COIN TOKYO

  • 2020/06/16
  • 2020/06/17
  • コイン東京編集部

"ブロックチェーン用語を日本語にする"イベントレポート「ステーキング≒焼肉王」?

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ブロックチェーン用語を日本語にする
先日の国会での麻生大臣の発言を受けて6/13に開催された「ブロックチェーン用語を日本語にする」という、仮想通貨(暗号資産)関連のわかりにくいカタカナ語を日本語に訳してみようという有志の集まりによるイベントがありました。有志で集まった方には、麻生大臣の前でも意見を述べた音喜多議員を始め、bitFlyer, Alis等事業者を代表する人々、法律家など多くの人が参加しました。

仮想通貨・暗号資産関連のわかりにくい単語をわかりやすい名称に!

麻生大臣の一言から、6/13の夜20時からのオンラインイベントに、仮想通貨の業界に関わる事業者・開発者・法律家・メディア、そして仮想通貨業界に興味のある多くの人、総勢200名近くが参加し、仮想通貨に関係するわかりにくカタカナ語を日本語に訳そうというイベントがありました。

イベントのモデレーターは日本暗号資産市場株式会社の責任者 ようすい氏 @aplpsd
特別ゲストコメンテーターに仮想通貨取引所TAOTAO社員(社長室・クリプトアナリスト) 仮想NISHI氏 @Nishi8maru

そして審査員として名前を出していた方には、
参議院議員 音喜多 駿氏 @otokita
 (麻生大臣の一言が飛び出た参議院の財政金融委員会にて発言をし界隈の注目を集めた方)

実業者枠として
bitFlyer Blockchain 金光 碧氏 @KanemitsuMidori
同 CTO兼共同創業者 小宮山氏
ALIS 水澤 貴氏 @takashi_mizu
Xtheta 山本 仁実氏 @Xtheta_yamamoto
Techtec CEO 田上 智裕氏 @tomohiro_tagami

技術者枠として
イーサセキュリティ 加門 昭平氏 @cameong
国内取引所DLTエンジニア ますあー氏
日本暗号資産市場 岡部 典孝氏 @noritaka_okabe

学者/翻訳者枠として
岡山大学 准教授 小塚 真啓氏
日本学術振興会特別研究員DC1 森 勇斗氏 @orz_ted
マネックスゼロ室 真島 真倫氏

メディア枠として
CoinPost @coin_post
コイン東京
が参加しました。

実は他にも複数の業界の方々が一般枠で参加されてたとも言われますが、これらの方々と一般枠で参加した200名近くのによる多数決で日本語訳にしました。

「暗号資産はデジタルコイン」!イベントの結果、日本語訳は


  1. 暗号資産

  2. ステーブルコイン

  3. トークン

  4. ステーキング

  5. ブロックチェーン


イベントでは仮想通貨関連頻出語句の上記5つについて、日本語訳の検討・投票が行われました。

イベントの結果、それぞれ以下の日本語訳が選ばれました。


  1. 暗号資産→デジタルコイン

  2. ステーブルコイン→法定通貨連動型電貨

  3. トークン→スマート証票

  4. ステーキング→デジタル預託

  5. ブロックチェーン→耐改ざん性分散型記録簿


今回の議論のハイライトを一部抜粋

今回のイベントは1時間半弱にも渡るイベントで、全てについて触れることは難しいため、独断にはなりますが、議論の中で興味深かったものについて一部ご紹介します。

なぜ"暗号""資産"と法律文言で制定されたのか?

一つ目は仮想通貨と一般に広まった言葉をわざわざ「暗号資産」という言葉に言い換えたのか?ということです。

この部分では、メディア枠のコインポスト、コイン東京、いずれも実際に使われている言葉の広がり(SEO観点)から仮想通貨という言葉を今でも使わざる終えないのが現状です。
(Googleの検索Volでは直近3カ月で30倍の差で仮想通貨が検索されている)

現状の資金決済法上の「暗号資産」の定義はCrypto Currencyを踏まえ、しかし法定通貨との誤解を防ぐべく、暗号資産とされたものであります。
しかし、日本学術振興会特別研究員の森氏によると、民法的な考えでは、
「(ブロックチェーン技術は)暗号通貨だけじゃない使われ方が可能なわけです...(中略)つまり将来的に暗号的財産の拠出もあり得る」

「(通貨としてのみ捉えると)将来的に財産としてとらえられたとき民法或いは特別法上も定義がなくなる」

という趣旨で、より広い暗号資産の定義が望ましいとのことです。


"暗号"という部分に関しては岡山大学准教授 小塚先生によると、
「ブロックチェーンというのは暗号技術、いわゆるハッシュ関数を使っている」
という面から"暗号"という言葉が使われているとのことです。

「技術として通貨ではないので、通貨ではないところに持って行くべきではないのか?」という考えが法律的な見地だそうです。

事業者サイドからは分かりやすさ、一般の人の認知を広げるためにも、わかりやすい呼称が望ましいという意見が出ました。

ステーブルコインって実は色んな形があって...

今回のイベントの発端にもなった麻生大臣の一言にもあったステーブルコインは、現在テザー(USDT)に代表される法定通貨や仮想通貨と連動(ペッグ)して、価格に安定性を持たせている例が多くあります。

しかしTechtec田上氏によると、今後Makerdaoでは領収書を担保にしたDefiを取り込む予定もあるとのことで、ただただ法定通貨連動しているだけの暗号資産ではなくなってくるとのことです。

ステーキング→ ステーキ キング →焼肉王

真面目なイベントのアクセントになっていた、ゲストコメンテーターの仮想NISHI氏の独断と偏見で選ぶ、仮想NISHI賞で「ステーキング」の日本語訳に「焼肉王」という言葉が出てきた一幕がありました。

ステーキング、ステーキキング....という発想だと推測された「焼肉王」

笑いを誘っただけでなく、投票後開示された審査員・一般枠票の得票表の中で、
特別審査員を務めた音喜多議員のステーキングの日本語訳への一票は「焼肉王」だったことに注目が集まりました。

残念ながら、民主的なプロセスでの選挙だったので、「焼肉王」が日本語訳に選出されることはありませんでした。

イベント後の反響

イベントの最後の方で音喜多議員のコメントに
「(ブロックチェーンは)中央集権を打ち破る技術であることに注目をしている」というものもありましたが、

様々な分野の人が、様々な側面を持ったブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)に注目をしています。

法律的な考え方では、今回の選ばれた言葉は適切とは言い難いというものもありますし、

投資家としては、暗号資産=儲かる金、ステーブルコイン=儲からない金(いずれも仮想NISHI賞)という定義がわかりやすいのかもしれません。

いずれも今後の世界の重要な概念である、「非中央集権」「耐改ざん性」「民主的」といった要素を含んだブロックチェーン・仮想通貨には注目が集まっていくでしょう。

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