press release
◆Cosplay Token(COT)
・『Cure WorldCosplay』内で使われる仮想通貨
・コスプレイヤーとファンの間での決済、及び撮影や衣装等の関連ビジネスでも使われる
・ウェブサイト:Cosplay Token(COT)
◆Cure WorldCosplay とは?
・180カ国以上に72万人以上のユーザーを抱える世界最大のコスプレサイト
・コスプレイヤーが自身の作品を投稿したり、ファンと交流することができる
・事業主:株式会社キュア
・ウェブサイト:Cure WorldCosplay
・Facebook25万、Weibo17万、Twitter1.3万のフォロワーと運営するコミュニティーも大きい
今回はそんなCosplay Tokenの概要を、株式会社キュア代表取締役社長の川相潤一郎氏、そして同社執行役員の中川大輔氏に聞いた。
コスプレ業界と仮想通貨はなんだか馬が合いそうな気がするが、今回注目すべきは、この Cosplay Token は既に72万人以上のユーザーを持つ Cure WorldCosplay で使われるという点だろう。
Cure WorldCosplayとは?
Cosplay Token の代表である川相氏は、株式会社キュアの代表取締役社長であるが、同氏はCure WorldCosplayを2017年に事業譲渡で得た。同サービスは前身であるWorldCosplayとして2011年から開始されており、当時既に世界最大のコスプレサイトだったそう。そんなコスプレ界の一大事業を、なぜ川相氏が引き受けることになったのか。
川相社長:
「元々USENという企業に勤めており、その後ソネットに転職し、ゲーム内広告事業を立ち上げたのですが、時代背景としてソーシャルゲームが盛り上がっており、サンフランシスコのスタートアップである「Kamcord(カムコード)」という、スマートフォンのゲーム動画を録画・シェアできるサービスの日本法人を立ち上げました。その時に世界のインフルエンサーを見ていると、コスプレイヤーさんがいたり、当時のチームメンバーに、日本に来たことがないのにコスプレが好きだったり、アニソンとかを歌う人が大勢いたのです。それを見たとき、これはコミュニティーとして確立しているなと言う印象を受けました。しかし同時に、日本のサービスが海外サービスにトラフィックを奪われているという現状も認識しました。
それで、自分で起業したいなと思っていた中で、たまたま株式会社テコテックの釣崎社長と面識があり、2016年あたりにブロックチェーンの話を聞く機会に恵まれ、当時ICOという言葉はでなかったのですが、クラウドファンディング的な形で何かできるのではないかという発想がありました。また、コスプレが世界中で広がっていたので、経済圏を作れるのではないのかと思いました。そこでピクシブ株式会社の片桐社長(当時)と「そういえばキュアってあるよね」という話になり、そこからコスプレと仮想通貨という動きが始まりました。」
株式会社キュアの執行役員であり、川相氏の相棒とも言える中川氏はどのような経緯だったのか。
中川氏:
「放送、通信系企業の時代に川相の後輩だったんです。地上波の動画配信サービスではコンテンツ調達や編成業務であったりとか、CS放送のウェブマーケティングなどに携わっていました。その後、川相が申しておりましたカムコードという会社が立ち上げられた際に呼ばれまして、事業開発マネージャーとして参加しました。そしてこの度の起業にもジョインさせていただきまして、付き合いとしてはとても長いですね。」
記者:コスプレは前からお好きだったのですか?
川相社長:
「はい、私自身もコスプレが好きだったので、業界のことはよく知っていました。国内コミックも好きですが、アメコミも好きでして、スパイダーマンのコスプレ等をしていました。ですので、海外のコスプレをやっている人たちに何を聞けば良いかというのもわかっていました。」
川相氏も中川氏も、関連事業でコスプレ業界とは長い関わりがあるが、自身でコスプレビジネスに乗り出すのは今回が初めてとのことだ。では、コスプレ業界にビジネスとして携わるのはどういった点に惹かれてなのだろう。
川相社長:
「まず、そこまで言葉が必要ないので、海外の方とコミニケーションがとりやすいという点があります。コスプレをしていると、言葉を超えるというか、コミニケーションがコスプレで成立するところがおもしろいです。現に、海外のコスプレイベントに日本のコスプレイヤーさんが多く呼ばれるのですが、英語は全く喋れないものの、衣装だけでコミニケーションが成立していると言うのはコスプレの醍醐味だと思います。
うちの社員で伝説のコスプレイヤーと呼ばれている者がいるのですが、おじさんコスプレイヤーなんですけども(笑)、英語は得意ではないものの、海外でコスプレをすると写真を撮り合って、連絡先を交換するというようなことが起こっています。」
記者:中川さんはいかがですか?
中川氏:
「そうですね、まず市場規模の魅力をすごく感じていて、CRI Report が発表した数字では、コスプレ関連の衣装制作だけで2兆円のマーケットであるとのことです。また、衣装だけでなくそれに付帯するサービス、例えば渡航費だったりイベントへの参加費用であったりとか、全てを合算するとかなり大きなマーケットになります。
また、川相が申したように、やはり言葉がそこまで必要ないというところ、そこでコネクトできるという部分は非常に魅力的だと感じています。
僕らもユーザーが180カ国におりますので、分散化されているという意味においてブロックチェーンと非常に相性が良いのかなとも思います。」
コスプレ事業のキャッシュポイントは?
コスプレ業界のおもしろさというのは垣間見えてきたが、この業界のキャッシュポイントはどこにあるのだろう?
川相社長:
「近年、コスプレイヤーにインフルエンサーとしての側面が強くなってきたので、例えばゲームの公式コスプレイヤーさんとか、海外だとそのままタレント化されて数億円稼がれている方もいらっしゃいます。ただ、そのような成功例がでてきたとは言え、市場規模から言うともっと儲かるはずなのに儲けられていないという構造があるので、そういったところを後押ししていきたいと思っております。
あとマーケット規模としては、カメラとコスプレイヤーは密接な関係があり、撮影代や機材代を市場規模に組み込むととんでもない規模に達します。
コスプレイヤーさんのほぼ大半がゲームをやられているので、ゲーム業界とも非常に密接な関係があります。」
記者:なるほど。ではインフルエンサーとしての活躍を後押しし、発生する様々なお金の中から手数料がCure WorldCosplayに入ってくるということですね?
川相社長:
「これまではそうでした。そこに広告も加えまして、海外のイベントオーガナイザーが日本のコスプレイヤーを呼びたいという依頼があるので、そういうところに入っています。イベントキャスティングも多かったのですが、今年に入ってからイベントを丸々企画運営してほしいという依頼も増えています。」
コスプレ業界は実に幅広い。コアなコスプレファンが支えるこの業界には、コスプレに付随する様々なビジネスが関連づけられる。Cure WorldCosplayはそれらを一つに束ねようとしているようだ。では、そこにブロックチェーンはどう絡むのか?
川相社長:
「コミュニティを通じて、コスプレイヤーさんやカメラマンさんに現状のコスプレ業界の問題点を聞いてみました。その結果、その問題点がブロックチェーンならば解決できるという結論に至ったのです。
僕は『コミュニティ=価値の交換』という考え方を持っていたのと、株式会社テコテックの釣崎社長とも話を重ねる中で似たような考えをお持ちであるということがわかったので、これはいけるんじゃないかと思いました。
コスプレ業界は、世界中にコミュニティが点在しているのですが、ビジネスとして成立しているところは少ないと思います。facebookなどのSNSも広告が収益源だったりするので、価値の交換と言う意味ではブロックチェーンが良いのではないかと考えています。」
記者:なるほど。具体的にはどのようにブロックチェーンが活かされるのでしょうか?
川相社長:
「ブロックチェーンは簡単に言うと通貨だと思うのですが、Cure WorldCosplayでトークンを発行してもらい、ビジネスをやってもらうと。どのようなビジネスをやるのかというと、デジタルコンテンツであったり、オフ会、或いは海外イベントのオーガナイザーが日本のコスプレイヤーさんを呼ぶときに、その対価としてトークンをやり取りする等です。
また、様々な業務において、前金というのが皆さん非常に不安です。これまでですと後払決済で払われないケースや、例えば中国の場合PayPalが使えない等の問題がありました。しかしブロックチェーンであれば、仕事がちゃんと為された後に支払われるという仕組みはプログラム上で実現できます。
また、きちんと契約を履行した人の評価をブロックチェーン上に書き込む、逆に契約を守らなかった人の評価もブロックチェーン上に書き込むことで、信頼の可視化も行えます。このように、多くの問題がブロックチェーンで解決できると考えています。」
記者:トークンによって決済をスムーズに行う、契約不履行のリスクを減らす、加えてレーティングによる信頼の可視化ができるシステムということですね。
独自トークンを発行してビジネスをしてもらうという事は、コスプレイヤーさんに自分のトークンを発行してもらうということでしょうか?
川相社長:
「そうですね。まずはCure WorldCosplayで自分たちの独自トークンを作ります。コスプレイヤーさんには、Bancor Protocol を使って、自分の名前でコインを発行していただき、その中でファンを抱えていただきます。そういう形で経済圏を作っていけたらと考えています。」
Bancor Protocol とは?
Bancor Protocol とは取引プラットフォームで、取引量の少ないトークンでも常に妥当な値段で売買ができるよう、トークン発行者に準備金をデポジットさせ、需要と供給ではなく特殊な計算式で価格決定を行うシステムだ。Bancorは仮想通貨業界では有名なサービスで、多くのトークンがBancor Protocolを利用している。
Cure WorldCosplayでは、コスプレイヤーがそれぞれ独自のトークンを発行でき、それをBancor Protocol上で売買できるとのことだ。
では、Cure WorldCosplay自体のトークンにはどのような役割があるのか?
川相社長:
「Cosplay Token はコスプレの経済圏を作るものですが、一般的な取引所で他の通貨と交換できるものでもあるため、コスプレファン以外の人にも使われます。
コスプレイヤーさんはプロとしてやっておられる方もいますし、趣味としてやっておられる方もいますが、コスプレイヤーさんだけでなく、カメラマンさんや衣装さん、さらには他の仮想通貨ユーザーも含めて、「とりあえずCOT払いでいいや」というようなものが世界的に作れたらと思っています。」
記者:ということは、コスプレファンの方々にはそれぞれ好きなコスプレイヤーさんのトークンを使ってもらい、全体としてはCosplay Tokenを使うという事ですね?
川相社長:
「そうです。取引所に上場するのはCosplay Tokenのみで、コスプレイヤーさん独自のトークンは取引所には上場せず、Cure WorldCosplay内で使われ、Bancor ProtocolによってCosplay Tokenと交換できる機能をもたせます。」
Cure WorldCosplayでは、Cosplay Tokenを基軸通貨としながら、それぞれのコスプレイヤーによる様々なトークンが生まれる。やはり、コスプレやゲームといったファン層がコミュニティを形成するため、それぞれのコミュニティにおける独自通貨というのも受け入れられやすいだろう。
川相社長:
「経済圏を作る上ではある程度プロトコルの実装が大事と思うのですが、ファンビジネスに非常に向いているのがBancorだと思っています。
Bancorは流動性を確保できることと、自分の名前でコインが作れるというのが魅力です。Bancorは他のファンビジネスでも実装を依頼され、水面下でいくつか動いていると聞いています。うちにもBancorのCTOがアドバイザーとして入ってくれ、実装の手伝いをしてくれています。」
記者:なるほど。Ethereum上で自分の名前のコインを作ろうとしたら大変ですか?
川相社長:「大変ですね。Bancorであれば簡単に行えます。」
ちなみに Cosplay Token自体は、Ethreumブロックチェーン上で動作するERC20トークンであるとのことだ。
また、先述の「契約をきちんと実行したかどうかのレーティングを行い、信頼の可視化を行う」という部分はサーバーで行われるそうで、つまりICOにおいて重要なパートはやはりトークンということになる。
「トークンエコノミーというところを非常に意識しております。」と川相社長は語る。
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