざんを防ぐソリューションを考案する必要がある。または、アメリカの製造会社3Mは、ラベルが変更された場合に目に見える形で変化するラベルを製作しているようだ。
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