ビットコイン、および連れ高したアルトコイン相場が大きすぎる乱高下を見せています。
2020年後半から始まったこの大相場ですが、ビットコイン1月高値の435万円から、3日後には120万円以上も暴落しており、2018年大暴落相場の悪夢を思い出した方も少なくないでしょう。
今回の相場も2018年のように80%前後まで暴落するのでしょうか、それとも、今回の相場は全く違う動きをすることになるのでしょうか?
相場の予想は「相場のことは相場に聞く」しかないわけですが、大相場の始まったタイミングの意味を知ることで、その後の相場をある程度予測することができる場合があります。
今回のビットコイン大相場は、ブルームーン相場と呼ばれていることをご存知でしょうか?
ブルームーンとは、数年に一度やって来る月に2回の満月がある月のことで、2020年の場合には10月がブルームーンとなっていました。(正確には、3か月に4回の満月があることを言うそうです。)
ではなぜ今回のビットコイン大相場がブルームーン相場と呼ばれているのか、それはビットコイン相場にとって非常に重要なタイミングとなったのが、2020年10月であったからです。
チャートを見てみましょう。
チャートは、昨年10月以降のビットコイン日足チャートです。
赤いフラッグをつけているのが10月21日になるのですが、この日、ビットコインはそれまで強力なレジスタンスラインとなっていた132万円台を突破し、明確な上昇トレンドを発生させています。
つまり、今回の相場は2020年10月を起点として発生しており、このタイミングが「ブルームーン」という不思議なタイミングであったわけです。
さらに面白いのは、2018年からの大暴落相場は記憶に新しいところでしょうが、この2018年1月というタイミングもまた「ブルームーン」のタイミングであったという事実です。
2018年の場合には、1月と3月がブルームーンという3か月で5回の満月があった期間であったわけで、この事実がその後の仮想通貨相場を抑えてしまったと考えるのは考えすぎでしょうか?
単純に月の満ち欠けだけで相場を判断すると、
2018年1月のブルームーンで始まった大暴落相場
2020年10月のブルームーンで始まった大暴騰相場
個人的には、そう簡単に終わる相場とは思えないのですが?
ちなみに、次のブルームーンは2023年8月と昨年10月からは2年10か月先となります。2年10か月というと、一目均衡表の基本数値の33と1か月違いの34か月目となり、だいぶ先の話ですがこちらも気になります。
チャートに戻りましょう。
10月に始まった上昇トレンドですから、10月安値と2021年1月8日高値でフィボナッチリトレースメントを引いてみました。
すると、1月11日の暴落の際には、このフィボナッチリトレースメントの38.2%ラインがサポートラインとなっており、直近では23.6%ラインでの攻防となっていました。
今後も乱高下が予測されますが、とりわけ38.2%ラインの310万円前後のところは多くの投資家が意識するポイントとなりそうです。
同様に、20日移動平均線もサポートラインとして機能しています。
ビットコインやアルトコインはどうして1月に高値をつけてきたのでしょうか?
過去ビットコインには12月に高値もしくは安値を付けるという12月のアノマリーが存在していました。多くの投資家も12月の史上最高値を超えたところを12月のアノマリーと考えたと思います。
ところが、正月休みの間隙を突くようにビットコイン相場は上昇し続け、300万円台、400万円台まで突破していくことになります。
何を言いたいのかというと、1月に高値を付けたというのは、たまたま偶然ではなくそれなりの意味がある可能性があるのではと思うのです。
過去、ビットコイン相場は12月に高値もしくは安値を付けるという傾向が強くみられたのですが、とりわけ2020年12月は重要なタイミングとなっていました。
チャートを見てください。
チャートはビットコインの月足チャートです。
これを見ると、
2017年12月高値(237万円)から2019年6月高値(150万円)までが18か月間
2019年6月高値から2020年12月が18か月目
となっており、一目均衡表の時間論からも基本数値17の1か月違いとなる対等数値に、高値もしくは安値を付ける、あるいは相場が走り出す可能性が指摘されていました。
12月に暴騰相場となり史上最高値を更新したことで、今年も12月のアノマリーが生きており、多くの投資家はここで一休みするのではと考えたことと思います。
ところが、現実には2020年12月というタイミングは高値をつけるタイミングではなく、相場が走り出すタイミングとなり、1月には435万円台まで暴騰することになります。
ただし、12月のアノマリーが生きている可能性も残っています。
過去の一目均衡表の時間論では、1か月単位の誤差は発生することが多く、2021年1月が高値となる可能性も残しているのです。
1月に高値をつけた可能性も残していることになりますが、今回はどうなのでしょう?
過去1月に高値をつけた相場というと、アルトコイン相場の2018年1月相場が思い出されますし、日経平均株価の1989年12月末高値からのいわゆるバブルの崩壊があります。
ただ、いずれも長期の上昇相場からの暴落であり、今回のように2年前に大暴落相場を経験した仮想通貨相場に当てはまるかどうかはわかりません。
個人的には、2021年2月以降で高値を更新するようなことがあると、今年も強い相場があるのではと思っています。
1月8日に435万円まで上昇したビットコインはなぜ今回急落したのでしょうか?
さすがに上げすぎ!というと簡単ですが、これはご承知のように為替市場で急激にドルが買われたからです。
コロナショック以降に急拡大した金余り相場の中、基軸通貨である米ドルは大量の資金発行とともにその価値を減少してきました。
機関投資家やヘッジファンドの保有資産の現金比率が史上最高のレベルで高くなっていますが、これは現金を保有しているとリアルタイムで価値が減少するからであり、調達された資金は株式、商品、貴金属、そして仮想通貨へと流れていました。
つまり、ドルが売られている限りは、この相場は安泰なのですが、1月7日から急激にドルが買われることになり、仮想通貨相場が過敏に反応することになり、暴落しました。
今のところ、株式市場は大きく反応していませんので、リスクヘッジとして買われていたビットコインや貴金属が売られたというところです。
短期的には、米ドルの動向はビットコイン、そしてアルトコインの価格に大きな影響を及ぼすことになりそうです。
為替を確認しておきましょう。
チャートは、ドルインデックスのETF「DXY」の日足チャートです。
米ドルが買われたこと(ドル高)で、ビットコインが暴落しているのが分かります。
ビットコインと米ドルの相関関係については疑う余地もなさそうですが、もう一つ注目したいのが株式市場です。
米ドルの価値が減少することから、株式市場は強気一色の未曽有の超ブル相場が続いています。これが将来的に暴落すると「バブル相場」と呼ばれることになるわけですが、まだわかりません。
何故なら、株式市場は今年も上昇していく可能性が高いからです。
そうは言っても、コロナ禍で大不況がやって来るのではという中、経済の先行きを示す株価が天井知らずで上昇するのはおかしいと考える人も多いはずです。
しかし、株式市場の長期移動平均線はことごとく上向きに転換しており、ちょっとやそっとの暴落では、昨年の3月相場のように絶好の押し目買い提供となる可能性が高いのです。
仮想通貨にとって株式市場が重要なのは、2020年以降、ビットコイン相場の主要プレイヤーが、従来の個人投資家からヘッジファンドや機関投資家に代わってきたからであり、株式投資の分散投資のリスクヘッジとして、ビットコインに投資が集中しているからです。
コロナ禍で大不況も想定される中、政府が提供する資金は設備投資に回されることは考えにくく、株式市場などに流れているのが実情です。
それではワクチンが普及するとどうなるのでしょうか?
将来的には、もちろん先進国などの金融政策は変更されることになるでしょうが、それはまだまだ先の話でしょう。
ワクチンが普及すれば、かえって経済成長期待からさらに相場は上昇するのではないでしょうか?
ビットコインがこれからどう動くのか、株式市場の動きは大変参考になるでしょうし、株式市場が長期的な下落トレンドに転換したり、米ドルが長期的に買われることにならない限りは、ビットコイン相場も簡単には終わらないと考えるのですが。
40代男性。大手証券会社、大手通信会社の経営管理を経てセミリタイヤ。職務経験から、広く事業や経済動向、株式・先物・為替市場に精通。長らく株式トレードを行い、暗号通貨は2017年から。仮想通貨だけでなく、ビジネスや世界マーケットを絡めた視点から大人の分析ができるビジネスマン。
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