COIN TOKYO

  • 2020/01/14
  • 2020/01/21
  • コイン東京編集部

前日本内閣総務大臣政務官の浜田和幸氏にインタビュー!Global Blockchain Leaders Summitにて

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左から: ZG.COM CEO - Zhao Changyu、前韓国首相- Han Seung-soo、前日本内閣総務大臣政務官 -浜田和幸
Global Blockchain Leaders Summit (GBLS) にて、前日本内閣総務大臣政務官の浜田和幸氏にインタビューを行いました。GBLSはZG.COMのサポートによって催され、1000のブロックチェーンリーダー、2000のメディアが集まりました。

―コイン東京
浜田さんがブロックチェーンを知ったキッカケを教えて頂けますか。


―浜田氏
私がブロックチェーンに注目したのは今から3年前です。それまではビットコインは短期的に値段が乱高下する、非常に投機的なものとして認識していました。

しかし、ブロックチェーン関係の方と意見交換をする機会があり、その中で仮想通貨の基盤となるブロックチェーンという技術は、将来的に金融の仕組みを変えるのではないかと感じるようになりました。

中でも中国はリスクを厭わず新しいビジネスに取り組んでいる人が多いということを知り、一緒に研究会を行う機会を増やしていたのです。その研究会の中で、デジタルジャーナルという日本でブロックチェーンやIoTを専門にしているメディアを運営している企業のリー・チェンさんという方と知り合いました。

その方は「日本はもっとブロックチェーンに対する理解を深めるべき」だと常日頃から考えており、今から約2年前に日中合同ブロックチェーン協会が立ち上がりました。私はそこの理事長として、世界中に研究が進むブロックチェーンの情報を広く収集し、政府や企業とタイアップしていけるような活動を行っています。

―コイン東京
なぜ日本のリテール層の投資家が増えたと思いますか。


―浜田さん
日本ではお金に対する信用度が、中国や韓国と比べて高いものがありますよね。偽札やオレオレ詐欺などお金にまつわるトラブルは勿論ありますが、基本的には日本銀行が裏付けをした通貨に対する信頼度は高いです。

ですので、いわゆる投機筋というものは比較的少なかったんですよね。しかしバブルが崩壊して失われた10年が失われた20年、失われた30年になりかねない状況となって、日本はこのまま沈没してしまうのではないかと国民の間で閉塞感が広がってしまいました。

そういった中で「イノベーションを産むために活動しよう」という気概を持った方たちが増えてきたのではないかと思います。

―コイン東京
そのキッカケがブロックチェーンだったのですね。


―浜田氏
そうだと思います。日本の伝統的な金融機関は慎重な姿勢を取っていましたが、金融庁が音頭を取ったことで、大手銀行も独自のブロックチェーンを検討するようになってきていると思います。そして社会的な認知も広がってきました。

―コイン東京
金融庁は世界に先駆けて仮想通貨に関する法律を制定したと思うのですが、1年前まではリテール層が非常に舞い上がって、企業は逆に訝しんで…という二極化が進みましたね。加えて、その二層が意見を交換する場もなかったという印象ですが、そちらに対してはどうお考えでしょうか。


―浜田氏
金融庁や政府機関は、中国や韓国などと比べ日本の通貨の信用度が高いことを理由に、仮想通貨をそこまで浸透させる必要がないという考えを持っています。しかし日本の若い世代は世界に対抗しようと新しい試みを行っています。

先ほども申し上げた通り、まだまだ既存の人たちと若い世代の人たちが意見を交換できるような場が設けられることが少なく、その上あったとしても内向きの議論が多いのが現状です。中国でも韓国でもアメリカでも、黒船のように革新的なシステムがやってくることで日本全体がブロックチェーンにもっと注目していくと思います。

中国やインド、シンガポールといったアジアの新興国が世界に向けてしのぎを削っている中に日本も飛び込まなければなりません。その為には行動力があり柔軟性もある若い世代が海外とタイアップする、政府機関も日銀もいずれ対応せざるをえない状況になってくるかと思います。

―コイン東京
続いては日本のブロックチェーン業界の海外に対する立ち位置についてお伺いしたいのですが、一般的に日本のブロックチェーン技術は進んでいるというイメージが海外にはあると思うのですが、その反面日本国内では中国や韓国の方が進んでいるという考えが殆どです。

そうした状況の中で日本のブロックチェーン業界は海外と比べどういった部分で価値を生み出せるのでしょうか、また逆に海外からの助けを必要とする部分はどういったところなのでしょうか。


―浜田氏
まず日本の弱みですが、地政学的なところも含めて、人口の減少という岐路に立たされています。それらを打破するためにどういった国民性や企業が必要になるのかという観点から考える必要があります。そうすることで、ブロックチェーンといった革新的な技術をどう使っていく必要があるのかという部分も見えてくるのではないかと思います。

いま日本は人口減少の波に飲まれており、今後も減少が続いていけば、市場自体が小さくなっていき、日本だけでは成り立たなくなってくるのは自明の理ですよね。だから海外に目を向けざるをえません。しかしながら今の日本の若い人たちは、交流がスマホで出来る範囲で留まることが多く、海外にまで出ていこう、交わろうという意識が非常に弱くなっています。

日本を岐路に立たせている問題をどうやって解決していくかというと、一人一人の想像力、教育によって子供たちが解決策を出せるような意識に変えていく必要があると思います。政府に頼り切る、特定の企業に頼り切るのではなく、国民全体の意識を変えていく必要性がありますね。

少し前に元農水事務次官が息子を刺したという事件がありましたね。家庭の崩壊に繋がるような社会問題は日本中で起きており、何が原因かということを考えると、自分自身が地域や社会を作っていくという感覚が薄れ「自分さえよければそれでいい」という考えを持つようになってしまっているのですね。

日本は今、大きな問題を解決できる最後のタイミングに立たされています。これを乗り越えるためにも、スマートスクールを用いた子供たち一人一人の発達に合わせたカリキュラムを提供し、ただ単に暗記するのではなく、人間が持っている感覚を成長させるような、子供が持っている可能性をどう開花させてあげるかを大事にするような教育を行うことも必要になります。

ここまで日本にフォーカスしてお話してきましたが、こうした問題、人口の減少であれば韓国は日本より出生率が低いという状況です。世界中が抱えているものでもありますので、世界中の国々が同じ意識を持って、意見を出し合い助け合っていけるようなプラットフォームも今後必要になってくるかもしれませんね。過度な期待を寄せることはあまり良くありませんが、ブロックチェーンはそれを可能にする革新的な技術であることを信じています。

―コイン東京
それでは続いてが最後の質問になるのですが、これまで仰って頂いた課題とそれに向けた解決策に関する浜田さん自身のご活動があれば教えて頂けますでしょうか。


―浜田氏
現在私たちは中国と韓国と日本、この3つの国がどれだけ信頼関係を回復できるか、ということを目的に活動しています。

先日はソウルで日中韓合同の健康保険省会議が行われました。これは今アジアで猛威を振るっている感染症の予防と治療に「3国力を合わせて頑張りましょう」と意見を交換する場でした。そして12月22日には中国の成都で日中韓の閣僚会議が開かれ、23日には首脳会議が開かれます。

現在3国の間は微妙な相互不信に陥っており、それを克服するには3国が一体となってサクセスストーリーを作り上げていかなければなりません。勿論感染症の予防や治療もそうですが、ブロックチェーンの領域において皆が豊かになれる、安心して経済活動ができるような環境を作る同意と理解、交流が必要になってくると思います。

2020年の東京を含め直近3回の開催がアジア圏になっているオリンピックを始めとしたスポーツが持っている可能性、他にも芸術や音楽といった文化が持つ可能性、こうした分野は言葉や民族の違いを突き抜けてお互いを理解できるツールになりえます。

2020年の3月の末に習近平国家主席が国賓として来日し、虎ノ門にある中国文化センターで日中韓合同の芸術の展覧会が行われます。今年は日本でオリンピックも開催されますが、オリンピックは単に記録を競い合う場ではなく、文化同士の交流の場でもあります。

こうしたイベントは象徴的な側面も持ちますが、各国で行われるブロックチェーンサミット含め、できるだけお多くの人々が他国の人に触れ合い、相互理解を深めていってほしいと願っています。

我々が運営する国際科学未来研究所は海外の最先端技術を日本の皆さんに紹介するため、情報の発信や展示会の開催などを行い、海外の企業と日本の企業を連携させるような場を今後も増やしていきたいと考えています。我々は「どこの国で生まれる」かをコントロールすることはできません。私達が日本で生まれたことも、その他の国で生まれた人も、言ってしまえば奇跡のようなものです。この世に生きる全ての人間がそのことに感謝を持つことで、今存在する多くの問題を解決に導くことができると思いますので、そんな世界を目指して日々奮闘していきたいですね。

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