COIN TOKYO

  • 2018/08/27
  • 2018/08/27
  • コイン東京編集部 アオ

“WOMEN in BLOCKCHAIN (KOREA)”のパネルディスカッションレポート! ブロックチェーン業界での女性の活躍について

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7月19日、韓国ソウルのGoogleキャンパスのメインイベントホールにて『WOMEN in BLOCKCHAIN』が開催され、ブロックチェーン業界での女性の活躍に焦点を当てたパネルディスカッションが行われました。

ブロックチェーン業界で活躍する女性、あるいは興味を持っている女性は確実に増えつつあります。それでは、この度はディスカッション内容の一部をお届けいたします。

進行:エリカさん(KryptoSeoulのファウンダー兼CEO)
登壇者:鈴木さん(投資家)、イラさん(ブロックチェーンスタートアップ)、フーさん(ブロックチェーン・インフルエンサー)




このブロックチェーン業界自体が若く、誰もが「専門家」など名乗ることはできないと私は思っています。なので、お互いもっと謙虚に学び合いの姿勢を持って接しても良いと思うのです。


―鈴木絵里子さん (Eriko Suzuki)
”ソーシャル インパクト”投資をするミスルトウ(Mistletoe)でディレクターを務め、同時に、フレスコキャピタル(Fresco Capital)のパートナーもやっており、スタートアップやブロックチェーン・プロジェクトに投資をしています。本日はこのパネルに参加でき、とても嬉しく思っています。この会場にいる皆さんにお伝えしたいのは、私みたいな人でもブロックチェーンに関われるのですから、あなたもきっと出来るよ、と言うことです。勇気づけるメッセージを送ることができれば嬉しいです。

―イラさん(Ella Qiang)
本日はお呼び頂きありがとうございます。ステラー(Stellar)という企業で働いています。私たちはより良い、オープンな金融インフラを構築することを目標としています。カンボジアなどのような流動的な市場のトークン化も目指しています。今、特にフォーカスしている領域は、クロスボーダーの支払いのインフラを構築することです。この市場はとても大きく、また手数料などがまだまだ大きいので、一新するのにふさわしい領域だと思っています。2つめにフォーカスしている領域は、様々な資産をトークン化することです。そうすることで資産の移動が早く、より安くなります。例えば不動産なんかはトークン化しやすい資産だとして注目しています。

―フーさん (Phu Styles)
シリコンバレーのヴェロルムキャピタル (Velorum Capital)で働いています。またブロックチェーンPRのCEOも務めており、ビラスというシェアハウスやシェアワーキングのサービスを展開しているスタートアップのコ・ファウンダーでもあります。また女性のためのブロックチェーンファウンデーションのファウンダーです。2020年までに100万人の女性がブロックチェーン業界で働くことを目標にしています。あとは、マダムクリプトとしてDJもしています。

―エリカさん (Erica Kang)
皆さんすごいですね!私はクリプトソウル (KryptoSeoul)のファウンダーで、このパネルディスカッションのモデレーターです。韓国のブロックチェーン業界を代表して、本日ここでこの三人の素晴らしい女性と話す機会を設けることができて光栄です。
ちょっとびっくりしているのはこのディスカッションに来てくださった参加者の女性の数がとても多いということです。
女性もマイノリティの一つとみなされていることで大変なこともあると思いますが、3人には何か女性だからこそ立ちはだかった障壁などはありますか?


―フーさん
ブロックチェーン業界に入る前はVR業界にいましたが、そこも男性ばかりでしたので、そういった環境には慣れていました。その前はハリウッドのファッション系の業界にいましたが、そこではたくさんの女性やゲイの方とお仕事をしていましたので、いろんな方と仕事をしてきた経験があります。
去年ブロックチェーン業界に腰を据えましたが、ブロックチェーンってとても難しいんですよ。だれも教えてくれないし、専門家になろうというわけじゃないですけど、10月から2600時間くらい勉強しているかもしれません(笑)。大変だったことは、女性はいつも私一人だったことですね。10社同時ミーティングとかに出席した時もほとんど男性だったし、だから女性のためのブロックチェーンファウンデーションを創設しましたし、もっと女性がブロックチェーン関係のワークショップやカンファレンスに出席することを促すスポンサーをしたりしています。

―イラさん
Stellarに参画する前も金融業界にいたのですが、やはり女性は少なかったです。Stellarに参画してから、中国で企業の方とのミーティングがあったのですが、翻訳者と間違われました。だけど、第一印象がだめでも、しっかりそのあと自己紹介をして、プロフェッショナルであることを示せばいいと思います。このブロックチェーン業界もやはり男性の方がものすごく多いですね、だけど裏を返せば、女性が少ないぶんより覚えてもらいやすいのではないでしょうか(笑)もう一つ言いたいのは、ブロックチェーンってとても複雑なテクノロジーで、テクノロジーのバックグラウンドのない企業のデシジョンメイカーと話す時は、難しい用語を避けなければいけない。そのような状況で、女性の方がテックガイのような人たちよりも説明が上手だと感じています。

―鈴木さん
私も金融業界からこのブロックチェーン業界に来たので、男性が沢山いる環境には慣れています。男性比率が高い業界というのは、攻撃的になりがちな側面もあると思います。例えば、先日友達と楽しい食事をしていた時のことですが、隣の男性がいきなり「君たち投資家なの?」って聞いてきて、「そうです」、と言ったら「じゃあ、最近投資した3つのプロジェクトは?そのバリュエーションは?」と言う感じで、すごく高圧的だったんですよ。
でも、正直なところ、このブロックチェーン業界自体が若く、誰もが「専門家」など名乗ることはできないと私は思っています。なので、お互いもっと謙虚に学び合いの姿勢を持って接しても良いと思うのです。
もう一つ、投資家はあまり失敗について語りませんが、実際私たちは沢山失敗を重ねています。そう言う風に、正直になって、お互いの学びを共有し合うことも重要ですね。
なので、私は、「この業界はフレンドリーなんだよ」と宣伝しながら、その様に作り上げていければ良い、と思って努めています。




女性だから、男性だからとか、じゃなくて自分を見つめなおして、ステレオタイプにとらわれずに何が得意なのか、何に強みがあるのかとかをしっかり分析して、自分に合うポジションを探していけば良い、と思っています。


―エリカさん
3人の話にはどれも共感できるものでした。女性が周りにいないとか、説明は女性の方が上手とか、男性は攻撃的だとか、私ずっとうなずいてました(笑)
あんまり女性とか男性とかって区別したくないけれど、女性は表舞台に立つ機会が少ないと思います。だからこのパネルディスカッションを設けました。次の質問ですが、このブロックチェーン業界で、どういったポジションが女性にとって最適だと思いますか?


―フーさん
女性はコミュニケーターとして、マーケティングサイドで働くことも多いですね。でも、同時に、たくさんの女性デベロッパーもいます。コミュニケーターとしての需要が女性はたくさんあると思うけど、デベロッパーになることを恐れないでほしいわ。私たち女性はやっぱり世界を良くしたいと思っていると思うんです。ほら女性は母性もあったりするでしょ?

―イラさん
どんなバックグラウンドがあるかによって決まると思っています。素晴らしい女性デベロッパーも知っているし、ビジネスのサイドでも素晴らしい女性を知っているわ。

普通の企業だったら、何かプロトコルがあって、それをビジネス化してマスプロダクションに持っていくというのが普通で、テクノロジーサイドとビジネスサイドが上手に連携をとらなきゃいけませんよね。だけどブロックチェーン業界は、この2つが結構ハッキリと分かれています。この2つの間に、ビジネスについて詳しくて、プロセスを管理できるような女性がいれば完璧だと思うわ。

―鈴木さん
この質問はいいですね。私は少し違う視点を持っていて、先日、本(『これからは、生き方が働き方になっていく』(2018年、大和書房))も書かせてもらったんですが、女性だから、男性だからとか、じゃなくて自分を見つめなおして、ステレオタイプにとらわれずに何が得意なのか、何に強みがあるのかとかをしっかり分析して、自分に合うポジションを探していけば良い、と思っています。結局は、女性も男性も一人一人とても違って多面的ですしね。

―エリカさん
素晴らしい答えをありがとうございました。このブロックチェーン業界というのは進歩がとても早くて、新しいことを学び続けている日々だと思います。スマホでニュースをいつもチェックしたりして。3人は新しい情報を入手するうえで、大事にしていることはありますか?


―フーさん
1つはテレグラムをダウンロードすることですね。そしてもう1つは、女性のためのブロックチェーンファウンデーションに参加してほしいです。私たちのサイトはオールインワンのサイトです。求人、ネットワーク構築機会、ニュースなどが揃っています。

―イラさん
将来ブロックチェーンで何がしたいのかを、しっかり自分で考えることにフォーカスするといいと思います。そしてテック系の情報もしっかり目を通すことは大切ですね。ICOとかが巷では流行っていますが、しっかりとテクノロジーについて勉強したほう良いと思っています。個人的にはトークンエコノミーの分野に興味があります。なのでその分野でのコンテンツを探しています。

―鈴木さん
お二人が仰っていたことに同意ですので、要約になってしまうかもしれません。
ICOとかだけでなくて、テクノロジーに関することも含めていろんな情報を手に取る必要があると思いますが、それを自分が好きなことや情熱を持てる分野を通して学んでみることもいいと思います。そうすれば学ぶことが苦じゃなくなります。たとえばアートとブロックチェーンとか、音楽とブロックチェーンとか、なんでもいいと思います。
そして、もう一つが実践すること。学んだだけではダメです。トークンを買ってみたりしてください。失敗をしてもオッケー。みんなが経験することなので。

―エリカさん
そうですね。一年前からブロックチェーンについて勉強をするようになりましたが、独学は難しいですね。何しろ新しい情報が次から次へとくるものですから。最後の質問です。あなたたちはこれまでも素晴らしいことを成し遂げてきましたが、これからの将来の目標とかはありますか?


―鈴木さん
私は社会的に良いインパクトを及ぼす投資に情熱を持っています。そしてその一つにブロックチェーン業界がありますが、まだまだ複雑で規制面から難しいところもあります。ですので、本日こんなにも沢山の人が集まったように、みんなで力を合わせてこの業界を盛り上げていきたいです。

―イラさん
5年後にはみんなが知らずにブロックチェーンをつかっているような社会になると信じています。その時に新たなブロックチェーンスタートアップが活躍しやすいリソースが揃っている社会にしたいと思っています。

―フーさん
わたしが目指している世の中は、非中央集権的な社会の中でみんなが生活していけるような世界です。そして、女性初の仮想通貨業界でのビリオネアになりたいです。

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