2021年、新年早々の1月8日に435万円台まで暴騰したビットコインは、その後に暴落に転じ1月22日には297万円台と300万円割れまで急落します。
さすがにやりすぎというところもありましたが、再び400万円台を回復するのは非常に難しいのではと思われました。
ところが、ビットコインの相場は未だ終わっておらず、2月6日には430万直前までの戻りを見せます。
そして、テスラのイーロン・マスクのBTC15億ドル購入というニュースとともにビットコインはまたもや暴騰し、新高値更新から60万円以上の上昇を見せ500万円越えまで上昇しました。
そもそも、今回のビットコイン相場の発生点は、2020年12月後半からの上昇トレンドと考えられ、あたかもコロナとともに始まったような感があります。
2017年12月の暴騰相場では、中国人民元の大量流入がありましたが、今回の主役は、まさしくコロナとともに発生することになる、世界各国の緊急経済対策による壮大な金余り相場です。
言うまでもなく、上昇しているのはビットコインやアルトコインばかりではなく、株式相場や商品相場など貴金属相場を除くほとんどの投資市場が大賑わいを見せています。
これらの根底にあるのは、米国FRBの金融政策であり、米ドルの動きが株式市場やビットコイン相場に大きな影響を与えています。
簡単に言うと、米ドルが大量に発行される限り、米ドルの価値は下落し、それを避けようとして株式やビットコインが購入されることになり、歴史的な大相場が形成されているのです。
つまり、米国FRBの金融政策に変更がない限りは、株式相場やビットコイン相場には先高期待があり、高値を切り上げていく相場が続くと想定されているのです。
今回のイーロン・マスクのビットコイン買いも、そんな中での分散投資だと思われます。リスクヘッジとして、ビットコインや金などの貴金属を購入しているようです。
現状、米国の金融政策に変更は当面ないと思われますが、相場の世界ではその先が反映されることになりますので、過去の相場を紐解くまでもなく、この相場は遠からず終了することになります。
それは何時なのか?
それが最大の関心毎となります。
ビットコイン相場はなぜこんなに強いのか、その理由を知るために主要相場のチャートも見ていきましょう。
まずは、株式市場の代表格の米国Nasdaqのチャートです。
次に、日本の日経平均株価の週足チャートです。
ご存知の方も多いでしょうが、日経平均株価はバブル崩壊後は失われた20年と言われるほどで遅れており、2013年のアベノミクスで最悪期は脱するものの、依然として、先進国株式市場の中では大きく出遅れていました。
米国株式市場同様に、コロナショックにより急落しその後は反発するものの、他の株式市場からは出遅れており、なかなかコロナショック前の水準に戻すことができませんでした。
ところが、2020年11月に入るや上昇トレンドが始まりコロナショック前の高値を更新、直近では30年ぶりの高値も更新して3万円台まで近づいてきています。
時価総額では、すでにバブル時を超えていますので、事実上新高値更新と考えても良いかもしれません。
3つ目は、WTI原油先物の週足チャートです。
原油先物といえば商品市場の代表格となりますが、CO2 問題やEV化の流れから相場は暴落し、4月の先物決済時には何とマイナス価格になるという前代未聞の大暴落相場となりました。
もちろん、下落しすぎた相場もまた戻すわけで、その後は急激に価格を戻したものの、上記の日経平均株価同様に他の投資市場に比べると大きく出遅れた相場となっていました。
ところが、この原油相場でさえ2020年11月以降には上昇トレンドが発生しており、直近でも価格は急騰中です。
ビットコインが上昇した理由として、Nasdaq市場、日経平均株価、WTI原油相場を見てきましたが、これらの相場を実現した最大の要因となるのが、上記のドル相場です。
チャートは、ドルインデックス(DXY)の週足チャートです。
コロナショックにより一時的なドル不足が発生し、いったんは急騰しますが、その後は暴落しています。
そして、2021年1月後半までは下落トレンドとなっていましたが、2月頃から相場が反転しそうな状況を見せています。
前述しましたように、米国FRBはいまだに金融政策を変えるという発言をしていませんが、相場は先読みしているのではないかと、多くの投資家はその言動に大注目しています。
今回のビットコイン相場では、一時的なドル買いから株式市場やビットコインも調整入りかと予想されましたが、なかなかドル買いが続かないということから、ビットコインが待ちきれずの暴騰したという感じすらします。
さて、500万円越えを果たしたビットコイン相場はこれからどう動いていくのでしょうか?
90兆円越えとなったビットコインの時価総額ですが、今後ビットコインがさらに上昇していくためにはさらなる新規資金が必要となります。
まあ、GAFAの時価総額が100兆円から短期間に200兆円越えを見せるような時代ですから、ビットコインがそうなったとしても不思議ではないでしょう。
ただし、そのためには現在の相場環境が継続していくことが必要であることは言うまでもありません。
ビットコインの月足チャートを確認してみましょう。
ビットコインの月足チャートには非常に面白い周期性が見られます。
2017年12月の暴騰相場での高値237万円から、その後の暴落相場の中で久々の上昇相場となった2019年6月の戻り高値150万円までの期間が18か月間。
さらに、2019年6月から2020年12月までの期間が18か月間となります。18か月間が続いたわけですが、これは一目均衡表の時間論における対等数値と見なされます。
18という数字は一目均衡表の基本数値17と1か月違いとなり、この2020年12月というタイミングは多くの投資家が注目する時間帯でありました。
そしてこのタイミングで史上最高値を更新しましたので、ここはいったん高値をつける可能性に注意ということになります。
ご参考までに、一目均衡表の時間論における重要な時間帯とは、高値・安値を付けやすい、あるいは相場が走り出すという3つの意味があります。
ご存知のように、20201年1月早々の8日に再び新高値を更新していますので、このビットコイン相場は12月から走り出したと考えられ、2月には500万円をも超えてきたということになります。
もう一つ、面白い事実があります。
チャート上に示したように、2018年1月からビットコインおよびアルトコイン相場の大暴落が発生しますが、この2018年1月とは「ブルームーン」というひと月に満月が2度あるという非常に珍しい月です。
さらに、2018年1月以降の「ブルームーン」となったのが、2020年10月です。実は、ビットコインが長期のレンジ相場から脱したのが2020年10月で、それまで強力なレジスタンスラインとなっていた132万円を上抜いてから上昇トレンドが始まっているのです。
偶然といってしまえばそれまでですが、コロナとともに始まったようなビットコインの大相場は、不思議な時間帯によって支配されているようで、2018年1月のブルームーンで終わった相場が、2020年10月のブルームーンで再び始まったとも考えられます。
ちなみに、次の「ブルームーン」は2023年の8月です。
もはや止まりそうにない相場、ビットコイン相場を見ているとそう思えてしまいますが、前述したように、上昇しているのはビットコインやアルトコインだけではありません。
世界的に株式市場も暴騰という感じで上昇していますし、商品市場も急騰しています。
現状では、ビットコイン相場の動きは株式相場の先行指標的な状況となっており、待ちきれずに値上がりしていくビットコイン相場を株式市場が追っかけているという感じです。
未曽有の壮大な金余り相場が展開されていますが、もちろん、、いつまでも続く相場は存在しません。
この相場は「そう簡単には終わらない」と言い続けてきましたし、今でもそう思っています。
しかし、相場のことは相場に聞かなければなりませんし、明日のことが分からないのが投資の世界です。
この相場は続くという前提の上で、重要な時間帯は抑えておきたいところです。何せ、周期性どおりに動いているのですから?
実は、直近に重要な時間帯が迫っています。2月11日です。
えっ、何の日?
そう思われる方は日足チャートで確認してみてください。
2月11日とは、2020年2月11日からコロナショックが始まったその日のことです。過去の相場を見てみても、2月11日前後に相場の方向性が展開することが何度も起こっています。
先物の関係もあるかもしれませんし、もっと不思議な理由が存在しているのかもしれません。
今年の2月11日は休日となっており、10日夜のニューヨーク市場から注目したほうがよさそうです。
ちなみに、今年の2月11日は新月となっています。ブルームーンで始まった相場ですから、このようなタイミングは注意したいところであり、株式相場も含めて史上最高値を更新し続けていますので、そろそろ調整があってもおかしくはない時間帯です。
40代男性。大手証券会社、大手通信会社の経営管理を経てセミリタイヤ。職務経験から、広く事業や経済動向、株式・先物・為替市場に精通。長らく株式トレードを行い、暗号通貨は2017年から。仮想通貨だけでなく、ビジネスや世界マーケットを絡めた視点から大人の分析ができるビジネスマン。
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