ビットコインの主要な開発組織Blockstreamは、15組織に管理されるパーミッション(許可)型のブロックチェーン「Liquid Network」を昨年末にローンチした。今年5月には、仮想通貨取引所BitfinexやDMMビットコイン、TaoTaoを含む14の新規メンバーがLiquid Networkへの加入を表明。ビットコインと1:1で交換可能な「Liquid Bitcoin(LBTC)」が、参加プラットフォーム間でわずか2分以内に転送できる構想だ。
ピシテッロ氏によるとLiquidの利点は『機密取引』。トランザクションの多くの情報を秘匿にできる。Liquid上で大量のビットコイン(L-BTC)を取引所間で移動しても、誰にも気づかれない。
「機密取引は、競合や取引相手に事象を報せないようにする上で非常に重要です。多くの投資家はツイッターのWhale Alertを知っています。仮に一意のユーザーがBitfinexに1万BTCをデポジットして承認完了を待っている間、市場の投資家は先に売却することができる。すると価格は下がり、最終的に自身の情報漏えいのためにユーザーはポジション(1万BTC)の収益を損ねてしまう。」
エクスプローラー「blockstream.info」を見ると、アドレスと機密(Confidencial)だけが表示されている。Liquid上のトランザクション表示で金額はシールドされ、暗号化された証明を使用して検証される。
また、実際にはビットコイン(L-BTC)ではなく、Liquid版テザー(L-USDT)や他の資産を送信している可能性もある。Liquid上では、誰でもビットコインを裏付けに『機密資産』を発行する事もできる。
「投資家が多くのセキュリティトークンを購入する場合、例えばアップル株のトークンの購入情報を、他者に知られたくないかもしれない。他人があなたのアドレスを知っていても、彼らはあなたが何を受け取ったかを知ることはできない。」(ピシテッロ氏)
7月末にBlockstreamは、Liquidネットワークでサポートされるすべての資産にアトミックスワップを実行できるツールをリリースした。仮想通貨取引所Bitfinexの他に、BTSE、BTCTrader、BtcTurk、OKEx、OKCoin、RenrenBit、Sideshift AIなどのLiquidメンバーが「Liquid 版テザー(USDT)」の有効化に取り組んでいる。
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