―仮想NISHI氏
APIの共通化は、監督庁に対して、取引履歴が明確化されることにより、仮想通貨を有価証券と同じ、特定口座(税率20%)を主張する際の材料になるとも思っています。
その上、日本の仮想通貨取引所API共通化による利益は、取引所に対して最も出来高を供給するbotterに対してフレンドリーであるし、サードパーティがアプリを作ることが容易になり、新たな宣伝効果も生まれます。
例えば、サードパーティである『DECOCHART』が採用しているBitMEX、BitFinexは我々を認知していないですが、我々は彼らの取引所の宣伝にも繋がっています。
APIは、いわばUSBのようなもので、差別化するものではなく共通化することにより価値が上がるものです。
―コイン東京
なるほど、API共通化のメリットは確かに多いですね。
―仮想NISHI氏
日本の仮想通貨取引所はAPIで競争するのではなく、提供する商品の中身で勝負して欲しい。これが、日本の取引所の健全な発展を促すと私は信じています。
しかし残念なことにヒアリングベースでは、JVCEA、JBCAも意見集約に対してまともに機能していないという状況です。もちろんこれには各社個別の事情があるのだと思います。
そこで私は考えた。WTO(世界貿易機関)のFTAルールのように、似た形式の取引所同士をくっつけていき、最終的にはFTA軍団同士の互換性をもたせることにより全体で互換性を持たせること。そして、仲裁役には各社に対して利害関係が少なく、かつ税金のスペシャリストである、仮想通貨会計ソフト会社に担ってもらうことを。
―コイン東京
『DECOCHART』『TASKAL』に携わっているからこそ、仮想通貨取引に関する”問題点””解決策”が見えるのですね。
―仮想NISHI氏
現在、DECOCHARTはありがたいことに2万人以上の方にダウンロードして頂いています。私はDECOCHARTの考案者として、積極的に採用する取引所については、出来高で判断するのではなく、ユーザー目線なAPIを用いる取引所にします。
また、この計画は大型FTAであるTPPと同じく、賛同が遅れれば遅れるほど、機会損失が膨らみ、調整コストがかかることを、この場を借りて伝えておきます。
―コイン東京
ちなみにですが、API共通化はこれから実際に各取引所に当たっていくのでしょうか。
―仮想NISHI氏
もう既に動き出しています。大変ありがたいことに、現在API共通化に対して2社が内定、また積極的に参加したいという1社が手を挙げてくださっている。
たしかに「レバレッジ2倍問題」「複雑な税制の続行」など、仮想通貨業界には逆風が吹いていますが、API共通化が打開策のカギとなると確信しています。